幕間~グズマ一行の処刑
グズマ一行が処刑された時間は、ベルセリア王国にて行われた聖光祭が終わって2日後のことだった。
メルルの両親であるカトレアとカルロスに捕まったグズマ一行は、セレティア騎士団に引き渡されて呪いの刻印を刻まれた状態でセレティア王国の王城の地下牢獄に投獄された。
三人が同じ牢屋に閉じ込められ、念のために脱走阻止と臭いが広がるのを阻止するために多重結界が張られたようだ。
セレティア国王と宰相が、グズマ一行の処刑のタイミングを話し合った結果、ベルセリア王国の聖光祭が終わった後で実行する事にした。
その間のグズマ一行は、鎖に繋がれたまま処刑決行日まで放置され、マスクを付けた兵士達による1日に2回の水と乾パンを食べさせられるだけだった。
身動きがが取れないので、当然ながらトイレにも行かせて貰えず、失禁しながら処刑決行日まで、待つしかないのだ。
そしてベルセリア王国の祭が終わったとの報告を受けて、決行されたグズマ一行の処刑の日。
セレティアの国王が、兵士と共に広場の壇上に立ち、演説を始めた。
「国民の諸君、騒がせて申し訳ない。 本日に決行されるグズマ一行の処刑を行う為にこの広場を貸してもらった」
グズマ一行の処刑と言うことで、国民はざわつき始める。
だが、それはグズマ一行を擁護するようなものではなく、グズマ一行の悪行の酷さを思い出しながらのざわめきだった。
直近の脱走劇は、国民にも知られているのでグズマ達に同情するものは誰一人いなかった。
「すでに知っている国民もいると思うが、この一行は勇者としての務めを放棄したばかりか、他国への過干渉や財政圧迫などの国際問題に発展するような事まで平気で行ってきたのだ」
ざわめきが大きくなる。
直近の悪行は知っているが、他国への悪行に関しては初めて知った国民が多かったようだ。
セレティア国王は構わず話を続ける。
「我はグズマの悪行は常々聞いていた。 だが、事あるごとに先に処刑したグレゴリーの者がグズマの処分を阻止された。 それは取り巻きの女たちの一族も同様にだ」
国民はそれを聞くと、ある存在に視線を一斉に向けた。
「な……、あ……!?」
恨みの視線を向けられて慌てふためくのは、マライアの家系の者。
この男も貴族でマライアの父なのだ。
この男は、娘の処刑を聞いて、一般人に紛れて広場に来たのだが、国王の指差しでばれてしまったようだ。
「ある事情でグズマのパーティから脱退した魔法使いの少女の祖国のポーションの価格を勝手に吊り上げたのも、グズマとこのマライアの家系の者が結託した結果だと直近の捜査で判明した!」
「そうか、あんたらのせいか!」
「どうりでポーションが急に高くなったと思ったら……!」
「な、こ、これは……、これには訳が……!」
言い訳を考えようとして慌ててしまうマライアの父親に、冒険者として活動している国民が冷たい視線と批判の声が上がってくる。
その批判の声は、マライアの父に一点集中して浴びせられていく。
「諸君! 罵声はひとまずそこまでだ。 時間が惜しいのでな」
国王が、国民をひとまず黙らせる。
いわば、処刑のための時間が迫って来たのだ。
「では、まず罪人の入場だ! 罪人をここへ」
「ははっ!!」
国王の号令により、刻印を刻まれ、鎖で縛られたグズマ一行が広場に現れる。
それを見た国民は、グズマ達に対してブーイングを浴びせる。
だが、グズマ達にはそれを反発する気力はなかった。
呪いの刻印によってその力を奪われただけでなく、この時まで失禁を続けていたために汚れた衣服が国民の前にさらけ出された事による恥辱もあるだろう。
「遠出した娘を返せ! このクズ貴族!!」
「お前らのせいで、お前らのせいで……!!」
ついには国民がグズマ達に投石を行い始めた。
次から次へと投げられる石は、グズマ達の額や体に少しずつダメージが蓄積される。
マライアに至っては、その恐怖かまたしても失禁していたようで、ただでさえ汚れていた衣服がさらに汚れたようだ。
「そこまで! では、罪人三人の斬首刑を執り行う!」
「や、やめろぉぉぉぉ!!」
投石を辞めさせた国王は、ついにグズマ達の斬首刑が執行される。三人の兵士が彼らの背後に移動した。
その時にマライアの父が、居てもたってもいられずに止めに入ろうとしていたが、兵士によって取り押さえられた。
「では、処刑……始め!!」
国王の合図で兵士が一斉に斧を振り下ろす。
そして、三人の首は同時に刎ねられた。
この瞬間、国民は大歓声が上がり、マライアの父は絶望の表情をしていた。
三人の首は、見せしめのために暫くは表参道の通りに設置しておくことが決まっているようだった。
以上が、セレティアで起こったグズマ一行の処刑の顛末であった……。
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