第二話 悪魔との出会い
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私は怪物と目があった瞬間、その場から逃げるように全力で走った。
「何あれ……」
私は、叫びたい気持ちを抑えながらも、とにかく走ることしかできなかった。
何とか怪物から逃れることができ、ようやく落ち着いたため、ほっと息を吐こうとした瞬間、そこには別の怪物がいた。
「はぁー、あっ……」
私は息を呑むことしか出来ず、死を覚悟した。
「私はここで死んじゃうのかなぁ…いやだ、死にたくないよぉ…。」
膝から崩れ落ち、怪物が近付いてくるのを、じっと見つめることしか出来なかった。
怪物が私の首を噛み、何かを吸い取られ身体の力が抜けていった。
「あっ…意識が…」
そして私は意識が朦朧としてその場に倒れ込んだ。
目を開けるとそこには、見知らぬ景色が広がっていた。
「ここはどこ?私は怪物に殺されたはずじゃ…。」
私は戸惑い、辺りを見渡していると遠くから声が聞こえた。
「お前が死にそうだったところを俺が助けてやったのだ。」
体が黒く、翼が生えており、姿は人間とはあまり変わらない、まるで悪魔みたいな生き物がこちらに近づきながら言った。
「あなたは誰?」
私が恐る恐る聞いてみると、彼は言った。
「俺の名前は、マルファス。他のやつからは悪魔と呼ばれている。」
私は状況が掴めなかったが、ひとつだけ質問をした。
「なんで私を助けたの?」
マルファスは、私の目を見て答えた。
「それはあの怪物どもを元の人間に戻してもらうためだ。」
私は戸惑いながら言った。
「怪物って人間だったの?」
マルファスは少し驚いた様子で言った。
「まさかお前何も知らないのか?」
「私は家に引きこもっていたから外のことはあまり知らなくて、突然こんなことになってて…何が何だかわからないよ…。」
「なら、教えてやる。この世界は突然、負の感情に襲われた。人間はその負の感情が増幅し、耐えられなくなり、怪物となった。あいつらは負の感情を餌とし、この世界を彷徨っている。」
私がきょとんとした目でマルファスを見ているとマルファスは言った。
「まぁいい、先ほども言ったように、お前にはあいつらを元に戻してもらいたい。そのためには俺と契約してもらう。」
私は驚き、
「ちょっと何を言っているのかわからないよ… 契約って… そんな突然、私そんなことやったことないよ。」
私が言うと、マルファスは
「契約するためには、この仮面をかぶるだけでいい。そうすれば契約はされる。」
私は尋ねた。
「この仮面をかぶると何があるの?」
マルファスは言った、
「この仮面をつけて奴らを倒せば、この仮面に奴らが蓄えている負の感情を吸収することができる。しかし、溜め込みすぎるとつけている本人が負の感情に飲み込まれて暴走してしまうがな。」
私は恐る恐る答えた。
「嫌だよ…!そんな怖いものつけられないよ…第一悪魔のようなものにこんな話を急にされて信じられると思う?」
マルファスは私の顔を睨みつけて、
「お前だって目の前で見たのではないのか?怪物を。なのになぜ、そんな呑気なことを言っていられる。お前がこの世界から怪物を全て消さなければ、この世界は負の感情に押し潰されて消滅してしまうんだからな。」
私はマルファスを問い詰めるように強い口調で言った。
「世界が消滅?なんでそんな大切なこと言わないの?」
マルファスは淡々と答えた。
「この世界が消滅しようが、しなかろうがお前が戦うことには変わりないがな。なぜなら、この世界の人間はほぼ怪物になっており、この世界に戦える人間はお前しかいないのだからな。」
私は体の震えが止まらなかった。
「私しかいない……?意味がわからないよ。じゃ私のお父さん、お母さんは?柚は生きているの?」
マルファスは言った。
「今頃怪物になって、この世界で暴れているだろう。」
私は体から出てくる怒りや憎しみを抑えながらも、マルファスに真剣な目で見て言った。
「お父さん、お母さん、柚は助かることができるの?」
マルファスは答えた。
「噂に聞いたことがあるが、この世界に再び光を戻すことができれば怪物から人間に戻れると聞いたことがある。」
(本当にお父さんたちを助けられるのかな…正直戦うのが怖い。でもそれ以上にお父さんたちを失う方がもっと怖い。私にはみんなを助けられるかもしれない!私がみんなを救ってみせる!)
私はここでマルファスを信じることしかできなかった。私は覚悟を決めてマルファスに言った。
「わかった。私はマルファスのことを信じる。怪物たちを全て倒して、この世界に光を戻して私の大好きな人たちを助けるんだ!マルファス。私と契約をして。」
マルファスがニヤリと笑い
「覚悟が決まったようだな。ならばその仮面をかぶればいい。そうすれば契約は完了する。」
不思議な力が湧いてきた。これが仮面の力なのだろうか。
「これが仮面の力。力がみなぎってくる。」
マルファスは私の手を握り言った。
「お前のその力は大切なものを守るための力だ。怒りや憎しみなどに体を奪われて自分の目的を見失うなよ。」
私は真剣な眼差しで答えた。
「わかった。私は大切な人を守るためにこの力使う。」
マルファスは言った。
「わかれば良いのだ。覚悟が決まったなら外の世界に行くぞ。」
こうして私は悪魔と契約することになった。
そして私の第二の人生がここから始まったのだ。
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