3 医療倫理(デザイナーズベイビー)は「宇宙」で解決されてしまう?
筆者:
ここまで見てきた中で、「宇宙には国際法が事実上適用しない」ということが「先行者総取り」の様相があるという事をお伝えしてきました。
そのことが「医療」に関することにおいても違った形ではありますが影響することについて述べていこうと思います。
質問者:
医療と国際法っていったい何がどう関係があるのか全く想像もつかないんですけど……。
筆者:
今現在、地球上で臨床実験は人間に対しては可能ですが、人体実験に関しては禁止されています。
この両者の区別は明確では無いのですが、人間に対して行うことが無謀で全く前例がなく、何が起こるか分からない事に関しては人体実験と呼ばれています。
しかし、「技術の発展」のためにはそれらを行いたくてウズウズしている人と言うのもいるんです。
特に注目されている人体実験は「ゲノム編集」の技術です。
いわゆる「デザイナーズベイビー」と呼ばれる超人的知能や身体能力を持った赤ん坊を作りたいと思っている人と言うのが世の中にはいるんですね。
質問者:
でも、影でコソコソと実験していれば済む話のような気もするんですよ。独裁国家などはそうやりそうな気がしますが……。
筆者:
ウイグル問題などの疑惑も馬耳東風の中国なら倫理とか関係なく実験しているんじゃないか? と思うじゃないですか。
ところが実験データの参照するものに関して人体実験として倫理違反があれば世界としては認められるものでは無いんですね。
そうなると医薬品としてのシェアや治療法としてのライセンスの確立が出来ないわけです。
ところが「宇宙」という「国際法が関係ない場所での実験」となると話が変わってくるんです。
倫理が追及できない場所での実験であればもしかすると「地球では倫理違反の実験」すらも認められてしまうかもしれない――そう言うこともあり得るわけです。
もっとも宇宙での臨床データや実験結果がどう判断されるかについて前例が無いのでどう判断されるかは分からないですけどね。
質問者:
なるほど……同じことをやっていても「どこでやるか」で大きく変わってしまうという事ですか……。
筆者:
僕が「SF思考」だからかもしれませんけど、ゲノム編集ともなれば「超人類」みたいなものが、もしかしたら出来てしまうかもしれないので、
「金持ちがこぞって宇宙で子供のゲノム編集治療を受ける」
そんな世の中が訪れてしまうかもしれないわけです。
又は宇宙での実績が大々的に宣伝されブランドになってからお金を払える人が陰で行う。こういうプロセスを踏む可能性があるという事です。
質問者:
ひえー! 実はそんなSFみたいな話が将来あり得そうだなんて……。
筆者:
「宇宙」と言うだけでどこかしらか話しがぶっ飛んでしまいがちになりますからある程度はやむを得ない点はあると思います(笑)。
ただ、宇宙では設備が整っているとは思えませんし、それこそ「宇宙ゴミの衝突」みたいなアクシデントも起こりえるわけです。
そうなると高度や精微な技術が必要なものほど安定して実行できるのかな? と思いたくなりますね。
質問者:
手塚治虫さんの「ブラックジャック」みたいな技術があれば別かもしれませんけどね……。
これも「違った形の戦争」みたいな形になっているんですね……。
筆者:
もう一つ「倫理が通らない」という事で起こり得そうなことは、「殺人願望者」を叶えるための場所として宇宙が選ばれるかもしれませんね。
本来は法律があろうと無かろうと殺人が許されないわけですが、「罰せられないからOK」という事で殺人願望を満たすためのビジネスとして「宇宙で殺人斡旋」みたいなことがあり得るわけです。
質問者:
普通じゃちょっと考えられないですけど、連続殺人鬼のコメントなどを聞くとそういう歪んだ欲望を持った方と言うのがいてもおかしくは無い気がしますね……。
筆者:
殺人願望者と自殺願望者をマッチングする狂気のシステム――そんなことが起きてしまう可能性があるのです。
本来であれば殺人願望者は刑罰で抑止し、自殺願望者は生きがいを持って社会復帰できるようなシステムを作るべきです。
質問者:
筆者:
一刻も早く、「拘束力がある世界共通の宇宙ルール」を決めておかないと近い将来大変な問題が乱発することになると思いますね。
例えば、資源開発で得たもの関しては全世界に対する分配を可能にするような「共通備蓄」みたいな扱いにすることや星を破壊した後の原状回復義務、医療に関しては地球と同等の倫理観や法律措置にするなどのやり方が必要なのかなと思いますね。
ただ、資金や人材を投入して得られるものが少ないとなると誰も宇宙開発をしなくなってしまいますからね、この辺りのパラドックスを解消できるぐらいのローコストでの宇宙開発が「宇宙共通ルール」のための必須条件なのかなと思いますね。
次の項目では「宇宙人」についてはどうやって対処するのか、そもそもいるのか? について語っていこうと思います(ちなみに、この3の項目は当初想定していなかったです)。




