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幕間~再脱走のグズマ一行の末路~

「はははっ、これくらいの服と食料があればがっつりやれるな」


「ええ。 私達を否定した連中に復讐するには最適な量ですわ」


「そうだね。 あたしたちに逆らった報いは受けて貰わないとね」


 ベルセリアとセレティアの境界付近にある村で、多くの死体を見下ろしながら村から奪った食料と衣類を片付けるグズマ一行。

 再脱走の直後に、マライアによってグズマが力を得たことで、セレティアの騎士団は撤退を余儀なくされ、それによって調子に乗ったグズマ達は自分達に逆らった報いとしてこうして惨殺と窃盗を繰り返しているのだ。


「この村で最後だな。 次はベルセリアか」


「そうですわね。 この国境を越えたらですけど」


「関所の門番がいるんだよね。 あたしたちで殺さない?」


「いいな。 俺様たちの強さを見せつけようぜ」


「残念だが、それは叶わない夢よ」


「誰だっ!!」


 意気揚々と門番を殺してベルセリアへ行こうとしていたグズマ一行の前に、関所方面からカトレアとカルロスが現れ、グズマ達の前に立ちはだかる。


「我が国の国王からこの付近に居ると聞いて向かったが、その通りだったなぁ」


「ええ、しかも虐殺したあとでしたね」


「あんたら、誰なんだよ!!」


 武闘家のカレンが、カルロス達に激昂する。 折角の勢いを削がれたのだ。無理はないだろう。


「ふっ、貴様らに名乗る名前などないわ!」


「ふ、ふざけやがってぇぇぇぇっ!!」


 カルロスが名乗る名前などないと啖呵を切ると、グズマが激昂して斬りかかってくる。

 だが、そこにカトレアが割り込んでくる。


「な……!?」


 そして、グズマの剣の攻撃をカトレアは指先一つで止めたのだ。


「う、うそ……!?」


「ぐ、グズマ様の攻撃が……、指先一つで……!?」


「そぅれっ!」


「うわあぁぁぁぁっ!!!」


 カトレアが、指先一つで受け止めた剣を軽く押し返すと、グズマは後ろに吹き飛ばされた。


「グズマ様っ!?」


「な、舐めるなぁぁぁぁ!!」


 今度はカレンが、カトレアに蹴りを繰り出すが、カトレアに足を掴まれ、そのままジャイアントスイングをし始めた。


「あああぁぁぁぁぁっ!!!」


 片足を掴まれたままジャイアントスイングをされているカレンは、ただ悲鳴を上げる事しかできない。

 そして、暫くしてからグズマの方へ放り投げた。


「なっ、こっちに来るな……!!」


 グズマが逃げようにも、放り投げられたカレンの方が速いので、避けきれずにグズマとカレンは衝突してしまう。


「ぐ、うぐぅ……」


「あ、うぁぁ……、あ、脚がぁ……」


 グズマが何とか立ち上がろうとするが、カレンは先ほどの攻撃によってカトレアに掴まれた脚が折れたのか、変な方向に曲がっていた。


「か、カレン……!?」


 それを見たグズマは、呆然と見ている事しかできなかった。


「さて、次はあんたの番ねぇ」


 そして、次の獲物を狙うかのようにカトレアが、グズマを睨みつけた。


「そ、そうだ……! マライアを……!」


「きゃあぁぁぁぁっ!!」


 カトレアに睨まれたグズマが、マライアを呼んでカレンを治してもらおうとしたが、悲鳴が上がった。 恐る恐るその悲鳴のした方へ向くと……。


「ふーはははーっ!! 貴様には私の筋肉を徹底的に見せつけてやる!」


「いやあぁぁぁっ! 近づかないで、こないで!! そんな汚いのを見せつけないでぇぇぇ!!」


「断る! 筋肉を汚いと罵る以上、もっと見せつける必要がありそうだ!」


「いやあぁぁぁぁ、やめてぇぇぇぇっ!!」


「な、なんだよこれ……!?」


 カルロスがマライアの近くで筋肉を披露しており、それを嫌がるマライア。

 そんな光景を見たグズマが呆然とその光景を見る。


「あの僧侶の女には、こう言ったやり方が最も効果的なのよねー」


「ど、どういう事だ!?」


「僧侶という事を差し引いても、あの女は汚いのが嫌いだというらしいわね。 そして筋肉も汚い対象だとか。 なら、その筋肉を間近で見せつけて精神的にダメージを与えればいいのよ」


「お、おのれ……!」


 カトレアが語った内容にグズマは歯ぎしりをしている。

 僧侶のマライアが、汚れを嫌う性質で、かつその対象は筋肉にも当てはまるらしいので、カルロスの筋肉を間近で見せつけて精神的にダメージを与えた方が効果的なのだ。


「さて、あんたも覚悟することね。 人間としてやっちゃいけないことをしたわけだからねぇ」


 そう言うカトレアの殺気がさらに高まり、グズマは動けなくなる。

 それからは、カトレアの一方的な流れだった。

 魔法や体術をふんだんに使うカトレアに手も足も出ず、グズマはカレンの元まで吹き飛ばされて気絶した。

 一方でマライアも、間近で筋肉を見せ続けられたショックで、失禁しながら気を失った。


「申し訳ありません、ご協力に感謝します」


「今度はしっかり見張っておくんだぞ」


「は、はいっ!」


 後から駆けつけたセレティア騎士団にグズマ達を引き渡し、カルロスとカトレアの夫婦は『ステークス』へと転移で戻っていった。

 なお、グズマ再々逮捕の件は、『ホーエル』にいるメルルとカトルにも伝わる事になる。


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