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王妃と国王の母親が来た

「あの平原の茂みか……。 確かにあそこはカルロスさんによる開拓プロジェクトが始まる前から不審な子供の遺体が発見したという報告があったが」


「それもエルフィア家が関わってたのかも知れないな」


 メルルが用意した地図にマークされた部分を指差しした部分を見て、ジェフ国王がそう言った。

 カトルもそれらもエルフィア家が関わっているのではという予測を立てていた。


「でも、そんなに頻繁に子供の遺体が発見されたのなら、調査されるはずだけど?」


「あそこは、魔物も少ないながら生息してるからな。 魔物に食い殺されたり餓死してしまえば、特定は難しいからな」


「エルフィア家はそこを突いたのかもしれないな。 死人に口なしとはよく言ったものだけど」


「いやはやホントに最悪だね……。 そう言えば、向こうは西の平原近くに今のホーエル村が出来たことは知ってるの?」


「あの家系や他の貴族主義の家系は、そう言った情報は耳にしないようだ。 つまり、奴らの中ではホーエル村なんて存在しない扱いなのさ」


「あっきれた……」


 さらに離されるエルフィア家の姑息な内容にメルルは怒りを通り越して呆れ顔を見せた。

 カトルも同様だ。

 特定がしにくい状況になるように、魔物の近くに捨てたり餓死しやすい場所に捨てたりなどで細かく場所をずらしていたそうだ。

 さらに、エルフィア家や他の貴族主義の家系は、現在メルルやカトルが住んでいる『ホーエル』村の存在はない扱いにしているようだ。

 そういう都合の悪い情報は遮断しているあたり、ジェフ国王から見れば貴族主義の家系は、危険な存在なのだろう。

 そういう話をしている最中に、不意にノックの音が聞こえた。


「ん? 誰だ?」


「ジェフ、いる? お母さんだけど……嫁ちゃんも一緒よ」


「母上!? それに彼女も……! とりあえず、入って!」


 ジェフが慌てて入るように促すと、ドアを開けて入ってくる美人な女性と、可愛らしさが残る少女が入って来た。


「母上、シオン……」


「ただいま、ジェフ君。 調査の報告ついでに来たよ」


「それに、そちらが去年に息子からの報告があった男の子ですね?」


 ジェフ国王の母親が、カトルを見て優しい笑みを浮かべてそう言った。


「はい、カトル・ラクレインです。 元セレティア生まれの者で、処刑された元勇者のグズマのパーティーにメルルと共にいました」


「まぁ、ご丁寧にどうも。 私はヒルダ・ベルセリアと申します。 現国王のジェフの母親です」


「ボクは、シオン・ベルセリア。 こう見えても現王妃でジェフ君の妻だよ。 よろしくね」


(ジェフの妻はボクっ娘王妃なのか……)


 カトルが、二人に自己紹介をすると、ジェフ国王の母親のヒルダとシオンも自己紹介を始める。

 現在の王妃がボクっ娘だったことにカトルは多少戸惑った。


「あれ、カトルくんが抱いてる女の子は?」


「私達の義理の妹になったノエルちゃんです。 旧姓はノエル・エルフィアですが、戦士じゃないという理由で捨てられたようです」


「なるほどねぇ」


 メルルが代わりにノエルの事をシオン王妃に話す。

 すると、何かを察したのか俯きながら何かを考えていた。


「それでジェフ……。 そのエルフィア絡みの話ですけど」


「母上?」


 そこにヒルダが、ジェフに話しかける。 エルフィア家絡みの話なのだろう。


「あの家系、最近できた貴族主義の集まりの組織……『アリストクラット』にも属しているわ」


「それは本当ですか!?」


「アリストクラット……って?」


 ヒルダからの報告にジェフ国王は驚きの声を上げるが、カトルとメルルは何のことだか分からなかったので聞いてみた。


「選ばれし貴族が人をこき使う事こそ正義と言う貴族主義の思想に染まった者が最近作った組織で、反貴族主義を掲げているベルセリア、フリージア王国、ノクターン魔法国の中に燻る貴族主義思想の人間がそこに加入しているんだよ」


「そんな歪んだ考えを持った組織にエルフィア家も入ってると?」


「そう。 そのため、エルフィア家だけを潰すという事は難しくなったんだよ。 あそこにいるという事は他の家系のバックアップもあるって事だから」


「貴族主義は、私達から見れば差別主義の一つなのです。 ですが、組織を作ったとなると簡単に没落させることもできないでしょうね。 シオンの言う様なバックアップで協力し合ってもみ消すことも可能になるから」


 シオンが代わりに『アリストクラット』についての説明をしたが、その話を聞いているカトルとメルルの表情は次第にこわばっていった。

 貴族主義の組織に加入することで、他の貴族主義の家系をバックとして好きに動けるし、もみ消すことも可能だからだ。


「最悪の流れですね……。 まるでグズマがたくさんいるみたいだ」


「カトルくんは、向こうの貴族のグズマに虐められてたんだよね。 不快になる気持ちも分かるよ。 だから、ジェフ君に頼みがあって戻って来たんだよ」


「頼み?」


 カトルの不快感の理由を察しつつ、シオン王妃はジェフ国王にある事を頼もうとしていた。

 自分に頼むごととは何だろうと、ジェフ国王は首を傾げた。


「さっき言った組織『アリストクラット』対策のための諜報部隊の増員と、彼らの戦闘力の強化の為の費用を増やして欲しいんだよ」


 シオン王妃の頼みとは、貴族主義の組織『アリストクラット』対策の為の、諜報部隊の増員と戦闘力の強化の為の費用増加だった。


 

次は14日(金)更新予定です。


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