↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐の異世界転生者 ~魔法適性ゼロの『魔抜け』、前世の知識と『気功』を極めて魔法至上主義を粉砕する~  作者: ボルトコボルト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/267

018 『極上の安らぎと、商会の思惑』~王都の最高級宿で知った身に余る厚遇。俺の財布は無事なのか?~

 王都の喧騒を抜けた先にあったのは、猫の王国に相応しい最高級の宿でした。しかし、それは俺たちの想像を遥かに超える「異世界」だったようです。


 ニャルマル商会に紹介された宿、『猫が安らぐ宿』。

 猫が好む場所なら居心地が良いはず――そんな楽観的な予想は、門の前に立った瞬間に吹き飛んだ。


 「……おい、ここ本当に宿か?」

 目の前には、王城かと見紛うばかりの巨大な石壁と、広大な敷地が広がっていた。


 シックな黒と白を基調とした外壁は、御影石か大理石か、鏡のように磨き上げられ、俺とペロの姿がくっきりと映り込んでいる。行き交う人々は、正装に身を包んだ貴族や富豪ばかり。俺たちの森歩き用の装備とは、あまりにも場違いだ。


 「……にゃあ。すごい……。あんな豪華なところ、入っていいのかにゃ?」

 ペロは尻尾を丸め、耳を伏せて萎縮している。俺も内心、冷や汗が止まらない。


 ――いや、落ち着け。シャルさんの紹介状さえあれば入れるはずだ。


 俺は強張る手でペロの手を握りしめ、覚悟を決めて門へと歩みを進めた。


 「身分不相応だと思われて追い返されるか……いや、そもそも宿泊費がいくらだ? 雑貨屋の金だけで足りるのか?」

 そんな不安が脳裏をよぎった時だった。


 門番が俺たちを見つけ、直立不動で深く頭を下げた。

 「ショータ様、お待ちしておりました。私は本日からショータ様を担当いたします、執事のダルクと申します。シャル様よりご紹介を承っております」


 「えっ?」

 俺は呆然とした。なぜ俺の名前を? 執事が担当?

 戸惑う俺をよそに、ダルクは迷いのない所作で、すぐ傍に待機していた豪華な馬車へ俺たちをエスコートした。


 (待て待て、話が見えないぞ!? 執事がついて、馬車まで用意されて……これ、一体いくらかかるんだ!?)


 馬車に揺られながら、俺は耐えきれずに聞いた。

「あの、ダルクさん。宿泊代は……一体いくらなんですか?」


 ダルクは涼しげな顔で答えた。

「ご安心ください。お食事から宿泊費まで、お代のすべてはニャルマル商会が全額負担いたします。この敷地内で発生する費用は一切不要ですので、何なりとご用命を」


 (はぁぁぁあ!? 全部タダ!?)

 シャルさん、一体どんな商売の算段をしてるんだ?

 いや、もしかして俺が奪ったアイテムバッグや素材が、ニャルマル商会にとってそれほどの価値があったのか?


 謎は深まるばかりだが、ともかく宿代を心配する必要はなくなったらしい。


 ――案内されたのは、最上階の7階ワンフロアを貸し切ったスイートルームだった。


 「……にゃあ……。」

 部屋に入った瞬間、ペロが言葉を失った。


 天井は高く、アンティーク調の家具が並ぶ応接室の奥には、9つもの個室が続いている。広すぎて、かえって落ち着かない。


 専属メイドの『メル』と名乗る女性までが現れ、俺たちに深々とお辞儀をした。


 テーブルの上には山盛りのウェルカムフルーツ。メルが淹れてくれたノンアルコールのフルーツカクテルは、今まで飲んだどんな飲み物よりも芳醇だった。


 「冷蔵庫の中の飲み物は全て無料。私と執事のダルクが、入口近くの部屋に常駐させていただきます」


 至れり尽くせりだ。いつまで泊まるかも告げていないのに、この徹底した待遇。

 高級すぎて、逆に何かの罠じゃないかと疑ってしまうほどだ。


 (シャルさん、本当に恐ろしい商売人だよ……)

 俺はふかふかのソファに深々と沈み込み、ペロを見た。彼女はあまりの豪勢さに言葉を失い、ただ呆然と部屋を見渡している。


 森での殺伐とした日々が嘘のようだ。


 この王都編、俺の想定よりもずっと派手なスタートになりそうだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。