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王妃の要望は諜報部隊の強化

「やはり諜報部隊関連か。 増員や武器調達なんかは対応できるが、訓練か……」


 シオン王妃の頼みを聞いたジェフ国王は、増員と武器の件は何とかなると言ったが、目下の悩みは増員した隊員の訓練に関する事だ。


「カリキュラムは大丈夫なんだけど、場所がね…。 地下の訓練所とかだと他の騎士団の人とかの邪魔になりかねないんだよ」


「いわゆる諜報部隊用の訓練施設とかの建設のためにですか?」


「うん、メルルちゃんのいうようにボクが率いる諜報部隊は情報収集が主で戦闘はついでなんだよ。 そして、そのスタイルも不意打ち的なスタイルだしね」


「今までの部隊人数じゃ、貴族主義の組織に太刀打ちできなくなるわけか……。 情報面においても」


「うん、組織ぐるみでさらに上手く隠蔽してくるから」


 カトルの懸念通りに、今のままの諜報部隊では貴族主義の組織『アリストクラット』に対処できないというらしい。

 数にものを言わせて徹底した隠蔽が行われる可能性があるからだ。

 それを対処するための増員と、増員した時の新たな訓練場の新設や戦いになった時の為の新たな武器のための費用増額なのだ。


「分かったシオン。 訓練所の新設はなんとかやっておくよ」


「ごめんね、グズマの馬鹿がやらかした件からようやく財政を立て直したばかりなのに」


 シオン王妃は、グズマによるポーション価格のつり上げやその他もろもろの事で、財政が破綻しかけた事を知っているので、今回のお願いを受けてもらって申し訳ない様子で謝っていた。、


「構わないよ。 そのみち『アリストクラット』は早い目に潰しておかないと、世界中に浸透してしまう恐れがあるから。 それだとカトル君達ものんびり生活ができなくなる」


「こっちもお母さんに相談してみます。 お母さんは結婚前は諜報関係の職と魔法職の二刀流だったらしいので」


「カトレアさんにね。 分かった、メルルちゃんお願い」


 一方で、メルルは思い切って母親のカトレアに相談する事をシオン王妃に伝えた。

 王妃もカトレアを知っているらしく、お願いしていた。


「やれやれ、なんだか置いてけぼりだなぁ」


「んみゅ…?」


「あ、起こしちゃったか?」


 シオン王妃、メルル、ジェフ国王とのやり取りを見ていたカトルが、遠い目をしながらノエルの頭を撫でていたが、ノエルがそこで目を覚ました。


「おにーちゃん……、わたし寝てた?」


「うん、ぐっすりとね。 おはようノエルちゃん」


「ん……みゅ」


 お城の中でうたた寝していたのを知って、恥ずかしさのあまりにカトルの胸に埋める。

 その仕草に思わずカトルは笑みをこぼしつつ彼女の頭を優しく撫でる。


「あらら、ノエルちゃん起こしちゃったか」


「しかし、仕草が本当に可愛いよね。 こんな可愛い子を追放するなんてね……!」


 この後は、シオン王妃も先代王妃のヒルダもノエルを可愛がった。

 少しの間で、ノエルはマスコットキャラのように好かれたのだ。

 ノエルと存分に遊んで満足したところで、メルルとカトルはノエルを連れてホーエルの村へ帰っていった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「なるほどね、いつの間にかそんな組織が……」


「ノエルちゃんを追放したという職業差別主義の貴族も、貴族主義に染まった家系だからそこに入るのは自然なのかもね。 強力な背後を得られるから、隠蔽もしやすいし」


 ホーエルの村に戻ったカトル達は、カトル達の家のリビングで、偶然来ていたカトレアに『アリストクラット』の件についてクルルと交えて話した。

 いつの間にかそういう組織が作られたのかという事でクルルは驚く。

 カトレアも貴族主義に不快感を示しながら、エルフィア家がその組織に入った事で、警戒感を露にした。


「分かったわ。 久しぶりの諜報活動だけど、ノエルちゃんの為にも一肌脱ぐわ」


「ごめんね、お母さん」


「いいのよ。 ついでに新しく入る予定の諜報部隊の子たちも訓練も任せてって伝えてね」


「ありがとう」


 カトレアが『アリストクラット』を壊滅させるための諜報活動を引き受ける事になり、メルルはお礼を述べた。

 正面切ってではなく、相手の隙を突いて暗殺を試みるスタンスの方が、討伐の効率がいいらしいので、増員の訓練も受け入れた。


「それで、ノエルちゃんはあなたかな?」


「うん」


「私はカトレアよ。 事情はメルルとカトル君から聞いてるわ。 私の事をママって呼んでもいいからね」


 カトレアが、優しくノエルにそう言うと、ノエルはカトレアにギュッと抱きついてきた。


「お母さんからも愛されなかったのかな、ノエルちゃんは……」


「そうだろうな」


「戦士系至上主義のエルフィア家ならあり得る話だよ」


 感極まって泣きじゃくるノエルを抱きしめて頭を撫でてあげるカトレアを見て二人は母親からも愛されてなかったのかと密かに怒りを感じていた。


「僕達も、ノエルちゃんをしっかり支えないとな」


「うん」


 そして、カトルとメルル、そしてクルルはノエルを支えると改めて誓った。


次は諸事情により17日(月)更新予定です。


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