026 迷宮に入った
俺達4人は迷宮『猫の穴』に来た。
俺を先頭にペロ、ハルカ、エリと続く。
昨日の門番がいた。
「おい、魔抜けがまた来たのか、毎日来ても迷宮には入れんぞ。」
「しっし、邪魔だあっちに行け。」
相変わらず失礼な奴等。
周りにいた冒険者達も興味深そうに見てる。
その内の数人が近付いて来た。
「お前、魔抜けだな。」
鑑定されたようだ。
ニヤニヤしながら近付き、ちょっと睨んで威圧してきた。
「そのゴーグルと鎧はお前に勿体ない。置いてけ。」
「なんだ後ろの女は連れか?こんなゴミくずと一緒に居ても良いこと無いから俺達と一緒に迷宮に潜ろうぜ。」
ペロ、ハルカ、エリは魔法のレベルがそれなりに高いので、鑑定防止の魔法も常時掛けている。
俺と一緒に居るので、ペロとハルカ、エリもそんなにレベルが高くないと思ったのだろう。
実力を知らないって怖いね。
「俺達はもう時期Cランクに昇格する『闇の調べ』だ。聞いた事あるだろう。俺達が一緒に迷宮に入ってやる。」
聞いた事ねえよ。
と言うかCランク昇格間近と言うとDランクじゃないか。
冒険者達を無視して、門番に近付こうとすると、俺の肩を掴んできた。
「おい、待てよ!魔抜けの癖に無視するなんて良い度胸だな。」
エリが前に出て来て俺の肩を掴んでた手の手首を強く握る。
冒険者は痛みに肩を掴んだ手を離す。エリは手首を捻って投げ飛ばす。
「邪魔じゃ!」
肩掴んでいた冒険者は転倒し尻を付く。
「てめえ!なめた真似してくれるじゃねえか。」
立ち上がり土をほろい、怒りの形相。
ハルカが冒険者達の前に進み睨む。
冒険者は腰の剣を抜いた。
「へえ、剣を抜いたと言うことは殺されても文句は言えないよ。」
「うるせぇ!」
剣を振りかぶる。
ハルカから強い風が吹く。
剣を持つ手首が浅く切れて剣を落とした。
「てめえ!何をした!」
「僕は知らないよ、天罰じゃない?」
ハルカが睨みながら威圧し低い声で恫喝する。
「次は首が切れるよ。」
冒険者は押し黙る。
それを無視して、エリは門番に冒険者証を見せて、俺とペロを指差す。
「迷宮に入るのじゃ。この二人はポーターじゃ。」
ハルカも冒険者証を提示する。
「僕も一緒のパーティーだよ。」
エリ、俺、ペロ、ハルカの順に迷宮に入った。
『闇の調べ』の冒険者達は無言で冒険者証を門番に提示すると、俺達の後ろから迷宮に入った。
見ていた冒険者が門番に尋ねる。
「あのエルフとハーピーの冒険者レベルは何だった?」
「エルフがB、ハーピーがCだ。」
冒険者達が騒ぎ出す。
「B!ランクBの冒険者がこの都市に居たのか?」
「Cランクのハーピーって聞いた事ねえぞ。」
「いや、あの無詠唱の風魔法!噂で聞いた事あるぞ、空から風の刃で切り刻むCランクのハーピー!」
「『風刃だ!』」
「Bランクのエルフもどこかで見たことあるぞ。」
「『のじゃ』って言う口調。」
「Bランクのエルフで『のじゃ姫』と言えば・・・。」
「『疾風』か?」
「おいおい、『闇の調べ』は『疾風』と『風刃』に喧嘩売って後を追ったのか?」
唾を飲み込み脅えた声。
「・・・死ぬぞ。」
「迷宮内は殺されても分からないからなぁ。・・・怖いな。」
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