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雪が降って来た

 秋の祭りからさらに月日が経ち、冬に差し掛かった。 その為か急に寒くなったようだ。

 クルル曰く、この『ホーエル』の村の寒さはかなりのもののようで、基本的に厚着は欠かせないようだ。


「しかし、冬は本当に寒いね。 身体が冷えてトイレが近くなりそうだよ」


「それはそれで冒険者としては致命的なんだけどな」


「あはは……、時々漏れそうになって物陰で済ますケースが多くなったしね」


 メルルが冬の寒さでトイレが近くなりそうな事を告げて、カトルが突っ込んでいる。

 ただ、メルル本人がよく物陰で済ますケースが多くなっているのはカトル自身も気になっているが。


「あと、クルルから聞いた話だけど、グズマ一行が捕まったじゃない? あれ、お父さんとお母さんが絡んでたみたい」


「カルロスさんとカトレアさんが?」


「うん、セレティア王国からの依頼で関所付近で待機していたみたいだよ。 マライアが余計な事をしたせいで、騎士団が撤退する羽目になったからね。 でも、勇者に近い力でも私の両親には敵わなかったけどね」


「ああ……。 あの二人がどういう形で懲らしめたかの様子が想像できる……」

 

「うん、特にお父さんはね。 大の筋肉好きでもあるから」


 再脱走したグズマ一行が関所前で捕まった事は、ジェフ国王がクルル経由で伝わった。

 また、その一役を買ったのがメルルの両親だったようで、メルルが少し苦笑いをしていた。

 カトルもその両親が、グズマ一行に何をしたのかを想像できてしまう事に苦笑していた。


「グズマ一行は二度も脱走をしたんだし、極刑は避けられないって言ってたな」


「うん。 あいつらがここまでだとは予想してなかったしね。 ま、私の両親に感謝だね」


 メルルがそう言いながら、ふと窓を見る。


「あ、雪だ」


「え、マジで!?」


「本当だよ、ほら」


 窓から雪が降ってきているのを見たメルルは、カトルと共に窓から外を見る。

 外はかなりの大粒の雪がしんしんと降っていた。


「僕の生まれ故郷でも見られなかったから、雪なんて初めて見るな」


「私もだよ。 『ステークス』も雪が降らないエリアだったからね」


 カトルもメルルも雪が降るのを見るのが初めてのようで、ガラスに張り付くようにがっつり見ていた。


「この勢いだと積もるんじゃないか?」


「そうだね、暫くこの部屋で暖まってからまた窓を見ようよ」


「そうだな。 部屋から見る雪も絵になりそうだし」


 そう言いながら、二人は窓に映る雪を見ながら暖を取ることにした。

 天気が雪の為に、かなり寒いがメルルの魔法で付けた暖炉の火の暖かさはかなり部屋に充満しているようであった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「すっごい積もったねー」


「地面だけならまだいいが、屋根まで積もるとは……」


「雪かきどうするの?」


「それは僕がやっておくよ。 それが終わったら雪だるまでも作るか?」


「いいねー! 終わったらやろう!」


 暫くして外に出ると、かなりの積雪量になったようで、屋根の雪かきをし終えてから雪だるまを作ろうという提案をメルルが嬉しそうに受け入れた。


(可愛いなぁ)


 その際にカトルが、ピョンピョンと可愛くジャンプするメルルの仕草に見とれていたのは別の話だ。


「じゃあ、早速雪かきしてくるよ」


「足を滑らないようにねー」


 カトルが梯子を使って屋根に上り、雪かきを始める。

 なお、スコップではなく剣を使っての衝撃波でやっているようだ。

 壁を壊す可能性があるが、威力を調整しているので大丈夫なのだろう。


「しかし、剣で雪かきなんて史上初じゃないかな?」


 メルルはその様子を見て、苦笑いをしながら独り言ちていた。

 そして、無事に雪かきを終えたカトルは、メルルと一緒に雪だるまを作っていた。

 お互い寒さに強い手袋をはめて、雪を丸く固めて作り上げる。

 それを二人は楽しんでいた。

 しばらくして、大きめの雪だるまが完成したようだ。


「完成したね。 しばらく溶けないように魔法でコーティングしよう」


 二人がかりで完成した大きめの雪だるまを暫く溶けないように、メルルは魔法でコーティングした。

 この達成感を少しでも長く味わいたいからだろう。 『ホーエル』の村で初めて雪と言うのを味わい、楽しくできたのはある意味で久しぶりだったと言えよう。

 今日一日は、この雪遊びで費やしたが、とても充実した表情をしていたのをクルルが物陰から見ていたのは別の話。


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