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ユリナへの報告と採取依頼

「それじゃ、セイン兄さんはお父さんとお母さんに任せるよ」


「ああ、今度こそ脱走されないようにしておくよ」


「最悪、懲罰用のチョーカーを取り付けておくかも知れないわね」


 カトルの三連攻撃とメルルの拒絶のメッセージによって失禁したまま気絶したセインをカルロスは抱えた。

 カトレアも懲罰用のチョーカーをセインに取り付ける可能性もあると示唆した。


「じゃあ、私達は今回の件を報告するために『クレセント』に行くね」


「分かった。 彼女にもよろしく伝えてくれ。 我々は『ステークス』に戻って再々教育を施していくよ」


「うん。 そっちも兄の教育をお願いね」


 そう言うと、お互いが転移アイテムを使ってそれぞれの目的地……カトルとメルルは『クレセント』、カルロスとカトレアの夫妻は『ステークス』へと転移したのだ。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 そして、場所は『クレセント』の町の町長の館。

 セインの妻のユリナが出迎えてくれ、中に入らせてもらっている。


「そうですか……。 夫が本当に申し訳ない事を……」


「大丈夫なのですか? あそこまで酷いと離婚案件にならないかが心配ですし」


 今回の件で、離婚案件に発展しないかを心配したカトルは、ユリナに尋ねた。


「私は離婚はしませんよ。 何せ私は、当時は夫の専属メイドだったので、彼の性格はその時から知ってますから」


「兄さんに専属メイドが居たことに初めて知ったし、それがユリナ義姉さんだったのも初めて知ったよ」


 ユリナの口から語られた事実は、メルルも知らなかったらしい。


「おそらくは辺境伯が、メルルちゃんやクルルちゃんをなるべく近づけないようにしたんだと思います。 私も配属当時は慣れませんでしたから。 様付け禁止などがあって……」


「あー、それはお父さんのこだわりだね。 基本的に友人や家族として接して欲しいという」


「夫がシスコンを発動する度に辺境伯が鉄拳制裁をしていたのもよく見ました。 私も協力してましたが」


 ユリナは遠い目をしながら、これまでの過去を語る。 カトルはユリナに対して苦労人の印象を持ったようだ。


「夫は統治能力は高いので、シスコンさえ無くせば立派な町長になれますからね。 今は私が代理の町長ですが、夫の事はお義父さん達に任せて、帰りを待ちますよ」


「そうですか……」


「ユリナ義姉さんならできますよ。 兄をずっと見て来たユリナ義姉さんなら」


 ユリナの決意を聞いて、カトルは頷き、メルルは彼女を励ました。


「ありがとうございます。 お二方も『ホーエル』での生活には苦労していると思いますが、頑張ってくださいね」


「クルルがいるから大丈夫ですよ。 でも、ご心配ありがとうございます」


「では、僕達はここで失礼します」


「はい。 いつでも『クレセント』に遊びに来てくださいね」


 カトルとメルルは、ユリアに別れを告げて『クレセント』を出てから転移で『ホーエル』に戻った。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「さて、報告も終わったし、どうしようかな」


「カブの水やりをやってからになるけど、今日の冒険者活動しておく?」


「ああ、一つだけ依頼を受けてみるか。 時間的にも今日は一つが限界だし」


「そうだね。 夜になるまでにひとつ依頼を受けよう」


 カブの世話をしてから、ギルドで一つだけ依頼を引き受けた。

 内容は簡単な採取依頼で、レッドフラワーを20房採取する内容だった。

 なお、鮮度は問わず、ギルドに持ってくることという内容だった。


「レッドフラワーは、北の丘に咲かせているみたいだね」


「あれがそうなのかな?」


 カトルが指をさした先に、赤に染まった場所があった。


「間違いないね。 あそこがレッドフラワーの群生地だよ」


 メルルは、その赤に染まった場所こそがレッドフラワーの群生地だと言った。

 二人がそこに近づき、そのまま20房分採取した。

 鮮度は問わないので、採取自体はすぐに終わった。


「後は、これをギルドに渡せばいいんだね」


「そのようだな。 早くギルドに戻ろう。 夕焼けに差し掛かってる」


「あ、本当だ! 急ごう」


 夕焼けの空を確認した二人は、足早に『ホーエル』の村へと戻っていく。

 夜になる前に無事にギルドにたどり着き、フラワーを渡して依頼を完了した。


「ふぅ、今日は疲れたねー」


「ああ、セイン脱走から始まった慌ただしい日だったなぁ」


「まぁ、兄は両親に任せて、私達は私達でゆっくり生活していこうよ」


「それもそうか。 じゃあ寝るか」


「うん、お休みー」


 今日についての他愛のない会話をしながら、二人は就寝し始める。

 メルルがカトルのベッドで寝ようとするが、今回はカトルは拒まなかった。

 自ら受け入れ、彼女の温もりを感じながら、カトルは目を閉じて眠りについた。


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