再会したメルルの友人はアイドルでした
「さぁ、着いた! 拡張改築されたよろず屋さんだよ」
「規模が大きいな。 まるでスーパーマーケットだ……」
「ああ、セレティア王国にはそういうカテゴリーの店があったねぇ」
メルルにエスコートされたまま、改築されたよろず屋に着いたカトルが、その外観を見ての感想を言った。
メルルもセレティアにあった事を思い出していた。
「開店直後だからか、人が多いな」
「多分、セールでもやってるんじゃないかな?」
「入ってみるか?」
「うん、もちろんだよ!」
カトルの腕を組んだまま、メルルも一緒に規模が大きくなったよろず屋に入る。
入り口から人がひしめいているので、入るにも時間が掛かった。
「やっと入れた……。 これ、食料品のセールじゃないな?」
「みたいだね……。 何のセールだろ?」
なんとか入れた二人は、食料品売り場がまだ閑散としている所からして別の所でセールをしているのではと睨んでいた。
そんな時に歓声が聞こえた。
「うわっ!?」
「ひょっとして、誰か大物が開拓中の『ホーエル』に来たって事!?」
入り口に佇むカトルとメルルにも聞こえるくらいの大きな歓声。
メルルは大物が『ホーエル』に来たのではと予測した。
「行ってみるか?」
「うん……、少し怖いけど行ってみよう。 おそらくあっちだね」
少し恐怖を感じながらも、メルルは歓声がした方向を予測して、その場所にゆっくり向かって行く。
しばらく進むと、看板が置かれていたのでそれを見る。
「『マジカルアイドル・ピュアキュア』?」
「魔法少女風の四人組のアイドルユニットだね。 ベルセリア国内だけでなくセレティアや『ノクターン魔法国』でも有名なんだよ。 大方お父さんがジェフ国王経由でここに呼んだんだろうね」
「なら、あの行列はアイドルイベントの為の奴か。 どうりで男性の比率が多かったわけだ」
今回の人だかりがアイドルイベントの為の行列であることを知ったカトルとメルル。
特にカトルは、行列の比率が男性の方が多かった事を思い出していた。
「『マジカルアイドル・ピュアキュア』は男性に人気のアイドルだからね。 流石にここは撤退するしかないかも」
「だな。 巻き添えは流石に御免こうむりたいからな」
「あれ? メルル?」
「……え?」
どこからかメルルを呼ぶ少女の声が聞こえた。 メルルはその声がした方向に顔を向けた。
「シエラ!?」
「やっぱりメルルだー。 久しぶりー」
「知り合いか?」
「うん、私が勇者パーティに呼ばれるまでは友達関係だった子なんだよ」
「どーも、シエラ・マルクと言います。 よろしくお願いしますね」
「カトルです、こちらこそ」
メルルの友人というシエラという少女と出会った二人。
メルルにとっては再会なのだが。
シエラがカトルに自己紹介をし、カトルもそれに応じた。
その時にカトルは、シエラが魔法少女のような衣装を着ているのに気付いた。
「そういえば、その魔法少女っぽい衣装は……?」
「あー、私ね、アイドルやってるんだよー」
「え、まさかあの『マジカルアイドル・ピュアキュア』の一人になったの!?」
「うん、前の人が脱退した際にスカウトされてね。 その人の後釜として入ったんだよー」
「なんと……」
再会したメルルの友人のシエラは、なんとあの有名な『マジカルアイドル・ピュアキュア』の一員として活動していたのだ。
今までと違った一面がファンに受けたらしく、イベントの回数も多くなっているらしい。
「まさか、アイドルやってたなんて……ビックリだよ」
「私もだよー。 トイレ済ませた後でメルルに再会するんだもん。 あ、そろそろイベント後半が始まるからまたねー」
「うん、頑張ってね」
元気よく手を振りながら、シエラはイベント会場へ戻っていく。
メルルも突然の再会に驚きつつも笑顔でシエラを見送った。
「メルルの友達がアイドルとはなぁ」
「私もびっくりしたからね。 でも、頑張ってるみたいだし、いいんじゃないかな?」
「それもそうだな。 で、どうする?」
「雑貨エリアへ行って、そこで買い物しようか」
「分かった。 と言っても僕は欲しいものがないけどね」
そんな他愛のない話をしながら、カトルとメルルは雑貨エリアへ行く事にした。
そこでアクセサリーやリストバンドを購入したが、それらは全て能力向上効果が付与されていたのだそうだ。
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