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大倉 亘  4

 暗くなった空の下、2人から20メートル程距離を保ち、忍び歩いていく。


 ……実に怪しい。人より体が大きいから余計に怪しい。だが周りからどう見られようが先ずはあの親父の行動を確かめるのが優先だ。



 成真の家には一度だけ行った事がある。

 俺の実家とアパートからもそう遠くはない場所にあり“ギリ地元”といったとこだろうか。


 人なんて尾行した事がない俺は昼ドラにでも出てくる刑事のように電信柱に身を隠し、塀と一体化し、なんとか距離を離さず進んでいった。






「君、何してるの?」





「…え」




 横を見ると警官が立っていた。



「あ、いや、えーと…」


「この近辺の方?」


「…そうです」


「身分証明書持ってるかな?」



 ……面倒くせぇ事になった。なんで選りに選って今職質してくんだよ!


 免許証なんてもんは持っていない。バリバリっと開いた財布からゲーム屋の登録カードを取り出し警官に差し渡す。運良くこのカードには顔写真も住所も記載されている。警官が物珍し気に見ながら喋り出す。


「誰かつけてるの?」


「え!?いや、つけてないです。えっとあの、その、一人遊びです。一人刑事ごっこ‥‥です」


「つけてるじゃん」


「あいや、そういう事じゃなくて、えーとですね……あ、」



 俺はその後、自作のカードゲームを作る為の大事な工程作業なんだと得意分野で警官を捲し立て、なんとかその場を乗り切った。



「くそ、どっちだっけ」



 完全に2人を見失った俺はいつか通った道の記憶をなんとか掘り起こし、往来しながら歩いていく。


 それから10分くらいしてとある道に差し掛かった。


「そうだこの道…」

 気に掛けないと通り過ぎてしまいそうな変哲もない道を思い出した。それが逆に記憶に残っていた。


「ここを真っすぐ行って……確か30メートル程行くとー。……あった」


 外見は古いが2階建てで庭もありそれなりにちゃんとした一軒家だ。


 恐る恐るブロック塀の穴から庭を覗く。内側にある植木で更に視界は狭まっているが人影があるのは分かった。



「居た……」

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