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ジェフ国王との語らい

 時は冬の真っただ中。

 相変わらず『ホーエル』の村は雪景色で彩られている。

 雪に備えて温存した食料が活躍するほどの農作業がしづらくなるのだが、クルルを始めとした住民はむしろ楽しんでるようだった。

 そんな中、ジェフ国王からメルルとカトル宛に王都に来てくれという内容の手紙が届いた。

 国王からの手紙なので無闇に断ることができないので、二人は転移で王都『ジョンストン』に向かって行った。


「しかし、聖光祭に招待されるとはな……」


「まぁ、私達はかつての勇者パーティで苦労されたという事で理解してくれてるからね。 クルルの方にも来てたみたいだし」


「しかし、王都の祭りだと……向こうの嫌味貴族みたいなやつらが出てきそうだけどな……」


「よくあるマウンティング貴族って奴だね? 確かにこの国にもいるけどね」


「やっぱりいるのか……」


「まぁ、その場合は追い出してもいいみたい。 国王様がそう言ってたし」


 国王からの手紙は、招待状も添えていた。

 年末に差し掛かるこの季節で行われる王都の祭り『聖光祭』。

 毎年この真冬の時期に行われる年越し前夜祭を兼ねたお祭りだ。

 町に彩られたイルミネーションが祭りの象徴であり、ここでアイドルイベントも行われる。

 この季節のために他国からの観光客も来るほどの大人気の祭りなのだそうだ。


「お待ちしておりました。 カトル様とメルル様ですね?」


「はい、招待状も持っています」


「確認しました。 ジェフ国王様の元へご案内致します」


 王城の門番に招待状を見せ、そのまま王城内に案内される。

 目的地はジェフ国王の部屋だ。

 王の間ではない。


「国王様、カトル様とメルル様が来られました」


「ああ。 入ってもらって」


「畏まりました」


 ひとまずノックで、国王に報告する兵士。

 国王から入ってもらってという言葉を聞いた後で、兵士はドアを開けてカトルとメルルを中に入れる。

 二人を部屋に入れたのをアック人した兵士はお辞儀をして去っていく。


「やぁ、二人とも久しぶりだね」


「こちらこそお久しぶりです、ジェフ国王様」


「普通に接して欲しいって前に言ったじゃないか、メルルさん」


「あはは……」

 

「まぁ、メルルは流石に辺境伯の娘でもあるからなぁ」

 

「それを差し引いてもだよ」


 ジェフ国王は、普通に接して欲しいと丁寧なあいさつをしたメルルに言う。

 言われた彼女は苦笑いをしていたが。

 一方のカトルは、適応力が高いのかジェフとため口で話しているのだが。


「それで、『ホーエル』の住み心地は?」


「結構住みやすいよ。 雪がかなり降ってくる以外は」


「ああ、あそこのエリアは豪雪地帯だったのか……」


「まぁ、そのおかげで雪の季節にしか咲かない薬草類があるみたいだしね。 アルニム草とは違うタイプの薬草かも知れないって」


「へぇ、どんな効力があるのかは楽しみだな」


「調査中だし、判明したら教えるよ」


「頼むよ、カトル君」


 メルルとカトル、そしてジェフ国王の他愛のない会話が続いていく。

 その会話の中でアルニム草とはまた別の薬草類が生えていることが判明したようだ。

 しかも、その薬草類は雪が降っているエリアでないと生えてこない代物だとか。

 ジェフ国王が興味を示したので、カトルが調査をしたら教えるという事を約束した。


「それで、今日の午後から『聖光祭』があるんだって?」


「そうだ。 二人にとっては初めての王都の祭りだし、経験してみた方がいいんじゃないかと思ってね。 クルルさんとエクス君も後で来るんだろう?」


「うん、一応ホーエルの代表だしね」


「だけどさ、王都で行われる祭りだと、グズマのようなマウンティング野郎が出てくるんじゃないのか?」


「ああ、出てきてるよ。 毎年、それが出てきて迷惑してるんだ。 もし、絡まれたら物理的にでもいいから懲らしめて欲しい」


 カトルが懸念していたように、こういう王都の祭りではマウンティングする存在がいるようで、ジェフ国王も迷惑しているようだ。

 なので、ジェフ国王のお墨付きでそのマウンティングする存在を物理的に懲らしめるように頼まれた。


「ジェフのお墨付きならやりやすそうだな。 分かったよ」


 カトルもその願いを引き受け、メルルも首を縦に振った。


「そろそろ祭りが始まるな。 準備が終わったら下に来てくれ」


「うん、そっちも頑張ってね」


 ジェフ国王がそう言って部屋から出ていく。

 メルルはトイレを済ませてからカトルと共に下の階へ降りる事にした。

 

 そして、もうすぐ聖光祭が始まる……。

 


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