魔王の娘がやって来た!
本日(12月13日)2回目の投稿です。
カトルとメルルが『ホーエル』に移住して、数日経過した。
その間もカブの世話をしながら、冒険者活動をして過ごしていた。
勇者パーティ時代では考えられなかった生活が出来るという事で余裕が生まれ、充実した生活を送っている。
「今日もお疲れ様だね」
「ああ、今回は猛獣退治だったから、少し疲れたかも……」
「その分、報酬も多く貰えたけどね。 久しぶりに本気出したかもね」
今日の二人が受けた依頼は、別の町から襲ってきた猛獣を退治するというもの。
二人は、ひとまずその依頼を受けて現場へ向かったが、その猛獣は思った以上に強かったので、二人は少し本気を出すことになった。
本気になった二人の前に、猛獣はあっと言う間にその命を刈り取られたのだが、その分二人の疲労は溜まったのだ。
なお、その猛獣は王都付近からここまで幾つかの住民を襲っていたとの事だが、並みの冒険者では手に負えなかったのだとか……。
カトルがジェフ国王にこの事を相談した結果が、この猛獣がAAAランクというSランク一歩手前の危険ランクの魔物だったことが発覚、後に王都からも報酬が送られてくるということだった。
「しっかし、あの猛獣がAAAランクだったとはなぁ……」
「うん、Sランクの一歩手前の危険モンスターだったもんね……。 並みの冒険者が手に負えないはずだよ」
「まぁ、国王からの報酬が届くからそれも楽しみにしていようか」
「そうだね。 気持ちも切り替えないといけないよね……って、あれ? クルルの家の前で誰かと話している?」
「本当だ」
気持ちを切り替えようとするカトルとメルルが自宅に戻ってきたその時、隣のクルルの家の玄関前でクルルとエクスがある人物と話をしていた。
話し相手の人物は、少女であり、ロングヘアーで緑の髪色をしており、黒のゴスロリ衣装に身を纏っていた。
「誰だろう? あの黒いゴスロリの衣装の子は?」
「まさか……ね」
「行ってみる?」
「そうだね。 気になるからね」
ある予感が頭をよぎったメルルは、カトルを連れてクルルの元に向かった。
「クルル、その人お客さん?」
「あ、お帰り。 お姉ちゃん、カトルお兄ちゃん」
「お帰りなさい。 猛獣退治、お疲れ様でした」
「ああ、件の猛獣がまさかのAAAランクだったから疲れたよ。 で、そちらの方は?」
カトルがエクスにゴスロリの子が誰かを聞いた時、その少女は猛獣退治と聞いて、食いついてきた。
「あ、あの……! あなたが猛獣の『ベヒーモス』を倒したんですか!?」
「あ、えっと……、魔物の名前は知らないですし猛獣を倒したというだけで、一人で倒したわけじゃないし……」
「うん、私も一緒だったし、倒したのは王都付近から来た猛獣だったからね。確かに猛牛の角が生えたサイみたいな魔物だったけど」
突然、食いつかれて困惑したカトルは、自分が覚えている範囲内で伝えた。
メルルもカトルと同様にそのことを少女に伝える。
一応、猛獣が王都から来たことと猛獣の容姿も伝えたが、その直後に少女から衝撃的な内容を言ってきた。
「ま、間違いありません! それ、『ベヒーモス』です!!」
「「ええっ!?」」
「ま、まさかの事実……!!」
カトルとメルルが倒した猛獣が、『ベヒーモス』であるという事実をゴスロリの少女が口にした事で、二人だけでなく、クルルやエクスも驚いていた。
「あ、す、すみません……。 私、エクレア・ラーネッドと言います」
ゴスロリの少女が、一呼吸して自己紹介をする。
彼女の名を名乗った時にメルルとクルルは何かに気付いたようだが……。
「あれ……? エクレアって確か?」
「うん、確か魔王の娘の名前だったって聞いたような……。 穏健派の筆頭で父である魔王と敵対してるって……」
「はい、その通りです。 私がその魔王の娘なのです」
「「「「ええええっ!!?」」」」
「まさか、魔王の娘がこの村に……!?」
「マジかよ……!!」
ゴスロリ少女もといエクレアがまさかの魔王の娘だった事に四人全員が驚きの声を上げていた。
クルルとメルルは、父のカルロスからある程度聞いてはいたが、その当人がここに来るなんて思わなかったのだろう。
エクスとカトルも開いた口が塞がらないと言わんばかりの表情をしているようだ。
しばらくの時が止まったかのように無言であったが、クルルがようやく口を開いて、こう言った。
「と、とにかく中に入ろう。 色々聞きたいこともあるし……」
「分かりました。 お邪魔いたします」
クルルがエクレアを含む全員をクルルの家の中に案内させる。
エクレアもそれに応じ、お邪魔することになった。
(まさか、魔王の娘と出会う事になるなんてなぁ……。 何がどうなっているのやら)
カトルは、エクレアのその後姿を見て心の中でそう思いながら、クルルの家でエクレアの話を聞くことにしたのだった。
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