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ユリア王女と村巡り(前編)

今回はかなり短めです。

「わー! すっごくにぎやかだー!」


「ここは村にしては賑やかだからね。 はぐれないように手を繋ごうね」


「うん♪」


 お昼頃。

 カトルとメルル、そしてノエルはユリア王女を連れて村の中を案内してあげる事にした。

 発案者はメルル。

 暫くユリア王女をこの村に預ける形になったので、彼女には村の雰囲気や施設を見るなどで、体感してもらった方がいいとの事。

 カトルとノエルも賛成だし、ユリア王女もホーエル村に興味があるため、楽しみにしていたようだ。

 なお、村を巡るにあたり、賑やかになる時間帯になるため、カトルはユリア王女の手を繋いだ。

 はぐれないようにするためだ。


「おにいちゃんのおてて、あたたかいの♪」


「そ、そうかな?」


「うんっ。 やさしさがつたわってくるの」


 カトルに手を繋がれているユリア王女は、突如カトルの手が温かいと言ってくる。

 彼の手から優しさが伝わってくるとも言っている。


「多分、ノクターンの王族は相手がどんな人物なのかは潜在魔力で分かるみたいだね」


「そうなのかい?」


「お父さんから聞いた話だけど、ノクターンの王族は基本的に潜在魔力で本来の性格を見抜けるって話。 大人になったら感覚で分かるけど幼い子は触れたり言葉を聞いたり、仕草を見る事でようやくわかるみたい」


「だから、あの時ユリアちゃんは……」


「そうなるね。 あの時にも言ってたけど王族は見下ろされる時が多いからね」


 メルルはそこまで言って、この先の話を触れるのを辞めた。

 ユリア王女のトラウマを刺激しかねない内容だからだ。

 ノクターン魔法国の王族が、相手に対して潜在魔力でどんな本性なのかを見抜けるのだが、アリストクラットの残党はそれをされる前にクーデターを仕掛けたのだからだ。

 これによって、ユリア王女の心の傷がかなり抉られたものとみている。


「お、中央公園。 ようやく出来たみたいだね」


「色々あってか時間が掛かったものな。 いくら建築魔法が使えるものがいるとしても、資材がなければどうにもならないし」


「時にベルセリア石が足りなかったのが致命的だったよね」


 しばらく村を見て回ると、中央のエリアにようやく公園が出来上がったという看板があった。

 資材あっての建築魔法である故に、ベルセリア石という魔導コンクリートの原料ともなる資材が足りなかったのが遅延の原因だったようだ。


「折角だし、公園に入るか?」


「そうだね。 ノエルちゃんもユリアちゃんもいいかな?」


「うん」


「わたしもノエルおねえちゃんやおにいちゃんたちとあそびたい!」


 折角完成したので、公園の中に入ろうと提案する。

 メルルも賛成し、ノエルとユリア王女にも聞いてみると、二人とも公園で遊びたいようだ。

 子供はやはり遊び盛りなのだろうか?


「よし、じゃあ公園で遊ぼうか」


「「わーい♪」」


 ノエルとユリア王女が嬉しそうにはしゃぐ。

 二人は4つも歳が違うが、根っこはまだ子供のようだ。

 そんな二人を微笑ましく見ながら、カトルとメルルは公園に入っていった。



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