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俺の書いたキャラが現れた。そいつを消さないと世界が終わるらしい。―グロキシニアの凱旋  作者: ひろほね
グロキシニア顕現

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第五十四話:分解開始

作戦室――改、共鳴フィールド。


床に展開された、円形の光。


幾重にも重なるラインが脈打っている。


中央にユウリが立つ。


目を閉じている。


呼吸は、ゆっくりだが深い。


周囲に、レン、ファリン、エヴァ、アルト。


そして、外側で制御するデイジー。


中心に近い位置に、カイトが座っている。


もう、立てない。だが、意識はある。


「……始めろ」


かすれた声。


だが、確かに届く。


ユウリが、小さく頷く。


「……いく」


その瞬間光が強くなる。


共鳴が始まる。


レンの感情。


ファリンの意志。


エヴァの制御。


アルトの記憶。


全部が、ユウリへ流れ込む。


「っ……!」


一気に、重くなる。


支えだが同時に、負荷になる。


エヴァが低く言う。


「崩すな」


絶対命令。


ユウリが息を整える。


「……分かってる」


そして。


自分の内側に、潜る。


深く。


深く。


あの場所。


暗闇。


だが、前とは違う。


もう、怖くない。


そこにあるものを、知っているから。


「……いる」


見つける。


自分の中にある、“もう一つ”。


グロキシニア。


完全に融合した、感情の核。


だが今は、静かに眠っている。


ユウリが、手を伸ばす。


触れるその瞬間反応する。


「……またか」


あの声。


低く、重い。


グロキシニアが、目を開ける。


完全な姿。


以前より、安定している。


そして理解している。


「分けるつもりか」


ユウリは頷く。


「少しだけ」


正直に隠さない。


グロキシニアが、わずかに笑う。


「欲張るな」


だが否定ではない。


むしろ試すような声。


「崩れるぞ」


警告。


ユウリが答える。


「支えてもらってる」


外側を示すように。


グロキシニアが、一瞬だけ黙る。


外の共鳴を感じている。


複数の意志。


繋がり。


「……愚かだな」


小さく言う。


「だが嫌いじゃない」


ユウリが言う。


「貸して」


一言。


グロキシニアが目を細める。


「命令か?」


ユウリが首を振る。


「お願い」


静かに。


だが、揺るがない。


グロキシニアが、数秒見つめる。


「……いいだろう」


あっさりと許可する。


「ただし」


ユウリが構える。


「均衡を崩したら」


低く言う。


「お前が壊れる」


当然の代償。


ユウリが頷く。


「分かってる」


もう迷いはない。


その瞬間ユウリが、“引き剥がす”。


自分の中から、一部を無理やり。


「――っ!!」


激痛。


意識が揺れる。


世界が裂ける。


外側。


ユウリの体が跳ねる。


「来た!!」


デイジーが叫ぶ。


数値が乱れる。


バランスが、一気に崩れる。


レンが歯を食いしばる。


「抑えろ……!!」


攻撃じゃない。維持。


ギリギリの制御。


ファリンが叫ぶ。


「左にズレてる!」


エヴァが即座に修正する。


「同期率、再調整」


圧が、さらに強くなる。


アルトが目を閉じる。


「……合わせろ」


感情を流す。


失った記憶。


守れなかった想い。


全部。


それが、共鳴を強化する。


ユウリの中。


分離が進む。


引き剥がされる、黒い光。


グロキシニアの一部。


「……そこまでだ」


グロキシニアが言う。


限界ライン。


それ以上は、危険。


ユウリが止まる。


荒い呼吸。だが成功。


手の中に黒い光が不安定に、揺れている。


外側。


デイジーが叫ぶ。


「保持して!!」


ユウリが、それを抱える。


壊さないように。


失わないように。


「……カイト」


名前を呼ぶ。


次の段階。


戻す。


だが。


その瞬間。


異変。


「……え」


ユウリの体が揺れる。


バランスが、崩れる。


急激に。


グロキシニアの声。


「言ったはずだ」


低く。


冷たく。


「均衡は簡単に崩れる」


ユウリの視界が、歪む。


現実と内側が、混ざる。


制御不能。


レンが叫ぶ。


「ユウリ!!」


エヴァが即座に命令する。


「全員、出力上げろ!!」


限界突破。


共鳴が、さらに強くなる。


だがそれでも足りない。


ユウリが崩れ、膝をつく。


黒い光が、暴れる。


「っ……まだ……!」


離さない。絶対に。


だが限界。


その時。カイトが、ゆっくり手を伸ばす。


「……貸せ」


弱い声だが、確かな意志。


ユウリが顔を上げる。


目が合う。一瞬で理解する。


ユウリが、その光を差し出す。


カイトの手に、触れる。


その瞬間世界が、再び揺れる。

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