第38話 宇宙創世
【AI利用について】補佐として、文章の精度を高めるための「校正(誤字脱字のチェック等)」にローカルLLMを利用しています。しかしながら、根幹となる思想、オリジナルな魔法や世界観、プロット、感情表現など、「物語の核」は完全に私の創作であり、一文一文に想いを込めています。
山奥の深い緑に包まれた一軒家と、ひっそりとした小さな畑に優しく風がそよぐ。
遠くで小鳥のさえずりが聞こえ、小川のせせらぎが初夏の光にきらめいていた。
「ねえ、アルト。あなたも宇宙を創ってみない?」
「えー?」
「まだここに来てすぐだから気づいてないと思うけど、
宇宙を超えてきた時、あなたは鍵を手に入れたはずよ。宇宙創世の鍵をね」
「えっ、そうなの?」
「落ち着いて、自分に何か変化がないか、探ってごらんなさい」
「そういえば、なんだか新しい魔法が思いつくような、最初から備わっていたような?」
「そう、きっとそれよ」
「これかな。『オムニ・ノヴァ』、『クロノス・サージ』、『イーサ・セレス』。三つあるね」
「やはり芽生えていたのね、私と一緒よ」
「それでどうするの、これ?」
「まずアルト、いつもと違うアナザーワールドを造るのよ、新しくね」
「では、ホイッと」
「それから、ぐりぐるとかき混ぜるの。そうね、世界樹の枝なんかがちょうどいいわね」
「これは、何をしてるの?」
「精神集中よ。『マインド』全開で雑念を排し、心を研ぎ澄ませなさい」
「……おっし、準備完了!」
「オーケー。それでは、その中で宇宙を創るって念じてみて」
アルトが手をかざすと、淡い光が細い糸のように伸び始めた。
「こうだな……『オムニ・ノヴァ』!」
その途端、爆発が起きた。
壮大に広がる宇宙が瞬時に誕生し、広大な星雲が生まれる。
「そこから『138億年経過』って念じてごらんなさい」
「138億年経過……『クロノス・サージ』!」
「上手よ、ほら、色んな銀河が誕生してるでしょ?
これが『時間のスキップ』なの。細かい微調整は後で出来るわよ」
「うっそ、みたい……」
「最後は、命を育む慈愛の魔法ね」
「それから、みんなに魂を!……『イーサ・セレス』!」
慈愛の光が満ち、モノクロだった世界に、彩度が加わった。
「うん、ちゃんと仕上がったみたいね」
ソフィはその光景に満足げな笑みを浮かべた。
「ウフフ、私の宇宙と姉妹宇宙の出来上がりね。
やっぱり、これは宇宙キットよ。同じ配置だもの」
アルトの視線が、広がる宇宙の向こう側を見つめる。
「地球もあるのかな?」
「あるわよ、きっと。
細かく時間を合わせれば、パラレルワールドってことになるのかしら」
ソフィは一瞬の間を置いて、どこか柔らかく語りかけた。
「さあ、アルト。この野菜を食べなさい。
これがルルの素になるわ。莫大な量のね」
「うん、新鮮でおいしい。
僕の場合はララの素になってね、野菜たち」
「そうだったわね。
あとは……『エンティティ』をアルトの宇宙の神界に設定しなさいな」
「神族も新しく造るとか?」
「オーディンを情報と知恵の最高神として、
ガイアノイドたちを神族とすればいいわ。
アダムは、さしずめゼウスのポジションね」
「苦労人ポジションかあ。それで、人族はどうするの?」
「人族なら、もうすでにそこら中の惑星に湧いているわ。
そういうキットなのよ、この宇宙は。
アルトみたいな地球人がそのうち出てくるかもね」
「じゃあ、箱庭を造らないといけないな」
「フフッ。そう、急がなくていいわよ」
庭先の小川のせせらぎは、今はどこまでも平和に聞こえる。
「イニスやジランも、こうしてやってくるの?」
「あの子たちには無理ね。
彼らは神界からの昇格組なのよ、あれがあの子たちの限界」
「そうなんだ」
「きっと、アルトのように『地球生まれ』であること。
とか条件があるのよ」
「う~ん、ソフィが造った神族ではダメってこと?」
「どうかしら。でも、こうして宇宙は増えていってるんだわ」
「宇宙を超えたものにキットを与えて、同じ宇宙を量産させると」
「そうよ、今まで半信半疑だったけど。アルトの創世で確定したわ」
アルトは周囲を見渡し、その広がりを噛みしめる。
「まるで細胞分裂みたいだね」
「このまま姉妹宇宙が増え続ければ、そういうことになるわね」
(続く)




