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078 モヤジーのおやじと話した。

小人国の猫の安らぐ宿に泊まった。

豪華な夕飯と温かいベッド。


次の日の朝は快適に目覚めて、食堂でバイキングの朝食を食べていると、モヤジーが訪ねてきた。


「お早う!迎えに来たぜ。」

「おはよう。朝早いな。」


「この宿の朝食を一緒に食べようと思って、早く来たぜ。

この宿の食事は、都市でも有名で美味いから食べたかったぜ。」


「確かに美味い。僕も満足の味だ。」

ハルカが満足げに食べてる。


「今日1日街中を案内するつもりだが、午後に俺の実家に来て欲しい。

俺のおやじが会いたいらしいぜ。」


「面倒な話なら遠慮したいな。

この都市の有力者なんだろう?」


「確かに都市の有力者だけど、面倒な話は無い。俺が責任を持つからお願いするぜ。

おやじは情報屋の俺の上司だ。

大陸中の情報を扱っているぜ。

ショータさん達の知りたい情報も聞けるかも知れないぜ。」


「モヤジーがそう言うなら、しょうが無い。面倒な話になったら、暴れるかもよ。」


「暴れられるのは困るが、そんな事にはならないぜ。」


「分かった。」


「もう一つ、これはシャルからのお願いだ。この都市のニャルマル商会に寄って欲しいそうだぜ。どうする?」


「シャルさんのお願いなら行こう。」

「おいおい、俺と対応が異なるぜ。」


「当然だよ。シャルさんには世話になったからね。」


俺達は食事を終えると、モヤジーに街を案内して貰った。

小人国の精巧な装飾品や魔道具を堪能し、女性達は色々買っていた。


途中でニャルマル商会にも訪れた。

新しく作った魔道具や素材の買取をしたかったらしい。


エリが作った魔道具や回復薬、素材の一部を売った。


昼食をモヤジーに御馳走して貰う。

その後、モヤジーのおやじの屋敷に向かった。


モヤジーのおやじムナジーの屋敷は、宮殿の様な豪華さ。

ムナジーはこの都市がある領地の領主だった。


ん、と言うことは貴族?

モヤジーがお坊っちゃん。

とてもそうは見えないね。

貴族は何となく嫌なんだよね。


面会は応接室。

ムナジーは普段着で気さくなおじいちゃんだった。

白髪と白髭、顎髭も長く仙人の様だ。


俺とエリがソファーに座り、ハルカとペロ、ダルアも用意されていた椅子に腰掛ける。


「ひょっほっほ。

先ずは感謝を述べたい。

都市を風の大精霊から救ってくれて有難う。そしてスタンピードから息子の命を守ってくれて感謝するのじゃ。」


そう言って布袋ぬのぶくろをテーブルに置く。

ドカッ、ジャラッと音がする。

大量の金貨が入っている様だ。

「少ないが感謝の気持ちじゃ。」


俺は布袋には手を掛けず。

「いやいや、パズズの件はこの都市を守ろうとか、そんな事全く考えて無かったし、スタンピードもニャルマル商会を守ってて、偶々そこにモヤジーが居ただけだし。受け取る理由は無い。」


「その気が無かったとしても、結果として守って貰った。

充分な理由じゃよ。」


「いやいや、受け取る気は無いよ。」


「そうか、特に他意はないのじゃがな。あまり考え過ぎなくとも良いぞ。裏は無いのじゃ。」


「呼ばれた理由はそれだけかい?」


「まあ、慌てるな。感謝もあるが、お願いもあるのじゃ。」

「お願い?」


「実は風の大精霊以外で街の者が、感電して黒焦げになる事件が相次いでいるのじゃ。此度の大精霊の事を聞いて精霊の仕業と睨んでおる。」


「俺は冒険者じゃ無い。依頼される覚えは無い。冒険者に依頼してくれ。」


「ふむ。依頼では無くて、お願いなのじゃが、冒険者と貴族を相当嫌ってる様じゃのぅ。」


「まあね。」


「しょうが無いのぅ。今回は無理は言うまい。知己(ちき)を得たいだけじゃ。最後にショータ殿が知りたい情報を教えよう。」


「知りたい情報?」


ムナジーにエリとハルカを裏切った冒険者の居場所を教えて貰った。


エリとハルカは険しい表情で黙って聞いていた。


次は冒険者と対決かな。


冒険者の情報を交換条件としなかった事に好感が持てるな。知古を得たいと言う事は本当の事だろう。


最後と言いながら、次に闇ギルドが俺を探してる事を告げてきた。

俺が農村イワンテで雑貨屋を殺した事を知っている様だ。

人間の都市に行く時は気を付ける様に言われた。


その事も脅し等で使わず、帰り際にサラッと告げたところは「貴族だけど悪くないかな。」って思った。


貴族なのに俺がわざと無礼な口調を使ったけど、気にする様子も無かったしね。

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