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聖光祭ラスト~締めはやはりアイドルライブ~

「お待たせー」


「二人とも待たせてごめんね」


「ああ、別に構わないよ。 メルルは寒い時期になるとトイレが近くなるから」


「ちょっとー!?」


「あはは……」


 カトルとメルル、そしてクルルとエクスが祭りの出店を回って楽しんだ後、広場で合流し、クルルとメルルがトイレに行った。

 トイレ待ちをしていたカトルとエクスが、その間に色々な話をしていたようだ。


「そろそろ締めのイベントの時間だね」


「ああ、『マジカルアイドル・ピュアキュア』のライブイベントだね」


「メルルの友人のシエラもそこで頑張ってるんだったなぁ」


 そうなのだ。

 この後、祭りの締めとしてメルルの友人のシエラが所属するアイドルグループの『マジカルアイドル・ピュアキュア』のライブイベントが行われるのだ。


「会場は主に男性のファンでごった返しているなぁ…」


「ま、私達はこれから行く宿屋の3階の部屋からライブの様子が見れるし問題はないよ」


「といってもよくあそこの宿屋を予約できたな?」


「クルルが下調べしていたみたいだよ。 それで事前に予約を取ってたみたい。 私達も部屋の分まで」


「君の妹、別の意味でやばくないか?」


 カトルが広場から見える会場に目を向け、そこには男性のファンでごった返している様子を見て少しゲンナリしていたが、メルル曰く自分たちは近くの宿屋の三階からライブの様子が見れる部屋に行くとのことらしい。

 さらにメルルが言うには、クルルが事前に下調べをしていたらしく、招待されたメルル達の部屋の予約もやっていたようだ。

 これを聞いたカトルはクルルの能力に畏怖を覚えたようだ。


「まぁ、とにかく宿屋に入ろう。 ファンから巻き込まれないように」


「あ、ああ、そうだな」


「私達も入ろうか、エクス君」


「そうだね」


 四人はファンの騒動に巻き込まれない内に、予約していた宿屋に入った。

 それぞれが、三階のイベント会場が良く見える二部屋に入り、荷物を置いて窓から会場を見る。


「本当にここから会場が見れるんだな」


「そうだね。 あ、シエラ達がステージに上がって来たよ」


「本当だ。 ファンも盛り上がってるな」


 シエラ達アイドルグループ『マジカルアイドル・ピュアキュア』がステージに上がった瞬間、男性を中心としたファンが盛り上がりを見せる。

 その熱気は宿屋にいるメルル達にも伝わってくる。


「すごいな。 ここまで熱気が伝わってくる」


「本当だねぇ。 さすがは大型アイドルグループだよ。 そこに入ってるシエラもすごいよね、よく考えたら」


「分かるよ。 彼女の歌声が響く時にその綺麗さが伝わってくる。 ある意味、才能だよなぁ」


「あの子、元々歌うのが好きだったからねー」


 シエラがセンターとして歌っている様子を見て、メルルは感慨深そうに、カトルは羨ましそうに見ていた。

 ステージが良く見える宿屋からでも伝わる彼女の綺麗な歌声は、おそらく多くの人たちに活力を与えているのかもしれない。

 あの熱狂の中で二人はそう考えていた。


「あ、次の歌はバラードっぽいからシエラじゃないみたいだね。 今、センターに居る子が歌うっぽいから楽しみだね」


「へぇ、バラード専用ってわけか。 それ以外はダンサーって事か?」


「多分そうだろうね。 シエラ辺りに直接聞かないと分からないけど」


 メルルとカトルがそう言いながら、次の歌を聞いていた。

 今、流れている曲はバラードよりなので、シエラ以外のメンバーがセンターに出て歌を歌っている。

 彼女はそれ以外の時はダンサーとして動いていたのだろう。


「どんな歌でもファンとしては嬉しいものだろうね」


「確かに、盛り上がりはまだ続いているからな。 もうすぐ今年が終わるのもあってか」


「うん、シエラ達はこの祭りのライブを今年最後にして、次は年が明けてからになるらしいしね」


「そういや看板にも今年最後のライブってあったな。 アイドルも休みは必要だしな」


「グズマの一件で予定も狂わされた事もあったからね。 尚更だよ」


 シエラ達アイドルグループも、一時グズマの事件があったせいで、スケジュールを狂わされた被害者なのだ。

 それでも彼女達は乗り越えて、今のライブを楽しんでいるようだった。


「あ、もうすぐ最後の歌を歌うみたい。 アイドルのみんなが合唱するのかな?」


「そうらしいね」


 そうしているうちに、いつの間にか最後の歌を歌おうとしていた。

 時間が経つのは早いとはこういう事なのだろう。


「あ、雪だ…」


「ホントだ。 ホーエルならともかく王都は滅多に雪が降らないのに……」


「ひょっとして、この雪もアイドルを応援しているとか?」


「そうなのかもね」


 アイドルのイベントが終わりに近づく時に、王都に少しながら雪が降ってきたようだ。

 まるでアイドルの活動を応援するかのように。


「来年は、本当の意味でゆっくり過ごせるといいね」


「そうだな、今年はグズマの件でゆっくりできる精神状態じゃなかったしな」


「再脱走の件なんて、気が気じゃなかったからね、私も」


 メルルは来年こそ、ゆっくりと過ごせる年になればいいなと考えていた。

 カトルも同様に。

 特に二人は今年の春までは、グズマのパーティに入り、途中でカトルがクビ宣告されて同時にメルルも抜けたのだ。

 その後のグズマ達が、脱走を試みたり、施設を破壊するなどを聞いて、できるだけ関わりあいたくなかった二人にとって神経の使う年だったのは間違いないだろう。


「魔王の娘さんとも今後も仲良くできればなぁ」


「確かに。 聖剣なしで実の父の魔王を倒す方法を探してもらってるし、来年あたりに報告がくるといいけど…」


 また、魔王の娘のエクレアと出会い、彼女とは仲良くなれそうな予感も胸に秘めていた。

 そう考えてるうちに、アイドルのライブが終わったようで、ファンから拍手喝さいが聞こえていた。


 こうして、今年ラストの祭りは、アイドルのイベントで終わりをつげ、年が明けるまでみんなはゆっくり過ごすことになる。


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