2.ノートの切れ端
改行を間違えてしまっているところがあります。すみません。
僕には放課後楽しみがある。
誰だって男ならクラスで美少女と二人きりになるシチュエーションを妄想したことがあるだろう。
僕はないけどね。
嘘です。普通にあります。
そりゃそうさ。だって男だもん。僕も。(倒置法)
そんなくだらないことを考えていたら放課後になっていた。
ちなみに言っておくと僕の成績は悪い方ではない。むしろ良い方だ。
放課後毎日残って勉強してるんだもん。これで悪かったら何してるんだって話だよね。
「東雲くん。そこ間違ってるわよ。」
あの日以来僕らは放課後話すようになって、勉強も教えてもらっている。
氷高さんの成績は常に学年のトップテンに入っている。僕も成績は良い方ではあるが平均して六十番代程度でしかない。
「あ、確かに。公式に当てはめた後に計算ミスったな。」
「そういえば東雲くん。体育祭何出るの?」
氷高さんが勉強以外の話をするのは少し珍しい。
てか、体育祭もうすぐだったな。完全に忘れてた。
「まだ決めてないよ。」
「まだ決めてないんじゃなくて、忘れてたの間違えじゃない?」
「え、何でわかったの?」
「顔に書いてた。」
僕って顔に出やすいのか、それとも氷高さんが鋭いのか、、まあいいや。
「ところで氷高さんは何に出るの?」
「とりあえずリレーは出ると思うわ。」
氷高さんは運動神経もいい。まさに文武両道というやつだ。
「じゃあリレーはちゃんと応援しなきゃだな。」
「リレーだけじゃなくて全部応援するのよ。でも、そうね、ありがとう。」
そう言って少しだけ彼女は笑う。
「ふぅ。ひとまずこれで中間もいけるだろう。」
「東雲くんもきりのいいところまで終わったようね。」
そういうと彼女はノートの切れ端のようなものを取り出した。
「最近、こういうノートの切れ端のようなものがよく落ちているのよ。理由が知りたいのだけど、私は勉強以外からっきしだから。」
そう言って見せてくれたノートの切れ端には文字が書かれていた。
「バイト六時半から、テスト勉強物理、買い出し牛乳、好きです付き合ってください、、、、、どれも内容がバラバラだな。」
「誰かが紙ごみを運んでいる途中に散乱しちゃったのかとも思ったのだけど、それだと学校の至る所にあることに矛盾して、わからないのよね。」
ふむ。、、、、ノートの切れ端全てに文字が書かれているのは何故だ?学校の至る所にばらまいた理由は?、、、、、、、、、、、、、これ、よく見ると筆跡が全部同じだな。、、真実かどうかは置いておいて、仮説として見るなら及第点といったところか。
「氷高さん。これはあくまで僕の仮説なんだけど。これは犯人の照れ隠しだよ。」
「照れ隠し?」
「ノートの切れ端に書くことといえば何がある?」
「う〜ん、、落書きとかメモ書き、あとは恋文とか?」
「氷高さんが集めた切れ端のうち一つを除き全てがメモとして使われているよね。でもそのうちの一つは、」
「好きです付き合ってくださいって書かれている切れ端だけメモではなく、恋文として書かれている。でもそれが何か関係があるの?」
「要するにその恋文の切れ端が本命で、ほかがカモフラージュなんだと思うよ。」
「どういうこと?」
「まず犯人はノートの切れ端に恋文を書いた。思い人に渡すためにね。でも渡せなかった。もしかしたら渡さなかったのかも。まあどちらにせよ犯人はその恋文を何らかの形で無くしてしまった。」
「何らかの形って?」
「そこは、まあ、他のゴミと一緒にしてしまったとか、風で飛んでいったとか、所詮は紙切れだから無くす方法は無数にあるよ。そして犯人はこう思ったわけだ。もし思い人がその恋文を何らかの形で見てしまったら、と。」
「確かに。たまたま拾った紙切れが自分へのラブレターだったら誰でも引くわね。」
「だからカモフラージュが必要だったんだ。学校の至る所に切れ端が落ちていたら誰かが紙ごみをぶちまけたか、ポイ捨て魔が学校にいるのかと思うだろう。」
「なるほど。カモフラージュがあることで、一通の恋文から無数の紙切れのうちの一つへと変わるのね。」
「あくまで仮説の一つに過ぎないけどね。」
「それでも、少しスッキリしたわ。ありがとう。」
「気にしなくてもいいよ。このくらい。じゃあ勉強の続きといきますか。」
「そうね。」
そう言って僕らはまたペンを走らせるのだった。




