第十一話 正義と炎
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怪物のゆっくりだった足が、怒りによって速くなり、怪物はこちらに向かって走ってきて、私の頬を力強く殴った。
「はぁぁぁぁ!!!」
私はあまりにも一瞬だったため、避けることができずにその攻撃で吹っ飛んでしまった。
「きゃあ!…痛い…。なんて…速いの。」
私は立ち上がろうとした。しかし、怪物はその隙を見逃さず、蹴りを入れた。
「くらえ!!!ぐわぁぁぁ!!!!」
私は避けるのが間に合わず、もろにくらってしまった。息をするのも辛くなってきていた。
「ぐはぁ!ハァ、ハァ…。この怪物今までよりもずっと強い…。」
怪物は仁王立ちで言った。
「さっきの威勢はどうした。こんなものか?」
私は立ち上がり、怪物に立ち向かった。
「やぁぁぁぁあ!!!」
私は怪物の胸を思いっきり殴った。やっぱり効果はなかった。
「どうして…。」
私は絶望した。攻撃で勝てないなら勝ち目がない。しかし、そこから何度も攻撃を続けてみた。結局私の攻撃は怪物には全く効かなかった。そして怪物は、
「はぁぁぁ!!!やぁーーー!」
「なんだ、その生ぬるい攻撃は、ではこちらから行くぞ!はぁぁぁ!」
怪物は再度、私の体を思いっきり、殴った。
私は吹き飛ばされた。
「痛い…。どうしよう…。私の攻撃全然効いていない。」
私は怪物に勝てる方法を一生懸命模索した。しかし、攻撃が効かない以上私が勝てる方法は思いつかなかった。そんなことを思っていると、
「これでも…くらえ!!」
怪物は炎の塊のボールみたいなものを作り、私たちに向けて打ってきた。私は避けることができず、くらってしまった。
私の周りには、どんどん火が広がっていった。そのせいもあり、呼吸はどんどんできなくなっている。私はどれだけ煙を吸い込んでしまったのか。
「ぐはぁぁあ!熱い、どうしたらいいの…。」
戦いは絶望的だった。私が怪物に攻撃してもダメージが与えられず、敵の火力は増す一方だった。
「マルファスこれどう対抗したらいいの?」
私はマルファスに助けを求めた。
「こうなったら正義の感情を拳に込めて相手にぶつけるしかないな。」
「正義の感情?」
「そうだ。相手は負の感情に支配されている。なら正義の拳が怪物にとって一番効くと言うことだ。」
「そうかも。やるしかない。」
私はこの世界に光をもたらす。その熱い思いが私の拳に宿った。白くて、綺麗なオーラだった。
「これが私の力…。すごいあったかい…。やってやる!」
怪物は私が勝ち目がないと油断していた、その隙を狙い、私は再度、怪物の体を思いっきり殴り、吹き飛ばした。
「やぁぁぁぁあ!!」
「ぐわぁぁぁぁ!!!」
今まで通じなかった攻撃が初めて怪物に直撃した。そうして、吹き飛ばされた怪物はダメージを負っていた。
「お前に何が起こったのだ。」
「わからないけど、これはあなたと戦う力!」
私にとっては、やっと怪物とまともに戦えるようになった。それだけだった。けど、私には自信が満ち溢れてきていた。
「これが正義の感情…。」
「やっとまともに戦えるようになったのか。さぁ本番はこれからだ。」
怪物は戦いの構えを取り、こちらへと向かってきた。
「ぐわぁぁぁ!!」
私は反撃するように怪物と拳をぶつけ合った。
「やぁぁぁぁ!!」
私と怪物は体勢を立て直した。
私は火を避けながら、怪物へと接近し、背中に思いっきり、蹴りを入れた。
「ぐはぁぁぁ!!」
「よし!」
私の攻撃は確実に怪物に効いている。さっきとは形勢が逆転してるようにも思えた。しかし、怪物は立ち上がる。
「ここからは俺も本気で行かせてもらう。うぉぉぉぉぉお!!!」
怪物の力はどんどん上がっていき、周りの火はその怪物の動きに呼応するように燃え上がっていた。
「では、行くぞ。」
怪物の動きはさらに上がっていた。私は速さについていけず、見失ってしまった。
「どこに行った?」
そして怪物は後ろから、
「こっちだよ!!」
怪物は私の背後に回り、私の背中を力強く蹴った。
「お返しだよ。」
「うわぁ!!!」
私は遠くに吹き飛ばされた。立ち上がろうとしたが、怪物はすでに私の前に来て、私の顔を思いっきり殴った。そうして私の胸ぐらを掴み、
「力は強くなっても、スピードは変わらないんだな。だったら俺の方が上だ!」
確か力は強くなっても、スピードは変わらなかった。しかし、私にとっては力が強くなるだけでも、十分な成長だ。
「確かに私は力が強くなっただけかもしれない、でも、今の私にはそれだけで十分!」
私は最後の力を込めて、怪物の顔を思いっきり殴った。
「やぁぁぁぁあ!!!」
その攻撃は怪物に命中した。怪物はよろけながら、その場に倒れた。そうして、怪物は静かに口を開いた。
「なんかお前、昔の俺にそっくりだな。なんの根拠もない自信が自分を奮い立たせる。まぁ、俺は何もできず、全てを失ったんだけどな。」
「何があったの?」
こうして怪物は自分の過去を話すと同時に、仮面を通してその記憶が流れてきた。
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