016 王都キャルベルへの道中
俺とペロは猫の王国の王都キャルベルに向かった。
普通は、道を進むと徒歩3日の距離らしい。
レベ上げ重視なので、気配検知で魔物を探して狩りながら進むため、道を外れて森の中を進む事から、もう少し日数がかかるかもね。
脚に気を込めて歩いているので、普通よりかなり速いペースではある。
ジョギング程度のスピードかな。
ペロも流石村1番の速さだけあって、俺のペースに余裕で着いてくる。
狩りはレベ上げの為に強い魔物を狙うが、途中で遭遇するスライムやゴブリンも魔石を取るため根刮ぎ狩って行く。
スライムやゴブリンはドングリの指弾で一撃必殺。
ペロが影移動で魔石を瞬時に取ってくるので、立ち止まる事もなく。
歩きながらの・・・、最早流れ作業の様になって無意識のレベル。
途中指弾用のドングリや小石、薬草や食用の野草も拾いながら淡々と歩いていく。
この辺りの強い魔物も魔弾でほぼ一撃必殺だった。
解体が面倒なので死骸をそのままアイテムバッグに収納する。
食べる分だけアイテムバッグから出して解体する。
「王都キャルベルには素材や肉を売る店はあるのかな?」
「あると思うにゃ。」
「売った事無いの?」
「食べきれない程狩れるにゃんて、ショータは異常にゃ。今までは食べる分しか狩れなかったにゃ。獲物を見つけられず、食事抜きも良くあったにゃ。売る事なんて考えられなかったにゃ。」
「素材は残るでしょ。」
「一角兎の角ぐらいだにゃ。ショータのアイテムバッグに入れて貰ってる分で全てにゃ。」
「じゃあ、王都に行ったら一緒に売ろう。王都の魔道具屋に鑑定防止の魔道具もあれば良いな。」
「売るにゃー。」
「肉は兎と猪ばっかりだから、たまに鳥肉も食べたいね。出来れば卵も食べたい。」
「食べたいにゃー。」
「実は少し先の大木に鳥の巣があるんだよ。気配検知で検知した。」
「おお!鳥は御馳走にゃ。」
少し歩いて目の前の大木を指差す。
「この大木の上だな。見えるかい?」
ペロは左右に動きながら大木の上を観察する。
「どれどれ・・・。あ!見えたにゃ。待って、あれってステュムパリデスじゃにゃいか。」
「そうみたいだね。鑑定でもそう表示される。肉も美味しいけど、卵も美味しいらしいよ。」
「美味しいのは聞いたことあるけど、かなり獰猛で手強いにゃ。あの嘴と羽は凶器だにゃ。それに空から来るからこっちの攻撃も当たり難いにゃ。」
「ふ~ん。鳥は俺が撃ち落とすから、撃ち落とした鳥と卵を持って来て。」
「出来るのかにゃ?」
ステュムパリデスは、朱鷺に似ている。
朱鷺よりちょっと大きい。
体長1mぐらい。
白い体色で顔と脚が朱色。
嘴は真っ直ぐで青銅色。
翼の先も青銅色。
俺は巣に止まってるステュムパリデスの頭を指弾で撃ち抜いた。
撃たれたステュムパリデスが落下して来る。
するともう一羽、どこからかステュムパリデスが飛んできた。
凄い勢いで俺に向かってきた。
肉を傷付け無い様に倒したいよな。
左手を向けて生命力吸収しながら右手で指弾を準備。
弱めに指弾を放ち飛んできたステュムパリデスを撃ち落とした。
「信じられにゃいにゃ。こんな簡単にステュムパリデスを狩るにゃんて!」
ペロは驚いている。
「嘴と翼は高く売れるにゃ!
大儲にゃー。」
ペロは影に沈み、二羽のステュムパリデスと巣の中の卵を持って来た。
解体し嘴と翼、羽毛の素材をアイテムバッグに収納した。
ステュムパリデスは鑑定の説明通り、大変美味しかったので、王都に着くまで積極的に狩る事にした。




