↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮面少女  作者: 星海 夜空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/16

第十三話 すれ違い

今回も読んでくださってありがとうございます!ぜひ楽しんでいってください!


「そんな悲しい過去があったんだね。」


私は彼の話を聞いてから、なぜか心が落ち着かなかった。胸の奥に、言葉にできない何かが残っていた。


「俺はただ妻と茉莉と3人で幸せになりたかっただけなんだよ。そんなことを願う俺は無謀なのだろうか。なんであいつは家を放火したんだよ。なぁ教えてくれよ…。俺の未来に幸せはなかったのか。」


私は言葉に詰まった。幸せだった日常が放火一つで大切な家族ごと失ってしまう。だから私には、仕方なかった。なんていうことは言えなかった。そうして私は言葉を振り絞り、


「相手の方は、本当は優太さんの彼女さんと結婚するって言っていましたよね?だから、それは優太さんの奥さんにまず問題があったんじゃないですか?」


「なんだと?」


「だって、少なくとも優太さんと付き合っていたから、奥さんはもう一人の人とも付き合っていたということですよね?」


私は事実を言うしかなかった。表面上では、幸せな構図に見えるかもしれない。けど、隠し事をすることによって、裏では、不幸せになっていることに本人は気づくことができない。


「なんだよそれ、俺の妻が浮気していたって言いたいのか?」


「はい。結婚する手前まで行ったから、相手の方も怒って優太さんの家を放火したということですよね。ということは優太さんの奥さんと男の人も優太さんと同じように親密な関係だってことですよね。」


優太は反発した。


「そんなことあるわけないだろ!だって、俺の妻はずっと一緒にいたんだぞ!確かに仕事の時は家を留守にしていたかもしれない。けど、妻は俺にずっと寄り添ってくれていた。だからそんなことをするわけがないんだ!」


私も疑問だった。彼の話を聞いていると、奥さんは浮気をするような人じゃない。だからきっとそこの裏に何かあるんだろう。そう思った。


「もしかしたら奥さんに似ている人がいたとかありませんか?」


「え?」


「そうしたら説明がつきます。きっとその男の人は誰かと見間違えたんじゃないですか?」


「お前は何を言っているんだ。そんなわけないだろ。そんな理由で俺の家族は失われたのか!?それが本当だったら俺は許せない。」


優太は妻を信じていた。それでも、自分の知らないところで何が起きていたのか、確かめようのないもどかしさがあった。


「マルファスはどう思う?」


ここで私はマルファスに投げた。


「俺が思うのは、小雪の意見に賛成だな。誰かときっと間違えたんだろう。先ほどの話を聞いて、なぜお前が家にいなかった時に家を燃やしたんだ?きっとその前に何か奥さんと似てるやつに何か言われたんだろう。それで男は我慢ができず、家を燃やした。俺はそう考える。」


「やっぱりマルファスもそう思うんだ。」


私は安堵した。こんなことを言って間違っていたら、面目ないから。


「あいつは俺の妻と誰かを間違えていたんだろ?だったらそいつは一体誰なんだよ?」


「きっと奥さんの親戚じゃないかな。だったら似てて

、間違えるには納得いくし。奥さんに妹さんとかいなかったんですか?」


「確かに俺の妻には双子の妹がいる。」


私は、マルファスと目を合わせて


「絶対それだ!きっとその男の人は妹さんと付き合っていたんですよ!だから双子で似ているから男の人は二人を見分けられなかったんですよ。きっとその妹さんと男の人はうまくいかなくなってそんな時に優太さんと出会って優太さんのことが気になってしまった。だから、男の人はそれが許せなかった。」


「なんだと!?俺が会ったときは特に何もなかったぞ。何も好きになるようなことはしていない。」


優太には、思いつくことがなかった。優太は今までの記憶を色々と思い出している。


「些細なことでもきっと、その時彼女が気になるには十分だったんですよ。だから優太さんだけ不幸だと思っているかもしれませんが、男の人も不幸だったんですよ。好きだった女の人を取られて。逆の立場になって考えてみてください。でも放火するのはやりすぎだと思いますけど。」


「そうか。俺も好きな人を奪われたら許せない。あの男も同じ気持ちだったのか。自分だけが不幸だと思っていた。それは間違いだったのか。なら教えてくれ俺はあの時、どうすればよかった?」


私は悩んだ。そうして一つの答えを自分の中で出した。


「私は、その時、優太さんの立場なら同じことをしていたと思います。大切な家族を奪われて、その奪った相手を許せるわけがない。でも相手にも相手の状況、立場があります。意味は違えど、優太さんも男の人からしたら好きな人を奪った。全てすれ違いが起こしたことなんです。


正直これ以上、優太さんが怒りに囚われ続ける必要はないと思います。今、優太さんにできることは奥さんと茉莉ちゃんの分まで生きることですよ。」


「そうか…。俺が間違っていたのか…。俺も無意識に最低なことをしていたんだな。決して俺は放火したことは許さない。けど、あいつにもあいつの事情ってものがあったんだな。それを知ってからはもうあいつを責めることはできないな。あと、今の俺の姿をみて、妻もなんていうんだろうな笑


きっと私たちに縛られないで、もっと自由に生きてっていうんだろうな。」


優太の体から徐々に火が消えていった。もう男への怒りが消えていったからだろう。そうして、優太の体の炎に合わせて、森の火も消えていった。


「森の火が消えてきてる…。もしかして優太さんここからいなくなっちゃうんですか?」


「あぁ、もう俺がここにいる理由も無くなったからな。ありがとう。迷惑かけたな。これから天国で妻たちと幸せに生きるとするよ。妻たちのいない世界に未練なんてないからな。だから、俺を殺してくれ。」


私は断ることができなかった。できることならこのまま殺さずに幸せに生きてもらいたい。しかし、今の優太さんからの状況から考えると、生きている方が辛いだろう。だから、私は正義の拳を纏った。


「優太さんはきっと、生まれ変わったらまた奥さんと幸せに暮らして欲しいですね。」


「うん。ありがとう。お前に会えてよかったよ。お前と出会わなければ、このままこの街を彷徨っていただろうな。じゃあお前も元気でな。」


私は優太さんの最後の気遣いに胸が熱くなった。私は迷った。このまま優太さんが死んでしまってもいいのか。しかし、私が逆の立場なら同じく殺して欲しいと望んでいるかもしれない。そうして、私は正義の拳で優太の胸を貫いた。


こうして私と炎の怪物との戦いは終了した。


私はマルファスに確認をした。


「マルファス本当に、これでよかったんだよね。優太さん、死ぬ時もにっこりしてたね。」


「そうだな。彼にとっては妻がいないこの世界にいる意味はないからな。だからこれでよかった。」


私はなぜか、心に重りが乗っかった気がする。どちらも自分が正しいと思って行動したんだろう。だから、私にはどちらが正解とは言えなかった。だから、私はその後、何も言えなかった。


こうして私たちは民宿に戻って、倒れるように眠った。そうして半日が経ち、私たちは再度準備をして、民宿を出てセレニアへと向かった。
















最後まで読んでくださり、ありがとうございました!感想をいただけるとすごく励みなりますので、ぜひお願いします!また次回も仮面少女お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。