第一話 有栖川小雪
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私の名前は、有栖川小雪。
今年から高校三年生になるはずだった。
けれど、高校一年のあの日から、私は学校には行っていない。
あそこにはもう私の居場所なんてないんだから。
私は昔、いじめを受けていた。
最初は仲のいい友達だった。遊びにも行ったし、たわいもない話なんかもしていた。
毎日がうまくいっていると思っていた。けれどそんなことを思っていたのは私だけだった。
ある日、その友達のひとりが好きな男の子が、私を好きになったみたいで、昨日まで友達だった子が、次の日には私の敵になっていた。
朝も一緒に登校しなくなり、私から話しかけても一言も返事すらしてもらえなかった。
最初はそれだけだったが、いじめはエスカレートしていき、罵詈雑言を言われ、私がトイレに行く時も上から水をかけられた。
制服はびしょびしょに濡れ、身体は重くなり、ドアの向こうからは笑い声が聞こえた。
私の心の中は憎しみでいっぱいだった。
私が何度も「やめて!」と言っても
「あんたにはこれくらいがちょうどいいんだから。なんならこれじゃ足りないくらいよ笑」
とも言われた。
なんで私ばっかりこんな目にあわなきゃいけないんだと思った。
別の日に私は
「私なんで悪いことしてないのにこんな目にあわなきゃいけないの?」
と聞いたが、
「私の好きな人を奪っておいて、悪いことしてないなんて言わせない」
と言われ、頬を叩かれた。
私がなにも言えずにうずくまっていると、彼女たちは去っていった。
その後、私の唯一の友人である柚が、近くに歩いてきて、
「小雪はなにも悪くないんだよ!だからもっと胸を張って生きてればいいんだよ!!」
そして、
「私はあなたの味方だから、絶対にあなたを裏切らないよ。」
と耳元で囁いた。
柚のおかげで、私はなんとかこの心を平穏に保てている。
そしてその日もいつも通り学校に登校するとそこには目を疑うほどの光景が広がっていた。
なんと私をいじめていた元友人が、私の昔の黒歴史を公開し、全校生徒に広まっていたのだ。
私は前にその友人なら大丈夫だろうと信頼して話したことなのだが、まさかのこんな形で裏切られてしまうとは。
私は涙を流しながら、彼女に向かって言った。
「なんで私ばっかりこんな目に遭わなくちゃいけないのおかしいでしょ。」
怒り、悲しみ、憎悪。あらゆる負の感情が押し寄せてきた。
私はこのままだと彼女を殺してしまう。
そんな思いから、教室を出てすぐに家に帰った。
その日から二度と私は学校には行かなくなった。
柚は優しいから毎日電話してくれる。学校ではこんなことがあったとかこの授業が面白かったとか。私は柚が話してくれるのは嬉しかったが、学校のことを思い出したくないがために、次第に電話することもなくなってしまった。
ある日、目が覚めてスマホの時間を見ると朝の七時を指していた。
外を見るとまだ暗い。
「どうして?」
様子がおかしいと思い、カーテンを開けると、外は真っ暗だった。
私が慌ててリビングに行くと、いつもいるはずのお父さんとお母さんの姿がなかった。
「お父さん? お母さん?」
そしておかしいと思い、外に出ることにした。
外に出たが、空の方には煙のようなものがかかっていて、あまり見えず、誰かが歩いている音もしなかった。
異変に気づき外を歩いていると、遠くから
「スダッ… ズタッ…」
と何かを引きずる音がした。
私が恐る恐る近づくと、そこには大きい身体をした黒い怪物がいた。不気味に光る赤い目でじっとこちらを見つめていた…。
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