036 深層への蹂躙――金属の収穫と、50階層の守護者たち 50階層の激闘と戦利品
迷宮『猫の穴』の攻略は、まさに独走状態だった。
地下31階以降、俺たちはレベ上げと素材採取を繰り返しながら、迷宮の深層へと突き進んでいる。出会う魔物は全て瞬殺。素材回収の効率化も進み、アイテムバッグに放り込みながら歩みを止めることはない。最短ルートではない分、階層のクリア時間は多少かかるが、パーティの練度とレベルは順調そのものだ。
迷宮の深層は、冒険者たちが「難所」と呼ぶ階層の連続だ。しかし、俺たちにとっては、それは豊富な素材の宝庫に他ならなかった。
35階:
アンデット特有の生命力の有無が懸念されたが、ライフドレインはゲーム的なHPを吸収する仕組みのようで、問題なく機能した。遠距離から矢と風刃で削り、最後はドレインで息の根を止める。
40階:
飛行し炎を吐くガーゴイルは冒険者にとって挫折の象徴だが、俺の『魔弾』6連射の敵ではなかった。
45階:
リビングアーマーは、動きの速いペロの独壇場だった。影移動で鎧の懐に飛び込み、中の魔石を抜き取るという離れ業を披露。瞬殺のあまり、俺たちは見とれるしかなかった。
そして、この階層攻略の真の報酬は「素材」だった。
ゴーレム階層では、鉄、銀、ミスリル、そして希少なオリハルコンまで入手できた。さらに、一度だけ遭遇したゴールドゴーレムの全身が金塊となった瞬間は、パーティ全員で歓喜した。
46階から50階もリビングアーマーの金属バリエーションが豊富で、武器防具の素材はいくらあっても困らないほど溜まった。これらはすべてニャルマル商会に流せば、莫大な資金になるだろう。
そして到達した50階のボス部屋。
そこに待ち構えていたのは、巨大なオーガと、ソルジャー・アーチャー・メイジに特化したコボルト10体、ゴブリン10体という総勢21体の軍勢だった。
「随分と小細工をしてくれるね……」
オーガにはすかさず『牙弾』を叩き込み、瞬殺。残りの下級兵士たちは、俺の指弾とハルカの風刃、エリの矢で制圧していく。取りこぼした分は俺がライフドレインで吸い上げる。
瞬殺とはいかないまでも、数分で殲滅は完了。50階層の守護者たちも、俺たちの進撃を止めるには至らなかった。
◇◇
「今日はここまでだな。日が暮れる前に休憩にしよう」
51階に降りた俺たちは、早速拠点を作った。エリが作成した結界の魔道具を起動し、周囲に揺るぎない安全を確保する。
夕食の支度を始めながら、俺たちは今日一日で手に入れた大量の素材を眺めてニヤリとした。
「これだけの素材があれば、当分は金に困らないな」
「うむ。それどころか、工房を借りて武器や防具の強化すら可能なレベルじゃな」
薪の火が爆ぜる音を聞きながら、俺はふと思い出す。
「そういえば、明日こそシャワーが浴びたいんだ。エリ、携帯シャワーの魔道具、いけそうか?」
「ふふ、見張りの間に大体の設計は済ませておる。水魔法と加熱魔法を組み合わせれば、快適なシャワーになるはずじゃよ」
「それは楽しみだ!」
明日の朝には、迷宮の深層で温かいシャワーが浴びられる。
魔物の牙を弾丸にし、金属のゴーレムを狩り、快適なキャンプまで自作する。この迷宮攻略は、もはや冒険というよりは、俺たちの異世界生活を豊かにするための「開拓」と化していた。
結界の外で魔物の気配がしたが、俺たちは気にも留めず、美味しい夕食の準備に集中した。
いつも読んでいただきありがとうございます。
ブックマークをしていただいた方、
評価ポイントを登録していただいた方、
ありがとうございました!
まだ『ブックマークの登録』、
『評価の登録』をしていない方、
気が向いたら登録していただくと
励みになります。
評価の登録をしていただける方は
下段ポイント評価を選択後、
ポイントを選んで
「評価する」ボタンを
押してください。
宜しくお願い致します。




