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聖光祭後半~その頃のクルルとエクス~

「いやぁ、お姉ちゃんとカトルお兄ちゃん……。 見事なまでのラブラブっぷりだね」


「確かにね。 何故か苦いはずのコーヒーが甘くなってきた気がするし」


「あ、あはは……。 自重してないせいか、こっちもお茶が甘いよ」


 一方で、まったり祭りを楽しんでいるクルルとエクスは、カトルとメルルのラブラブっぷりを見て苦笑いをしながら見ていた。


「一人ぼっちの男性陣から嫉妬の視線が向けられているのに気付かない程に二人の世界を形成してるね」


「確かにね。 まぁ、グズマパーティ時代でのストレスを考えたらそれもやむなしか……ってね」


 相変わらずボッチ男性たちからの嫉妬の視線が、カトルとメルルのカップルに向けられているが、そんな事にお構いなしに今度は金魚すくいを楽しんでいるようだ。

 クルル曰く、まさに二人の世界なのだとか…。

 まぁ、事情が事情だけに、致し方が無い部分もあるが…。


「せっかくだし、私達も出店回ろうか?」


「そうだね、向こうの二人組が楽しんでるし僕達も楽しもうか」


 クルルはジュースを、エクスはお茶を片手にメルル達とは違うルートで出店を回っていく事にした。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「あ、綿菓子だ」


「本当だ。 買ってみようか?」


 クルルとエクスが出店巡りをして最初に目についたのは、綿菓子屋だ。

 その名の通り、綿菓子を売っている出店だ。


「ああ、いらっしゃいクルルちゃん」


「あ、おばちゃんが運営しているんですね。 こんばんわ」


「クルル、この人と知り合いか?」


「うん、このおばちゃんがオーナーとして営んでいるお菓子屋さんでお菓子を買っていたからね。 安価で美味しいから」


「へぇ……」


 クルルが言うには、今綿菓子屋で出店をしているおばちゃんは、このジョンストンを起点としているお菓子屋さんを営んでいる人のようだ。

 彼女自身がよく利用しているために、このおばちゃんとは顔見知りというわけだ。


「そういえば、『ホーエル』って村の代表になったんだって?」


「そうですよ。 苦労しますが充実しています。 あ、綿菓子を二つください」


「ふふ、お二つね。 ちょっと待っててね」


 そう言うとおばちゃんはすぐに綿菓子を作り始めた。

 他のスタッフと一緒の作業なので、すぐに出来上がったようだ。


「はい、綿菓子二つお待たせ」


「おばちゃん、ありがとう。 落ち着いたらお菓子屋さんにも寄りますね」


「いつでもおいでよ。 待ってるからね」


 綿菓子を貰ったクルル達はお金を払って、綿菓子屋を後にする。

 そして、二人は同時に綿菓子を一口食べてみた。


「へぇ、結構美味しいなこの綿菓子」


「あのおばちゃんが作ってくれた綿菓子だからね~」


 二人で綿菓子を食べながら他の出店を回る。色々気になる出店があるが、混雑しているので後回しにしているようだ。


「あ、ヨーヨー屋さんだ。 カトルお兄ちゃんとお姉ちゃんがやってるね」


 すると、二人はヨーヨーが売っている出店を見つけ、そこにカトルとメルルがいる事にも気付いた。

 相変わらずカトルとメルルの二人から甘い空間が形成されている。


「あそこだけ相変わらず甘い空間が形成されてるなぁ」


「そうだね。 まぁ、いいんじゃないかな?」


「グズマパーティ時代には、いい思い出がなかったからかな?」


「そういう事だね。 じゃ、私達は別の出店を回ろうか」


 相変わらずの甘い空間に苦笑いをしつつも、カトルとメルルの事情を汲んだ二人は、他の出店を回り続けた。


「お、あそこはもしや……?」


「あ、輪投げ屋さんだね。 寄ってみる?」


「そうだね。 結構賑わってるし、行ってみよう」


 クルルとエクスが、不意に見つけた輪投げ屋に向かう。お金を払って6回分の輪っかを貰い、それを景品に向けて投げた。

 二人はそれぞれ、一つだけ景品を当てる事ができたので満足した様子だった。

 それよりも、こうして楽しめたのが二人にとっても収穫なのだろう。


「なんだかんだで、輪投げも楽しめたね。 次はどこにする?」


「そうだなぁ。 色々見て回って考えようか」


「あはは、それもいいね」


 なんだかんだで、この二人も仲がいいカップルとして王都の住民に認知されつつあるようだ。

 メルルとカトルとは違って、バカップルみたいな事はしていないが。

 そうとは知らずにクルルとエクスは、もう一度今までの出店を回っていった。


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