表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐の異世界転生者 ~魔法適性ゼロの『魔抜け』、前世の知識と『気功』を極めて魔法至上主義を粉砕する~  作者: ボルトコボルト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/267

021 『迷宮への裏口』~冒険者登録という鎖を断ち切れ。奴隷を抱え、俺たちは死の深淵へと潜り込む。~

 迷宮『猫の穴』の門前で味わった屈辱と拒絶。

 俺たちは王都への帰り道を、重苦しい沈黙の中で歩いていた。


 「……ごめんにゃ。アタシが迷宮に誘ったばっかりに、ショータに嫌な思いをさせてしまったにゃ……。入場に許可が必要だなんて知らなかったにゃ」


 ペロが耳を伏せ、申し訳なさそうに謝る。その姿を見て、俺は小さく笑った。


 「気にするな。魔抜けとして生きる以上、こういう理不尽には慣れている。迷宮は知らなかっただけだし、入れる方法を探せばいい」


 「……ショータ。やっぱり、あの『鑑定防止のチョーカー』を手に入れておいて正解だったにゃ」


 「ああ。鑑定魔法で身分を暴かれる前に、何とかしてこの街で『入場の権利』を得ないとな」


 ペロは以前から言っていた。冒険者ギルドへの登録は絶対に嫌だと。村を見捨てた組織への嫌悪感は、並大抵のものではない。俺もそれを強いるつもりはない。


 俺たちは、表のギルドを通さずに迷宮へ潜る方法を模索するため、再びニャルマル商会の扉を叩いた。


 応接室でシャルは、俺たちの相談を静かに聞き入れ、猫特有の優雅な所作で紅茶を勧めた。

 「『猫の穴』に入りたい、ですか。なるほど、冒険者登録も領主の許可もなしに、ですね」


 ペロが前のめりになる。「ショータもアタシも、冒険者ギルドとは関わりたくないにゃ。何とかする方法は無いにゃ?」

 シャルは含みのある笑みを浮かべる。


「領主の許可は現実的ではありません。たとえ金貨を積んでも、実績のない貴方に許可を下す者はいないでしょう。……ですが、方法はありますよ」


 「……あるのか?」


 「はい。冒険者でも、領主の許可証持ちでもなく、迷宮に入れる存在があります」


 「そんな人間がいるのかにゃ?」

 ペロがハッとしたように目を見開く。「……ポーター、にゃ!」


 「正解です。冒険者をサポートし、荷物を運ぶ『ポーター』。迷宮の奥深くへ潜るには、彼らのような補助役が必要不可欠。だからこそ、冒険者の主人が連れて行く人間であれば、特別な許可なしに入場が認められるのです」


 「なるほど……。だが、適当な冒険者に雇われるのは、揉め事の元だろ?」

 俺が懸念を口にすると、シャルはさらに踏み込んだ提案をしてきた。


 「ショータ様が、冒険者の奴隷を買い取り、主人となってください。そして『自分の奴隷がポーターとして雇っている』という形をとれば、誰にも文句は言われません」


 奴隷――。


 前世の倫理観では到底受け入れがたい言葉だ。だが、今は異世界。生き残り、復讐を果たすためには、きれいごとだけでは済まない。


 「……都合よく、Dランク以上の冒険者資格を持つ奴隷なんて手に入るのか?」


 「我が商会は、猫の王国のみならず他国にも支店を持つ総合商会。当然、奴隷商の部門も抱えておりますわ」


 シャルが扇子を閉じ、ビジネスライクな冷徹さで俺を見据える。

 「主人である貴方が、奴隷の冒険者を『迷宮に連れて行く』。その形さえ整えば、迷宮の門は開かれます。……いかがなさいますか?」


 俺はペロと顔を見合わせた。

 復讐のために強くなる。そのために必要なのは、正義感ではなく『結果』だ。


 「……案内してくれ。その奴隷商の部門へ」

 俺は即決した。


 あの狐目の男に受けた屈辱も、必ず晴らしてやる。その第一歩として、この迷宮の深淵に潜り込んでやるのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ