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聖光祭後半~二人で楽しもう~

 聖光祭は、来賓が王城内で行われる『パーティ』と、夕方から国民向けに行われる『祭』の二つに分かれている行事だ。

 共通しているのは、年末の労いと来年に向けての決意を祭りと言う形で執り行うベルセリア王国で冬に行われる事だ。


「しっかし、ここは本当に雪が降らないな。 寒さもホーエルと違ってそんなに寒くないし」


「平野部に作られたからね、この王都は。 あと、ベルセリア領内はホーエルや他の辺境の村以外は比較的温暖だからね」


「なるほどね」


 カトルとメルルは、王城でクルルとエクスとひとまず別れて祭りを楽しむことにしたのだ。

 丁度、今現在は国民に向けてのジェフ国王のスピーチが行われているようで、それを聞きながら先ほどの会話をしていたのだ。


「王都だからか、ホーエルよりも規模が大きいな」


「そうだね。 出店も多いし、イベント会場も大きいしね……って、あれ?」


「どうした、メルル?」


「王都にもあのアイドルが来るみたいだね。 ほら、会場となる場所の看板に書かれている」


「あ、ホントだ。 あのアイドルがしっかり活動しているのを見ると安心できるな」


「うん。 何せグズマ再脱走の件で活動できなかった時期があったからね」


 メルルがイベント会場の看板に『マジカルアイドル・ピュアキュア』と書かれたのを見て感慨深くなったようで、カトルも思わず同意した。

 グズマ一味が再脱走をした事件の間は、ホーエルに暫くとどまっていただけでなく、その期間のイベントは中止ならびに延期となった事で色々ストレスが溜まっていたのかも知れなかったからだ。

 そのアイドルの一人で、メルルの友達のシエラは否定しているが、他のアイドルはそうとは限らない。

 幸い、ホーエルでのお祭りの時に歌などを披露して発散させることが出来たが…。

 そんな辛い時期も味わったアイドルグループがこうして活動できるのは二人にとって安心するようだ。


「そういや、今年度最期ってこのイベントでのライブが終わったらシエラ達は休むのか」


「まぁ、アイドルも人間だからね。 休みたい時もあるでしょ」


「確かにね」


「あ、ジェフ国王のスピーチが終わって出店がオープンするよ」


「早速見て回るか」


「うんっ」


 早速カトルの腕を組んでメルルが嬉しそうな笑顔を浮かべて出店を回っていく。

 傍から見れば、バカップルのような感じに見えており、時折、舌打ちをする男性もいたとかいなかったとか……?

 砂糖を吐かれるよりはマシだっただろうけど、一人ぼっちの男性にとっては相当のダメージなのだろう。


「あ、射的があるよ。 カトル君、やってみない?」


「射撃は苦手なんだけどな……」


「大丈夫、私もやるから。 すみませーん、二人分お願いしまーす」


 最初に目に付けた射的の店にメルルがカトルの分までお金を払っていた。


(まぁ、仕方ないな。 メルルの為にもやってみよう)


 カトルも仕方なく、メルルの為に一緒に射的をすることにした。 コルクの入った模型銃で景品を撃ち落とすというこの出し物は、難易度が高く国王の許可を出しにくいのだが……。


「はい、参加賞ね」


(なるほどね。 アフターフォローもあるから許可されたのか)


 店員が、全弾外れた客に対して参加賞と称した品物を渡す。

 どうやらジュースのようだ。

 こういうフォローがあるからこそ、国王の許可が得られたのだろうと、カトルは考えていた。


(よし、やるか……)


 カトルがある商品に狙いを定めてトリガーを引く。

 コルクの弾がその商品にヒットした瞬間、床に落ちる。


「おおっ、三角帽子を見事ゲット! おめでとうございます!」


「カトル君!? 本当に射撃苦手なの!?」


「ああ、苦手だよ。 今回は奇跡だったから……」


「一発も当てられなかった私から見てもそうは思わないよ……」


 先にメルルが挑んだが、全部外れたようで参加賞のジュースを手に持っていた。

 なお、カトルもあの後全部外れたので手に入った品は三角帽子のみだった。


「メルル、これ君にあげるよ」


「え、いいの?」


「ああ、メルルに似合いそうだしね」


「ありがとー! 実は私もこれ、狙ってたんだけど嬉しいな♪」


 カトルからメルル自身も狙っていた三角帽子を貰って嬉しそうに帽子をかぶる。

 まるで魔女のような可愛さにカトルもニヤニヤしていた。


「似合ってるよ。 ますます可愛いね」


「カトル君にそう言ってもらえるのは嬉しいよ。 さ、次の出店に行こう♪」


 メルルに手を繋がれて引っ張られるようにカトルも付いていく。

 慣れたのか、手を繋がれているカトルも満更ではないようで、彼女の笑顔に癒されているみたいだった。


 周囲のぼっちの人間からの舌打ちや嫉妬の目線に構う事なく二人は、次の出店を目指していた。


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