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復讐の異世界転生者 ~魔法適性ゼロの『魔抜け』、前世の知識と『気功』を極めて魔法至上主義を粉砕する~  作者: ボルトコボルト


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081 【妖精の国、遭遇の衝撃】銃口を向ける小さな守護者たち、問答無用の開戦!

 ■森の包囲網

 妖精の国へ向かう森の道は、これまで通ってきた道とは明らかに異質だった。木々の密度が高まり、まるで外界を拒絶するかのような静寂が漂っている。だが、俺の『気配探知』はその静寂の裏側に、鋭い敵意が潜んでいることを告げていた。


「……ん? 誰か来るぞ」

 俺は足を止め、仲間たちに合図を送る。


 十数人の気配。いや、もっとか。獲物を狩るための慎重な足取り、あるいは……包囲のための動きだ。


「妖精じゃな。隠れる気配も薄い」

 エリが魔力探知でそれを補足する。彼女の声には、緊張と、どこか呆れたような響きが含まれていた。


「全員STOP。ここで迎撃態勢をとる」

 俺の号令で、全員が即座に動いた。


 まずは大型の戦力から隠す。ドラムは音もなく地上に降り立つと、小鳥サイズへと縮小し、ダルアの肩へと飛び移った。続いて、エリが詠唱を行う。その腕の中で『精霊の腕輪』が淡く光り、魔神バズズはその巨体を粒子へと変えて、エリの精霊として内部へと潜り込んだ。


「ライヤ、お前も頼めるか?」

 俺が呼びかけると、雷の神獣ライヤは「問題ナシ」と一言だけ返し、その姿を子犬サイズまで縮ませた。アライグマのような愛らしい姿で、ハルカの足元にお座りをする。見た目は可愛いが、その瞳の奥には雷光が揺らめいている。


 準備は整った。だが、俺の探知には、包囲網が完成しつつあるのが分かっていた。妖精たちは俺たちを正面から迎え撃つのではなく、四方八方から逃げ場を塞ぐように動いている。


(初めから敵対前提、ってことか?)


 俺の隣では、エリがすでに弓を構えていた。左手に弓、右手に矢。流れるような動作で臨戦態勢に入る。

 ハルカもまた、リッチの手の骨を加工した不気味な杖を握りしめ、冷ややかな瞳で森の空を睨んでいる。

 ダルアは銃を右手に握り、いつでも引き金を引けるように身構えた。彼女たちの目は、もはや旅人のそれではない。戦士の目だ。


 ■妖精たちの審判


「……出てきたな」

 森の梢が揺れ、光の粒子とともに奴らが現れた。身長15センチほど。人間の体に、神々しいほどに美しい昆虫のはねを生やした小さな戦士たち。


 先頭に立つのは、トンボの翅を持つリーダー格の妖精だ。ホバーリングするように宙に静止し、鋭い槍をこちらに向けている。その後ろには、蝶の翅を持ち、杖を携えた女性妖精が二人。魔法使いだろう。


 さらにその後方には、カブトムシのような硬質な外殻を纏った、重装甲の兵士が三人。彼らは地に降り立ち、鞘翅しょうしを背中に畳んで、地面を力強く踏みしめている。


 トンボの妖精が、甲高い声で叫んだ。

「侵入者ども! ここは妖精王国の聖域だ! 目的を言え!」


「通りすがりの旅人です」

 俺が丁寧に答えても、奴らの敵意は微塵も揺るがない。


「嘘をつくな! その肩のトカゲと、足元の獣……精霊を連れているな! 精霊を支配し、泉を穢す黒幕が貴様らか!」


「精霊!?」

 妖精たちの間に動揺が走る。彼らは俺たちが精霊を連れているだけで、問答無用に「敵」と見なしたらしい。


「お前たちを連行する! 大人しく従え!」

「……断る!」


 説得の余地など最初からなかったのだ。俺が断固拒否した瞬間、蝶の翅を持つ妖精が杖を振るい、無詠唱で火の玉を放ってきた。小柄な体躯からは想像もつかない威力。だが――。


「甘いわ」

 エリが結界の盾をかざす。コンッという乾いた音とともに、火の玉は魔法の壁に触れた瞬間に霧散した。


「おいおい! 会話のキャッチボールすら出来んのかよ!」

「問答無用だ! 精霊を冒涜する外道に慈悲はない!」

 重装甲の兵士たちが、槍を構えて一斉に突撃してくる。小さくとも殺意は本物だ。


「……相手が小さすぎて、指弾で手加減するのは無理だな」


 俺はライヤに視線を送った。

「ライヤ、死なない程度の電圧で頼む。気絶させてやれ」


「承知」

 ――パチッ。


 ライヤが軽く喉を鳴らした瞬間、周囲に青白い稲妻が奔った。直撃したカブトムシの兵士たちは、断末魔を上げる間もなく地面に叩きつけられ、ピクリとも動かなくなった。雷鳴が森に轟く。


 包囲していた他の妖精たちも、隙を突いて槍で突きかかってくるが、ライヤにとっては目にも止まらぬ動きだ。稲光が閃くたび、妖精たちはまるで糸の切れた人形のように空から落ちていく。


 数秒後、森にはリーダーのトンボ妖精と俺たちだけが残った。


「な、なんてことだ……! やはりお前たちが、精霊の異変を引き起こしている黒幕なんだな!」


 リーダー妖精が槍を震わせながら叫ぶ。

 俺は心底呆れ果てて、深く溜息をついた。


「いい加減にしろよ。最初から攻撃してきたのはお前たちだろ。……俺たちが黒幕かどうか、確認する前に『排除』しようとした報いだってことを、いい加減理解したらどうだ?」


 俺たちの怒りは、小さな妖精たちの想像を超えていた。だが、この誤解を解かない限り、妖精の国への道は閉ざされたままだ。さて、ここからどうやって話を聞き出すか。俺は頭を抱えた。

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