拠点、突入!
「さて、準備はできましたね?」
「はい、私達はいつでも行けます」
「ノエルちゃんも大丈夫だな?」
「うん」
「では、私達突入部隊も出発しましょう。 既に殿部隊が霧の森にて、覆っていた霧を払う事に成功したようですから」
突入部隊の集合場所であるヒルダ先代王妃の部屋の前に集まったカトル達。
準備が終わったのを確認してから、ヒルダ先代王妃を先導に『アリストクラット』の拠点がある霧の森に向かうのだ。
「城の地下に転移魔法陣を用意しています。 それを使って霧の森の前に転移しましょう」
そう言いながら、魔法陣のある地下に案内するヒルダ先代王妃。
その後をついてくるカトル達と冒険者達。
「そういやメルル、霧の森は王都からだと転移無しでどれくらいかかる?」
「そこまで遠くはないかな? それでも徒歩だと3時間は掛かるけどね。 馬車が使えれば1時間で済むけど」
「遠近の感覚が狂ってるな……」
転移先である霧の森を転移無しで行く場合はどれだけ掛かるのか気になったカトルは、メルルに聞いてみた。
彼女曰く、王都からなら徒歩で3時間かつ馬車なら1時間らしい。
辺境に住んでいる事が影響してるのか、遠近感覚が狂ってきてるんじゃとカトルは思うようになったのだが……。
「さて、着きました。 皆さん、魔法陣の上に乗りましょう」
地下にある大きい魔法陣がある部屋に着いたと同時に、ヒルダ先代王妃の掛け声で全員魔法陣の上に乗る。
カトルとメルルはノエルの手を繋いで離れないようにした。
「では、魔法陣を起動させて下さい」
「ははっ!」
(いよいよか……)
(お母さんたちは上手く霧を払ってくれてるかな?)
号令と同時に魔法陣が青く光る。
カトルとメルルが、いよいよ『アリストクラット』との決戦に向けて思いを馳せて、霧の森に転移すべく青い光に包まれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここが『霧の森』か?」
「うん、そうだよ。 どうやらお母さんが上手く霧を払ってくれてたみたいだけどね」
「ええ、見たところ殿部隊は上手くおびき寄せていますね」
「だけど、エルフィア家や同じ思想を持つ貴族が出てきてなさそうだけど?」
「確かに……。 シオンに聞いてみましょうか」
無事、目的地の『霧の森』の付近に転移できたカトル達を組み込んだ突入部隊。
どうやらカトレアによって濃い霧を払った後らしく、殿部隊もうまい具合に敵をおびき寄せているようだった。
だが、カトルの目で見たところ、戦士至上主義のエルフィア家、ならびに同じ思想を持つ貴族の家系の者が出てきていないらしく、ヒルダ先代王妃も同じ感想を抱いていたので、転移した場所から近い殿部隊のキャンプで指揮しているシオン王妃に聞く事にした。
「あ、お義母様にカトル君達」
「シオン、向こうの様子はどうですか?」
「殿部隊のおかげで敵は混乱していますけど、エルフィア家の者は出てきていないですね」
「なら、私達が拠点に突入して仕留めるしかありませんね」
殿部隊を指揮していたシオン王妃から、状況を聞くと敵の混乱は想定通りだが、まだ拠点からはエルフィア家が出てきていないらしい。
そのため、突入部隊が拠点に殴り込みをかけて、直接エルフィア家を仕留める事になりそうだ。
「ええ、お願いします。 カトル君とメルルちゃん、ノエルちゃんも気を付けてね」
「もちろんです」
シオン王妃からも頼まれたカトル達。
カトルはもちろんと力強く宣言し、メルルとノエルも無言ながら頷いた。
「では、突入部隊の皆さん。 私と共に『アリストクラット』の拠点に突入し、中で籠城しているであろうエルフィア家ならびに同じ思想を持つ者達を駆逐します!」
ヒルダ先代王妃の号令に、冒険者達は士気を上げる。
同時に気合の雄たけびがあがる。
「我に続け!!」
「「「うおおおおっ!!」」」
先導するヒルダ先代王妃についていく形で、カトル達突入部隊は『アリストクラット』の拠点の入り口に突入した。
次は諸事情により3月23日(水)更新予定です。
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