029 『闇猫』は謀殺されていた
迷宮の中で冒険者達をやっつけたら、黒猫のケット・シーであるペロの父さん『闇猫』が『極炎の宴』の策略で殺されたと聞いた。
「『闇猫』の殺された理由を教えろ!
!」
探索者が訥々と話し始めた。
「Cランク冒険者パーティーの『極炎の宴』のメンバーから聞いた話です。
『闇猫』は国王の何か不味い事を知ったそうで、国王の命令で王国騎士隊の隊長『土猫』と冒険者ギルドのギルド長『水猫』がBランク冒険者の『炎猫』に『闇猫』の殺害を依頼したそうです。
『炎猫』は冒険者パーティー『極炎の宴』のリーダーです。
流石に直接戦闘になると損害が大きいので、『闇猫』が住む村に大きなゴブリンの群れを誘導して村毎潰したと聞きました。
村を狙えば逃げる事が出来ないし、仮に生き残っても、ゴブリン討伐に向かった王国騎士隊の隊長『土猫』が殺す手筈だったとのこと。」
「じゃあ、王様に父さんと母さんと村の皆が殺されたって事にゃ!?」
「そう聞いてます。」
「何でお前はそんな事知ってる?」
俺は威圧を込めて探索者を睨んだ。
気の力が威圧に込められた様で探索者は恐怖で脅えてガクガクし出した。
「主様、やり過ぎじゃ、それでは喋ることが出来ないのじゃ。」
「そうだね。」
俺は威圧を止める。
「げほっ、はぁ、はぁ、はぁ。」
探索者は止まった息を吐き出し呼吸が乱れている。
「ご、『極炎の宴』のし、探索者は俺の兄なんです。も、もし『極炎の宴』に復讐する場合、兄だけは見逃して貰えると・・・。」
「おい、ペロは両親を殺されてるんだぞ!」
俺は知ずに威圧をしていた様だ。
「ひぃ!」
探索者が脅える。
「約束は出来ないけど考慮はするにゃ。」
ペロは下を向いて低い声で答えた。
「ここで、考慮しないという事になれば、妾達の情報を『極炎の宴』に流すのじゃろ。そうならば、情報を流さない為、此奴らはここで殺すしか無くなるのじゃ。」
「それもそうか、ここでの事は他言無用だぞ。
誰にも言うな!例え兄弟でもな。」
冒険者達は何度も頷く。
「良し、今回の事は特別見逃してやる。迷宮から出て行け。」
冒険者達は俺の気が変わることを恐れて、慌てて迷宮の小部屋から逃げ出した。
冒険者達が出て行った後、エリに話し掛ける。
「裏を取りたいな。何か手立てはあるか?」
「情報屋じゃな。凄腕の情報屋なら金さえ出せば裏も取れるじゃろ。」
「なるほど流石『疾風』。」
「いや、その二つ名で呼ぶのは止めてくれ。エリと名前で呼んで欲しいのじゃ。」
「分かった。俺の事もショータで頼む。」
それは全力で拒否された。
なんでかな。
「ペロ、この件は裏を取ってから行動する。当然皆でペロの力になるから、ちょっと待ってくれ。」
「うん。ありがとうにゃ。」
「もし、探索者の話が事実だったとしたら、どうしたいか考えていてくれ。例え国が敵になったとしても全力で付き合うよ。」
ペロは俺に抱きついて涙を流した。
俺はそっと抱きしめた。
エリとハルカはその様子をジト目で見ていた。
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