第十四話 悪魔の告白
今回も読んでくださってありがとうございます!ぜひ楽しんでいってください!
私たちはノクスの街を歩いていた。
炎の怪物との戦いを終えてから、私は怪物に対する意識がまた変わってきたと思う。
以前は、ただ襲ってくる存在だとしか考えていなかった。けれど今は、怪物たちにも人間だった頃の人生があり、それぞれの想いを抱えていたことを知った。
だからこそ、彼らのことを他人事だとは思えなくなっていた。
一刻も早く、この世界を元に戻さなければならない。
私は、そう強く感じていた。
私は今、今回の件で少し頭を悩ませていた。
「マルファス、正直、本当にこれでよかったのかなって思う…。だって、これで優太さんは本当に幸せになれたのかな?私は不安だよ…。」
マルファスは空を見上げながら、歩いていた。
「あぁ、これでよかった。きっと今、天国で奥さんと幸せに暮らしてるんじゃないか。正直、それは彼らしか知り得ない。だから、小雪は今、胸を張って生きてればいい。自分の選択は間違っていなかった。そう思って生きてればいいんだ。」
私はマルファスに勇気づけられていた。そうだ。本人が幸せかどうかなんて、それは本人にしかわからない。だから、私がいくら悩んだところで、何も変わらない。だから私ができることは、優太さんが幸せになってることを願うことだけだった。
「そうだね。私がいくら悩んでも、本人が幸せならそれでいいよね。うん。私の選択は間違ってないよね。だから私は、優太さんの幸せを願ってる。」
「それでいい。小雪が自分を責める必要はないんだ。だから、これからたくさんこういうことがあるかもしれない。けど、そんな時は自分を信じてればいい。」
私は、マルファスの言葉で、さっきまで心の中にあった不安が、空のように晴れて消えていった。これから自分の選択に後悔することが増えていくと思う。でも、後悔し続ける方が優太さんに申し訳ないよね。だから私は後悔しないように生きていく、そう心の中で思った。
「マルファスなんかお腹空いてきたかも…。あっ、あそこにちょうど食堂あるね。あそこでお昼にしない?」
「確かに。朝から何も食べてないな。ちょうどいい時間だし、お昼にするか。」
私たちはその食堂に入った。しかし、その食堂の建物はほとんど壊れていた。ここは長い間、親しまれていたのだろう。使い古された厨房だ。電気はつかなかったが、ガスが残っていたので、まだ火はつけることができた。よかった。これであったかいものはまた食べられる。この世界になってからはあったかい食べ物を食べられる機会は少ない。だから私は心が躍っていた。
「マルファス、結構ここ古そうなところだね。きっと、たくさんの人がここの食堂に来てたんだろうね。」
「そうだな。このフライパンを見るとかなり使われている。人気でみんなに愛されていたお店だったんだろうな。」
そんな話をしながら、食事の用意をしていた。すっかり料理担当はマルファスになっていた。
「なんか俺ばっかり、料理作ってる気がするな。まぁ、そんなことはどうでもいいが、何を食べる?」
私は、食材が入っているバッグを覗いた。そこにはお米、野菜、肉など大体のものは入っていた。
「仕方ないよ。私料理できないもん。マルファスが料理できて本当に良かったよ。じゃなかったら、私、目が覚めても餓死してたよ。今日はお米と野菜と肉の炒め物丼がいいなー。」
こうしてマルファスは火をつけ、フライパンの中に油を引き、フライパンに野菜と、肉を入れ炒めていた。
「やっぱりマルファスはすごいよね。こんな料理作れるなんて。相当練習したんじゃないの?」
「練習したというか、やっていたら自然とできるようになった感じだな。特に普通にやってる感じだ。」
マルファスはかなり器用な方だと思う。それか本当はかなりやっているのか。その判断は私にはできなかった。それよりも私はマルファスの料理を楽しみにしていた。
そうして、10分ほどが経ち、食堂のテーブルには、私が希望した野菜炒め丼と箸が置かれていた。そうしてマルファスもイスに座り、二人で、
「いただきます。」
丼の中にはキャベツ、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもと豚肉が入っていた。もうこの世界では、二度と野菜なんか作れるわけがない。だから、数少ない野菜を私は噛み締めて食べていた。
「やっぱり美味しいね。野菜ってあとどれくらいあるの?」
「もう残りはそんなに多くないな。あと1週間くらいってところだろうな。」
やっぱり野菜は貴重だ。この世界にはもう太陽がないんだから。私は、マルファスとこれからについて話していた。
「あとセレニアにはどれくらいで着きそうなの?」
「あと5時間くらいだな。」
「あと5時間かぁ。私はもう着いてもいい頃だと思ったんだけどね。けど5時間ならあっという間かもね。マルファスと話していれば。」
私は食べ物を口に含んだまま、にこりと笑った。しかし、あと5時間で私の故郷に着く、どんな風に変わってしまったのだろうか。もしも、お父さん、お母さん、柚が見つからなかったらどうしよう、そんな不安がまた押し寄せてきた。
「小雪、また不安な顔しているぞ。小雪は本当にわかりやすいな。」
「ほんと!?ごめん、セレニアに着いて、もしもみんないなくなっていたらどうしようって不安になっちゃって。」
「それは仕方ないな。けど、今、小雪にできるのは生きていることを願うことだけだな。」
「うん、そうだね。早くセレニアに行って、みんなに会いたい。」
こうして私たちは丼を食べ終わり、片付けをしてから食堂を出た。
こうして、私たちはセレニアに向かって再度、歩き出していた。長い長い道、そこには田んぼだった道が続いていた。そんな道を私たちは歩いていると、人影のようなものがたくさん寝転がっていた。
「マルファス見て…。たくさん人がいるよ。何かある。」
私は、そこへ走って向かっていた。しかし、マルファスの足は何かの重りがついているみたいにゆっくりとした足取りで歩いていた。
小雪がそこへ着くと、そこに寝転がっていた。人間は全員死んでいた。体から血が出ていて、首がない人もおり、何かに殴られていた痕があった。
「何これ、みんな死んでる…。ここで一体何があったの…。」
そうしてマルファスの一言でこの場は凍りついた。
「全員、俺が殺した。」
私は、驚きで言葉が出なかった。
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