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魔王の娘との会話

本日より13時更新となります。

「はい、飲み物どうそ」


「あ、ありがとうございます」


 クルルの家のリビングで魔王の娘のエクレアと、クルルとエクス、そしてメルルとカトルが相対していた。

 エクレアから詳しい事情を聞くためだ。

 エクスから飲み物を差し出されたエクレアは、お礼を述べてからその飲み物を飲む。

 なお、このリビングに来る前にメルルとクルルとエクレアは先にトイレに行っていたようだ。

 そして、まずはクルルが発言をし始める。

 改めて自己紹介をするつもりのようだ。


「それじゃ、改めて自己紹介でも。 私は暫定的な村長であるクルル・ラクレインです」


「僕はその夫のエクス・ラクレイン」


「私は、クルルの姉のメルル・ラクレイン。 で、私の隣がカトル・ラクレインだよ」


「おーい、メルル?」


「いいじゃん。 お父さんからもお母さんからも結婚を許可されてるんだし、堂々とラクレイン姓を名乗っちゃいなよ」


「えっと……、どういう事なのでしょうか?」


 カトルとメルルの自己紹介の時に、カトルがラクレイン姓をメルルが名乗らせた事にカトルがツッコミを入れる様子を見て、エクレアは気になったようで、二人に尋ねた。


「カトル君の生まれはセレティア王国でね。 あそこは貴族以上の身分でしか苗字(ファミリーネーム)を名乗れない仕組みらしいの。 だから、今までのカトル君に苗字(ファミリーネーム)がなかったんだよ」


「そういう事情だったんですね……」


「まぁ、ここの生活が落ち着いたら正式にメルルと結婚する予定だけどね」


「うん、私もそれに同意したからね」


「まぁ、おめでとうございます」


 この『ホーエル』での生活が落ち着いたら、結婚する事をカトルが告げ、メルルも同意したことを受けて、エクレアも謝辞を述べた。

 そういった会話をし終えた後、お話はある話題に移る。


「で、本題なんだけど、エクレアさんとあの猛獣……『ベヒーモス』の関係について説明してほしいのですけど」


「はい。 まず、私と侵略主義の父とはことごとく対立をしています。 私は侵略主義を掲げる父のやり方に不満を感じた魔族の住人の受け皿として頑張っていました」


「この辺りは、私もお父さんから聞いた話だね」


 最初にエクレアから語られた話の内容は、メルルがカルロスから聞いたのとほぼ一致している。

 カトルもエクスも黙ってその話を聞いていた。


「ところが、侵略が上手くいかないという事で父は、その原因として私達穏健派をまず消去する事を決めたのです」


「父親が侵略主義を掲げてる以上、エクレアさんがその障害という扱いになるのは必然か…」


「ええ、流石に私も腹を立てて、防衛部隊を設けました。 父に対し、漠然と対応をするためです」


 魔王がエクレアを障害として穏健派を一掃しようと動いてきた事についても、侵略主義を徹底する以上、必然的な流れになるのをエクスは感じ取っていた。

 当然ながら、エクレアも防衛部隊を設ける事で対処しだしたのだが。


「この流れになったのは、四天王からも二人が私の方についたのも大きかったようです。 侵略主義で固められたはずの幹部から裏切りが出たのですから。 それが父のプライドを傷つけられたのだと思います」


「そうか、四天王といえば魔王直属の親衛隊みたいなものだからね」


「はい」


 そして、エクレアの父である現魔王が、この流れになったきっかけが、四天王の内の二人がエクレアサイドについたことで、怒りを買ったという。

 メルルが言うように、四天王は魔王直属で親衛隊のような存在。

 その内の二人が穏健派の娘についたのだから、現魔王の怒りは相当なものだったのだろう。


「そして、父からの進撃を私が設立した防衛部隊で防いでいる時でした。 父側の幹部がその隙に猛獣を解き放ったのです」


「その猛獣が『ベヒーモス』……」


「そうです。 それに気付いた何人かの防衛部隊が応戦しましたが、倒しきれず人間の町へと入り込んでいきました」


「それで、ベルセリア王都を経由してこの村の付近に出没というわけか」


「そういう事なのです……」


 父とエクレアの防衛部隊が戦っている隙に、現魔王側の幹部が猛獣『ベヒーモス』を解き放った事が原因だったようだ。

 一部の防衛部隊が応戦してなお、倒しきれずにベルセリアへ逃げ込んでしまったというのが真実であったようだ。

 エクレアは、その話をしている間は俯いたままだった。 猛獣『ベヒーモス』を人間の町に入り込ませてしまったのが原因だろう。


「事情は分かりました。 今回の件は誤解がないようにジェフ国王様にも伝えようと思います」


「構いません。 父側の仕業だとしても、防ぎきれなかった私達にも非はありますから…」


「まぁ、人間側も色々アレな面もありますから……」


「え? それはどういう?」


「勇者グズマがカトル君を追い出した事で勇者の資格を剥奪されたからね。 今は勇者がいない状態なんだよ」


「まぁ、そんな事が……。 では、聖剣なしで父を倒す方法もこちらで探しておきます。 見つけ次第、そちらに送りますので、国王様に伝えてもらえないでしょうか」


「分かりました。 エクレアさん自身が安心して国王様と面会できるようにお願いもしておきますね」


 以後はメルルも交えて、勇者が資格を失った件も伝え、聖剣なしでも魔王を倒す方法を探すことでも同意した。

 クルルもエクレア自身が国王と面会できるようにお願いをしていく事を伝えた。

 会談が終わった時はすでに夕焼けの時間帯だった。

 エクレアは、クルル達にお礼を述べて、転移でエクレアの故郷に戻ったようだ。


 こうして、魔王の娘との会談はひとまず終わったのだ。


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