第八話 道筋
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メモにはこう書かれていた、
「目を覚ましたのか、小雪。この世界で目を覚ましたことに、戸惑っているかもしれないな。
だが、今は焦る必要はない。
自分にできることを、一つずつ見つけていけばいい。
決して無理はするな。
お前が思っている以上に、この世界は残酷だ。
いつか、お前がここまで辿り着くことを願っている。
私はお前を待っている。」
私は頭を悩ませた。
「誰が書いたんだろう……。」
私には謎だった。見たことのない字で書いてあった。私はそのメモを何度も見返した。誰が書いたのか分からなかったが、このメモからはなぜか温かいものを感じた。
「マルファス、これ誰が書いたんだろうね?」
私はマルファスに問いかけてみた。
「さぁ、分からんな。けど、小雪の知り合いだったんじゃないか?少なくとも、小雪がここに来ると知っていた人物かもしれんな。」
確かにメモには、私はお前を待っていると書いてある。ということはどこにいるのだろうか。私には思いつかなかった。
「そういえばマルファス、ここはなんていう地区なの?」
思い返してみれば、私はここがなんと呼ばれているのか聞いていなかった。だから、私は興味で聞いてみた。
「ここはノクス地方だ。」
私はその名前を聞いて、ふと思い出した。
「もしかしてノクス地方ってセレニア地方の隣?」
「そうだな。ノクス地方はセレニア地方の隣だ。確かセレニアはお前が倒れていた場所だな。」
「そうだよ。セレニアは私の故郷だよ。」
私は久しぶりに自分の故郷の名前を聞いた。長い間眠っていたせいで、正直地名なんてすっかり忘れていた。けれど、今マルファスに言われてようやく思い出すことができた。
「だよね。なんで思い出せなかったんだろう。自分の故郷。………。とりあえず私はセレニアに行きたい。今はどうなってるかわからないけど、けど…行きたい。」
「いいのか?もう小雪の知っているセレニアではないぞ。」
私は怖かった。今まで普通に暮らしていた場所が、変わってしまっていることが。でも、メモをみて私は感じた。セレニアに行けば何かわかるかもしれない。そんな根拠のない自信が私には湧いてきていた。
「うん……。大丈夫…。本当は、少し怖いけど…。けど、セレニアに行けば何かわかるかもしれない。私はそう思うんだ。」
私は拙い言葉だったけど、必死にマルファスに伝えた。
「わかった。小雪の意見を尊重する。今からセレニアに向かうか。」
私たちはそうして決意を固めて、家へと帰った。
「必要な物多いね。食料とか大丈夫かな?」
「わからん。しかし、何かしらあるだろう。一応この家にある物、持っていけるだけ持っていく。」
ノクスからセレニアまでは、二日かかるらしい。食料もセレニアに着くまではなんとか足りそうだった。
「それよりも問題なのは寝床だな。このような地で安心して寝れる場所など限られているからな。」
「確かに。どこで寝るのかは結構重要だね。けど、こんな状況でそんなことは言ってられないよ。」
私は、一刻も早くセレニアに帰りたかった。私は空を見て、セレニアに行けば、お父さん、お母さん、柚。誰かに会えるかもしれない。私はそう思った。
「本当に覚悟はできているんだな。」
「うん。」
そうして時間が過ぎ、セレニアに行く準備は整った。
「じゃ、行こうかセレニアに。」
「ここから長い旅が始まりそうだな。」
私は様々な思考が、頭に浮かんでいたが、まずは、家族か、柚。誰かに会えることを願って、私は旅への一歩を踏み出した。
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