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第7話  クリスマス ジャッジメント

さてもまた冬が来た。アルトは桜の木から世界樹、エルフの森に至るまで、全てを結界で包んでいた。アルトは過保護なのだ。


外敵から守られ、世界樹の管理も楽で、さらに温泉も入り放題とあって、エルフたちからは絶えず感謝された。この地で初めて冬を越すエルフたちにとって、それは異次元の恩恵であった。


フェンリルのハクも成犬ほどに大きくなり、アルトもフェンリルの姿を真似て、サーシャ、サクラと共に雪原を駆け回った。寂しかった去年の冬とは打って変わって、賑やかな冬を迎えた。


エルフたちが用意していた冬越し用の薪が、ほとんど消費されなくなったため、アルトは余った薪でキャンプファイヤーを焚くことにした。場所はあえて雪に覆われた草原。森から一本モミの木を引き抜いてきて、アルトがLEDをクリエイトし、それを豪華なクリスマスツリーへと変貌させた。もちろん、魔力でピカピカ光らせるだけでなく、後で植え戻すというフォローも万全だ。


メインイベントはバーベキュー。秋に収穫した森の果実や、せがまれてクリエイトしたジャンクフードの数々、そして様々な飲み物を用意した。あちこちに雪だるまやカマクラを作り、その中で食べる砂糖醤油の焼き餅が、エルフたちに大好評だった。


エルフたちが歌と踊りを披露してくれ、サーシャもその輪に釣られて参加した。カイザーが龍酒を携えてやってきて、各自が好き好きに露天風呂で雪見酒を堪能する。そこは紛れもなく最高の夜となった。


ただ、未だにフェンリルの親の居場所はサーチにかからない。どうしたものか。


次の夜は、いよいよサンタの出番だ。今年は呪いの出所を特定しようと、いくつかの孤児院には騎士たちが待ち構えていた。アルトは彼らにストップをかけ、問題なく魔石、毛皮、肉を配布することができた。「これを着服するなら、真っ赤になるから気をつけてね」と心の中で唱えながら。


今年のジャッジメントでは、去年ほどではないが、まだまだ多くの人間が赤く発光するとアルトは予想していた。去年光らなかったからと楽観視している連中や、今年は呪いなんて無いだろうと余裕をかましている連中が一定数いるからだ。


数日経ち、ジャッジメントの発動タイミングを計っていると、とあるオークション会場でフェンリルの毛皮が出品されているのを遠見魔法で発見した。狩った犯人とみられる冒険者たち、オークションの主催者、そして購入者らしき貴族が周囲に集まっている。誰も赤く光ってはいないが、たまらずアルトはジャッジメントを発動した。


すると、これらの者は突如として真っ赤に光り、フラフラと倒れ込んだ。さもありなん。神獣を殺して金銭取引をするなど、許されるはずもない。すかさずアルトは隠密をかけて会場へ転移し、毛皮を確保した。ハクにすぐに見せるべきか迷ったが、もう少しハクの心が成長するのを待つことに決めた。


ジャッジメントの結果では、やはり15%ほどの発光者が出ていた。人間社会において0%は現実的ではないが、自然な自浄作用が働いていると見られる5%以下になるまで、あと数年はジャッジメントを継続する必要があるだろう。まだ人間任せにできる状況ではない。真実を可視化するという手助けを、アルトは続けていかなければならない。


とはいえ、去年の結果より減っているという事実こそ、今は重要と考えるべきだろう。「やってよかった」と心から思える日が、近いうちに来るだろうという予感はある。


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