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対峙、そして……

「何だと!? 奴らがすぐそこに!?」


「はいっ! 奴らの勢いがものすごく、我々だけでは対処できません!!」


「我ら戦士の力をもって対処すればいいはずだ!」


「それが……、向こうは魔法使いと戦士を同時に差し向けて、我らの主義を真っ向否定しつつこっちに向かってきます」


「お、おのれ……!!」


 一方で、アリストクラットの拠点の奥に構える男が、別の男からの報告に歯ぎしりをしていた。

 戦士至上主義をも否定しつつ、こっちに向かって攻めてくることにイライラが募っているのだろう。

 その男の名はガイ・エルフィア。

 戦士至上主義を掲げるエルフィア家の当主で、貴族主義の思想をも持つ家系でもある。

 エルフィア家は、戦士の素質を持つ者以外は無能と断じて追放することで、戦士だけの家系を維持してきた。

 つまりは『腕力こそ正義』を地で行く思想である。

 その筆頭であるガイ・エルフィアに報告してきた男の名はユエル・ルルイエ。

 エルフィア家の戦士至上主義に賛同する貴族の家系の当主であり、同じく戦士以外の素質を持つ者を追放することで保ってきた家系でもある。


「我らの家系は『腕力こそ正義』であり、至高にして究極なのだ! その崇高な考えを否定する奴らに負けるわけにはいかんのだ!」


「おっしゃる通りです。 ですが、今の我々の戦力は……」


「ともかく今ある戦力で、奴らを押さえつけろ! 特に魔法使いは無能の証! 真っ先に殺害せよ!!」


「は、はいっ!!」


「誰が無能だって?」


「「何ッ!?」」


 ガイがユエルに今ある戦力で彼らにとって無能の証である魔法使いたちを先に抹殺しろと指示を出した直後、少女の声が響いた。


「ぎゃああぁぁあぁぁっ!!」


「な……、お前ら!?」


「こ、これは……!!」


 少女の声に戸惑う二人。

 その瞬間に爆発音と共に、悲鳴を上げながら吹き飛ばされてきた戦士たちがガイたちの目の前に飛び込んできた。

 吹き飛ばされた戦士たちは、爆発をモロに受けているようでそのまま事切れたようだ。


「き、貴様らは……!?」


「私達はあんた達『アリストクラット』を壊滅させるために参上した冒険者だよ!」


「あと、魔法使いは無能って言ったな? 今の有様を見てもそう言えるのか?」


「ぬ、ぬぐぐ……!!」


 意気揚々と現れたカトルとメルルに言われて歯ぎしりするガイとユエル。

 だが、彼らは意地でも戦士以外は無能であると言いたい模様。


「反貴族主義国家は、職業差別も禁じているのですよ。 それが分からないので?」


「お、お前は……!!」


「平民のくせに前国王と結婚したという女か!」


「やれやれ、相変わらずか。 貴族主義思想ってみんなそうなのだろうな」


「うん。 でなければこんな組織を作らないよ。 貴族主義者の目的は平民は奴隷と言う考え方を刻ませる事だから。 ヒルダ先代王妃に対してもそう言えるのがその証だね」


 元平民だからという事で、ヒルダ先代王妃に対しても暴言を吐くガイたちにカトルとメルルは呆れかえった。

 ベルセリアに巣くう貴族主義思想者の目的が、平民を奴隷化させ貴族のみが優雅に暮らすという歪んだ差別思想を浸透させるのが狙いだからだ。

 

「ユエル! こいつらを仕留めるぞ! 我ら戦士至上主義に掛けて!!」


「そして、我らが望む貴族主義の為に! ヒルダとその仲間を倒す!!」


「まぁ、こうくるよね。 でも、そうはさせないよ! 【ロックスコール】!」


「な、何……!?」


「ぐわぁぁぁぁっ!!」


 ユエルとガイは、貴族主義の浸透と戦士至上主義の確立の為に剣を向けるが、先にメルルが上から大量の岩を降り注がせる魔法でガイたちを押しつぶした。


「メルル、その魔法は?」


「私が独自に編み出した魔法。 まだコスト調整には難があるけどね」


(メルルが天才たる所以だな。 流石と言うべきか)


 見たことのない魔法だったので、カトルがメルルに聞いた所、彼女の独自の魔法だったようだ。

 コストに難があるようだが、これがメルルが天才たる所以なのだろうとカトルは思った。


「お、おのれ……! 無能の魔法使い風情が……」


「そぉい!」


「「ぐはあぁぁぁっ!!」」


「二人まとめて蹴りで吹き飛ばすカトル君も大概だけどね」


「わたしからしたらおにーちゃんもおねーちゃんもすごいと思う」


 メルルの独自魔法を受けても立ち上がろうとした二人をカトルがまとめて蹴り飛ばす。

 彼女に向けて無能と言った事が許せないそうだ。

 吹き飛ばされる様子を見たメルルが苦笑するが、ノエルにとっては二人はすごいと感心している。


「さて、殿部隊もこっちに来たし、逮捕の準備をしましょうか。 カトル君達はまだ警戒を解かないようにね」


「もちろんです。 まだ仕掛けてくる可能性もありますし」


 カトレアたち殿部隊も任務が終わり、こっちに来たようでヒルダ先代王妃が逮捕の準備をし始める。

 カトルとメルルは非常時に備えてそのままガイとユエルの動向を警戒する。



次は諸事情により3月31日(木)更新予定です。


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