第39話 パラレルワールド
【AI利用について】補佐として、文章の精度を高めるための「校正(誤字脱字のチェック等)」にローカルLLMを利用しています。しかしながら、根幹となる思想、オリジナルな魔法や世界観、プロット、感情表現など、「物語の核」は完全に私の創作であり、一文一文に想いを込めています。
(前話からの続き)
「じゃあ、細胞分裂みたいに姉妹宇宙を増やすため、
同じように宇宙を持ってる創世神がいるかも知れないわけだ」
「今なら、そう確信できるわ」
「創世神によっては、面白半分で、ポコポコ産みまくってたり」
「さらにそれが、でんぐり返しでループしてるのよ。きっと」
「でんぐり返しのループ?
どんどん次元が上がっていくとかじゃないの?」
「そんなに何段も次元が変わる階層構造じゃ無理があるから、
2回目でこの次元に戻ってくる可能性が大きいと思うの」
「1階から2階に上がって、さらに3階に行こうとしたら1階に戻ってる感じ?」
「うまいこと言ったわね、まさにそんな感じ。
上下は違うから、左右の方がしっくりくるかな。
同じ次元の二つを行ったり来たり、ただ『位相』が変わるだけ。
だからでんぐり返し」
「平行なんだ」
「そう。でんぐり、つまり宇宙を超えても次元は変わらないとするなら、平行と考えるしかないわ」
「右手からでんぐりして左手に、またでんぐりすると右手に戻る循環ループ? メビウス?
そうなると、ハンバーガーおじさんは僕と同じ右手の世界の地球人?」
「泣けてくるわね。
同じ右手上のパラレルワールドの人であってほしいわ」
「ああ、でんぐりしたら自分の宇宙だったとか、気持ち悪いもんな」
「ホントそうね。
でんぐりしたなら、他人の宇宙に出くわしてくれないと」
「あと、平行とするなら、他人の左手とか右手でもよくない?」
「そうよ! よく気づいたわね。
そうだわ! 横に広がる平行な宇宙なのよ」
「そう考えた方が、細胞分裂っぽいよね」
「でも、横に広がるだけなら生命体としてどうかしら」
「平面を立体にするなら、球の表面とかがあるよ」
「そうよ、その手があったわ。真球だったらきれいね。
アメーバの表面みたいにグネグネしてたりは、ちょっとイヤね」
「本当のミトコンドリアだったり?」
「もう、宇宙はでんぐりしまくりね!」
ソフィは「あらまあ」と、空になったお茶を継ぎ足した。
遠くで小鳥がさえずり、せせらぎが心地よく響いていた。
「そもそも、自分の宇宙になら、普通に転移すれば行けるわよ」
「そらそうか、そうやってエデンに行ってるんだもんね」
「可能性として、でんぐり二回で同じ『位相』のパラレルワールドに行けるわね。
どんなとこかは未知だけど」
「右手から隣の人の右手なら、もう『位相』は関係なくない?」
「あら、ほんとそうだわ!」
「創世神が寄り添えば、転移だけで互いのパラレルワールドに行けるよね」
「そういう創世神のコミュニティが既にあったり?」
「とすると、どこかの地球上にハブなりターミナルを主導する創世神がいることになるな」
「駅は一つじゃ足りないわ」
「中央駅とか、田舎の駅とか。網の目みたいに広がってそうだ」
「まるでメロンの表面みたいね」
「美味しそうなネットワークだよね」
「そこは、美しいと言ってあげてよ」
「実際には、遠方の駅同士がつながる、ワープルートもありそう」
「もう、表面だけじゃなくて、格子になってるのかも知れないわ」
「化学の分子モデルを思い出した。原子が棒でつながってるヤツ。
それだと、原子が駅に相当することになるな」
「それが立体配置でも、各原子は皆同じ次元にいると説明できるわね」
「それが生命体の血脈だったりして。創世神は電子なのかな?」
「もう、それじゃ生命体というより、ただの分子。単なる物質じゃない」
「あはは、ロマンが無いとは、けしからんよね」
「いったい、どれだけでんぐりすれば、真実にたどり着けるのかしら」
「とりあえず、適当にでんぐりしていれば、近場の原子(駅)に当たりそうなんだけど。
いっぱいあるはずだから」
「フフフ、きっとその原子(駅)である地球は、創世神だらけなんだわ。
なりは普通の人間で」
「それって、ハンバーガーおじさんのとこかも。
ハンバーガーが主食とか」
「ないわー」
「でんぐり続けてキャンペーン中の原子(駅)に当たると、
クラッカー鳴って、パンパカパーンってクス玉割れて歓待されるとか」
「そうそう、それでプロデューサーっていう人が名刺持って挨拶に来るのよ」
風がそよぎ、初夏の光が降りそそぐ。
ソフィとアルトの宇宙談義は留まることを忘れたかのようだった。
「創世神を捕まえる、次元パトロールとかあったりして」
「ふふ、エアバイクに乗ったカッコいいお兄さん、プリーズ」
「ギクッ」
「今、何か聞こえた?」
「なんだか、カエルが踏まれたような音だったわね」
「カエルかあ。田舎だもんね、ココ。
……金ダライを飛ばしたのも、そのカエルだったりして」
「なるほど……それは有り得るかも。
でもアルトが来てくれる切っ掛けになったし……、許すわ」




