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ノクターン王族の保護

 東の湖に通じる入り口でエクレアの部下と合流し、そこでノクターン魔法国の王族一家を保護した。

 発見時は衰弱していたようだが、食料を与えたことで持ち直す。

 しかし、切り傷や服の破れがあり、幼い王女も心の傷を抱えている。


 まずはホーエルのギルドの広い一室で過ごしてもらう事になる。


「部屋は狭いので、少し居心地は悪いと思いますが……」


「いえ、こうして助けて貰った身なので……」


 ギルドの受付嬢がノクターン魔法国の王族を空き部屋に案内し、少し居心地は悪くなることを先に告げる。

 しかし、ノクターン国王は助けてもらった身なのでそうも言ってられないという事で理解を示した形だ。

 その一方で……。


「ユリア王女様……」


「みゅー!」


「おかあさんとおとうさん、困ってるよ」


「やぁっ!」


 幼い王女……、ユリア・ノクターン王女はカトルの足にしがみついたまま離れない。

 メルルも困った様子を見せ、ノエルは優しく説得するも、ユリア王女は離れたがらない。


「何でこうなったんだ……?」


「カトル君の隠れた力なんじゃないかな? お兄ちゃんオーラの」


「意味が分からないよ!?」


「わたしもなっとくできる。 おにーちゃん、やさしいから」


「ノエルちゃんまで!?」


 色んな話が飛び交っているが、ご覧の通りにユリア王女は、何故かカトルに懐いており、カトルの傍に居たいと言う意思表示が強い。

 そのため、どうしようか皆困っていた。


「そもそも、何でこの子が僕に懐いたのかな?」


「東の入り口で対面した時に、ユリア王女の目線に合わせるように座ったでしょ?」


「確かに……。 怖がらせたくないと思って」


「それが、ユリア王女にとって優しいお兄ちゃんって感じたんじゃないかな? 王族だから、上から見下ろされる場合が多いらしいし」


「うーむ……」


 確かに東の入り口で、対面した時にカトルはユリア王女を見かけたので、目線に合わせるようにカトルが座り込んだ記憶はある。

 それが、ユリア王女にとって優しいお兄ちゃんだと感じてカトルに抱き着いてきたようだ。

 そんな中で、ノクターン国王は意を決して、カトルにこう頼んだ。


「すみませんが、カトルさん。 暫くの間、ユリアの事を頼めないでしょうか」


「え!?」


「いいんですか?」


 国王の頼みにカトルは驚き、メルルは再度ノクターン国王に確認する。


「落ち着いたら、我々はジェフ国王殿に経緯についての話をしたり、奪還に向けた対策を講じないといけないので、娘に構える時間が減りそうです」


「なので、娘が懐いているカトルさん達ならお願いできると思い、決断しました」


 そう。

 状態が落ち着き次第、ジェフ国王との会談を行い、奪還に向けた対策も講じないといけない。

 そのため、ユリア王女との触れ合いが出来なくなるようだ。

 なので、カトルに託したいのだろう。

 

「メルル、どうする?」


「受け入れてあげよう。 ユリア王女も安心するだろうし」


「うん、それがいいかも」


 ノエルとメルルに確認を取り、了承を得たところで、再度ノクターン国王に向き直す。


「分かりました。 ユリア王女をこちらで保護します」


「本当にすみません。 娘の事、よろしくお願いします」


「はい」


 こうして、カトル達はノクターン魔法国が奪還できるまで、ユリア王女を預ける事になったのだ。

 


次回は10月15日(土)の更新予定でしたが、すみません。

更新は未定となります。


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