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エルフィア家との決別

「カトル君、メルル、ノエルちゃん」


「お母さん、そっちも終わったんだね?」


「ええ、殆どお父さんが終わらせたんだけど……。 マッスルダンスで味方もろとも」


「何やってんのさお父さん……」


 殿部隊を率いていたカトレアとメルル達が合流し、メルルがカトレアと話をしている。

 どうも、大半がカルロスのマッスルダンスで味方を巻き込んで再起不能に追い込んでいたようで、呆れるメルル。


「今だ!!」


「しぃぃねよやあぁぁぁ!!」


「お前らがな」


 それを好機とみなしたユエルとガイが武器を持って襲い掛かろうとしたが、警戒していたため既に予測していたカトルに再び回し蹴りを食らったようだ。


「「げびゃあぁぁぁぁッ!!?」」


 カトルの回し蹴りを回避できずに直撃したため、吹き飛ばされ壁に激突する。

 そこにすかさずノエルがある魔法を使った。


「【フラッシュ】」


「があぁぁぁぁぁっ!?」


「め、目があぁぁぁぁぁ!!」


 ノエルが使った魔法は一瞬の光によって相手の目を見えなくさせる魔法である。

 彼女の手から放った光がガイ達の目に浴びたらしく、両目を押さえながら激しくのた打ち回る。


「そ、その声は……何故お前が生きて……」


「わたしが生きてちゃ悪い?」


「お、お前は戦士じゃない! エルフィア家の恥だ!!」


「わたしはもうエルフィアの人間じゃないから。 ラクレインの娘だから」


「な……!?」


 声だけでノエルと分かったガイが、何故生きているのかと不快感交じりに聞く。

 だが、ノエルはエルフィアの恥と罵るガイを見下ろし、自分はラクレインの娘だと宣言する。


(ノエルちゃん……)


 10歳とは思えない佇まいにメルルとカトルは驚きを隠せないが、彼女の為にも二人はノエルの傍につく。

 そして、二人はガイとユエルを見下ろしながらカトル、メルルの順にこう言った。


「お前らエルフィアと違って、僕達ラクレイン家は職業を差別しない。 ましてや貴族主義は論外さ」


「あんた達によって私達が住んでいる村の近辺に捨てたんでしょうけど、ノエルちゃんは私達が保護してそのまま家族に迎えたんだよ。 私達の妹としてね」


「ば、馬鹿な……! あの場所に村があるはずがない……!」


「私のプロジェクトで開拓した新しい村なのだよ。 貴様たちのような都合の悪い物は耳にしない性質を持ったエルフィア家なら知らぬのも同然だ」


 二人の言い分に村などないはずと否定するガイに現実を突きつけようとカルロスが来た。

 開拓をして作った新しい村だと。

 それを聞いたガイは表情を歪め、歯ぎしりしている。

 貴族主義にとって、戦士至上主義を掲げるエルフィア家にとって、それはあまりにも不都合な情報だったからだ。


「さて、そろそろ逮捕に踏み切りますよー」


「あ、シオン王妃様」


「カルロスさんもガイ・エルフィア達の逮捕の手伝いを」


「了解しました」


 そこにシオン王妃が魔法の縄を持って現れ、カルロスを始めとした冒険者達と逮捕の手伝いをする。

 魔法の縄で拘束されたガイ達に向けて、ノエルは最期を締めくくる発言をしたようだ。


「わたしを捨ててくれてありがとう、()()()()()。 おかげでわたしは()()()()()に出会えたから」


「う、ぐぅ」


 ここでノエルが言った『本当の家族』というのは、メルル達ラクレイン家の事だろう。

 この発言によって、ノエルはようやくエルフィア家と決別をすることが出来た。

 本当の意味で、ノエルはラクレイン家の家族になったのだ。

 

 メルルは連行されていくガイやユエルを見届け、カトルはノエルを抱きしめた。


「よく言ったよ、ノエルちゃん。 お疲れ様」


「うん、うん……!」


 カトルの優しい声掛けに感極まったノエルは、彼に抱き着き、胸を借りて泣きじゃくった。

 彼もそんなノエルを優しく抱きしめ、気の済むまで泣かせてあげた。


 こうして、『アリストクラット』壊滅依頼は無事完了したのであった。



次は諸事情により4月8日(金)更新予定です。


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