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仮面少女  作者: 星海 夜空


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第三話 仮面の代償

今回も読んでいただきありがとうございます!ぜひ楽しんでいってください!

日が変わり、朝の7時になった。夜が明けたとも言いたいところだったけど、この世界は暗いままだから時間の感覚なんてものはもうなかった。私はマルファスに案内され、昔、商店街と呼ばれた所へとやってきた。


「お前、その服装似合っているな。先ほどまでのジャージ姿からは想像できないな。」


「結構酷いこと言うんだね。さっきも言った通り外には全く出てなかったからまともに着れる服が学校のジャージくらいしかなかったから仕方ないよ。」


「そういえばお前の名前をまだ聞いていなかったな。名はなんて言うのだ?」


「私の名前は有栖川小雪。本当は今年で高校三年生だったんだけど色々あって学校には行かなくなっちゃったんだ。」


「そうなのか。それにしても小雪とは随分良い名前をもらったのだな。さぞかし素晴らしい親だったのだな。」


「小雪っていい名前だよね。私が生まれた時に母親が小さな雪みたいにかわいいねって意味でつけてくれたんだ。」


「そうか。それはよかったな。」


こんなに誰かと話したのは久しぶりだった。マルファスは私に気を遣ってくれているおかげで、会話は弾んですごく楽しい。こんな気持ちになったのはいつぶりだろうか。そんなことを思ってると、マルファスは私に向かって呼びかけた。


「小雪どうやらここには怪物がたくさんいるようだな。お前は体を動かすのは得意な方か?」


「どうだろう体育の成績は高1の時、4だったけどそれで戦えるのかな…」


「そうか。体育というのはわからないが、それなりに戦えると思っておこう。」


遠くからデカい足音が聞こえた。前に襲われたことを思い出し、体は強張っている。しかし私は決めたのだ。お父さんたちを助けてみんなを取り戻すのだと。


「こんなところまで怪物が現れるようになったのか。相手は理性が効かない怪物だ。仮面をつけて心して戦え。」


「え?もしかしてマルファスは戦ってくれないの?」


「残念ながら私の力では怪物に傷一つつけることができない。だがその仮面があれば奴らにダメージを与えることができるだろう。」


「ぐわぁぁぁー」


私が仮面をつけて、戦う心構えをしていると突然、頭の中に声が聞こえてきた。


「私は妻に裏切られた。私はあんなに妻のことを愛していたのに。あの男は絶対に許さない!ぐわぁぁ!」


聞こえてきたのは怪物の心の悲鳴だった。


「何か頭の中に流れてきたよ。怪物の声?何か悲しいことを言ってる。」


「怪物の心の声が聞こえるのか。仮面にそんな力があったとはな。俺も知らなかった。」


「マルファスも知らなかったんだ。だとしたらまだまだ知らない仮面の力があるのかも。」


そんなことを話していると怪物は私たちを容赦なく殴りかかり、空に向かって力強く叫んだ。


「ぐわぁぁぁ。この世界に存在する人間全て滅ぼしてやる!」


私は恐怖のあまり体が動かなかった。頭では攻撃が来るとわかっているのに避けることすらできなかった。


「痛い!」


私は攻撃を食らってしまい、その場に倒れ込んだ。


「私の怒りはこんなものでは収まらないぞ!あの男を殺すまでは絶対に死ねないぞ!!!」


怪物は私を何回も殴り、私は痛さのあまり抵抗することができなかった。これが怪物の怒りなのか。


「くっ……なんで……こんな……あっ…血が、血が流れてるよ!マルファス助けてよ!私このままだと死んじゃうよ!」


私は動揺が止まらなかった。私の体は血だらけになっており、意識が朦朧としていて、すぐにでも死んでしまうんじゃないかと思った。


「小雪。やつの今まで感じてきた気持ちに比べれば、そんな攻撃は痛くも痒くもない。むしろあいつが感じてきた苦しみは、人が一人死にたくなるレベルだ。」


「そっか。私も感じてきたよ。いっぱい。痛い気持ち。それに比べたらこの痛み全然痛くない!」

 

私はマルファスの言葉でなんとか立ち上がることができた。それと同時に今までの苦しみを思い出し、力が湧いてきた。


「私は今まで感じた、苦しみ、痛み、全てを受け止めてこれから先も生きていく。あなたには絶対に負けない!この一撃に全てを込める。くらえ!!!!」


「ぐわぁーーーーー!」


初勝利。けれども私はこの人の苦しみを受け止め、これから先も戦っていかなければいけないそう感じた。


「マルファス、なんとか勝ったよ!もうボロボロだけど笑」


「初めての戦いにしてはよくやったな。流石、小雪だな。」


「えへへ。ありがとう!」


そう思ったのも束の間。黒い邪気が仮面の中へと吸い込まれていった。


「ぐわぁぁぁ!なにこれ、体が…!負の感情に押しつぶされていく…」


私の体から力がどんどん抜けていき、私はなにも抵抗することができずに怒り、悲しみ、憎悪、苦しみ、さまざまな負の感情が私の心を染めていった。


「ちっ。仮面の代償が来てしまったか。」


「うわぁぁぁあ!」


そして私の意識は負の感情に支配された。



ありがとうございました!コメントをいただけると励みになるのでいただけると嬉しいです!

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