カブの種植え、そして…
森のデートからはや三週間が経過した。
ようやくカブの種が植えられる時期が来たのだ。
冒険者活動をしながら、カブの種を植えるために色々な事をやっていたのだ。
「しっかし、カブの種を植えるのにこんな手間がかかるなんてなぁ」
「仕方がないのかもね。 こういう手間を掛けてようやくカブを栽培できるわけだから」
「ま、だからこそやり甲斐があるけどな」
最初にやったのは、苦土石灰を撒いて耕すことだった。
それから一週間後に化成肥料や堆肥を撒いてさらに耕して、そこから二週間後にようやく種が撒けるのだ。
今回の場合は地植えなので、畝のサイズも気を使わないといけないのだが。
カトルとメルルは、場所を分担して各場所にカブの種を撒いた。
「この後も結構気を使わないといけないんだっけか?」
「うん。 クルル曰くたっぷりと水をあげて土が乾燥しないように気を付けないとだめみたい。 あと、間引きも必要なんだって」
そう言いながら、メルルは【ウォーターレイン】を唱えて植えた畑に水を撒いた。
そんな中でカトルは気になる事を聞いた。
「間引きって……?」
「発育のいいのを残して、株間を一定の幅になるようにする事で、カブの場合は3回やる必要があるんだよ、カトルお兄ちゃん」
「あれ、クルル?」
「やっほー、おはよう。 早速やってるねー」
隣の家からクルルがこっちにやって来た。
どうやらカブの種が植えられるようになったので、その様子を見に来たのだろう。
その過程でさっきの間引きについての説明をした。
「間引きって、さっき言ったような事を言うのか?」
「そうだよ。 カブがしっかりした形で栽培できるようになるために必要なやり方だからね。 特に今回は地植えだしね」
「ちなみに目処は?」
「1回目が本葉が1~2枚になったら株間を3センチ、、2回目には本葉5~6枚で株間6、7センチ程度、3回目が根の直径が1~2センチになったら10~12センチの株間に……だね」
「そこまでやるのか……、奥深いな……」
「あと、2回目の間引きの時に肥料を追加したほうがいいかな? 指で表面とほぐすようにしてから株元に土を寄せるのも忘れなうようにね」
「ありがとう。 そこまで教えてくれたらなんとかやっていけるかもね」
クルルの詳しい説明を理解したメルルは、お礼を言った。
カトルも無言ながら頭を下げていた。
「いいよ、いいよ。 お姉ちゃん達の新生活を手助けするためならわかる範囲で教えられるから。 じゃあ、私は別の用事があるから行くね」
「うん、いってらっしゃーい」
メルルがクルルを見送ると、カトルに視線を向けてこう言った。
「水もあげたし、一息ついでにギルドで新しい依頼が無いかを見にいこうよ」
「そうだな。 採取依頼もあるか見てこよう」
カトルも同じことを考えていたようだ。 なので、二人は一緒に総合ギルドへと足を運んで行った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「今日はこれでいこうか」
「そうだな。 採取依頼はすでに取られてるけど、この中ではゴートドン討伐が手ごろだろうし」
ギルドにやって来たメルルとカトルは、採取依頼はすでになかったが、討伐依頼の中では手ごろだと睨んだゴートドンの討伐依頼を受ける事にした。
受付嬢に依頼状を持っていき、これを受ける旨を伝えると、依頼状を持って現場へ行く。
「現場は……『ホーエル』から西の農場だね」
「ゴートドンって、農場を荒らすのか?」
「元々大人しい方だけど、中には気性の荒い個体がいるみたい。 今回はまさに気性の荒い個体が5匹、農場にいるみたい」
「なるほどね。 ならば狩っておいたほうがいいな。 早く現場へ急ごう」
「うん、農場が余計に被害を受けないためにもね」
農場の被害の拡大をなるべく防ぐために、メルルとカトルは現場へと急行した。
そして、現場にてゴートドン5匹をメルルの【サンダー】の魔法とカトルの剣技によっていとも簡単に全滅してのけた。
ついでにその死骸から毛の部分のみ刈り取って火葬した。
「いやー、助かったよ。 ハンコ押すからこれを受付嬢に渡してくれ」
依頼主の農場の人から、完了の証のハンコを押してもらい、それをギルドの受付嬢に渡して報酬を受け取った。
今回は3000ゴールドと取れたての果物セットだった。
「今日は果物セット貰ったから、夕食は果物関連かな?」
「肉も貰ってるから、肉料理もしたほうがいいな」
「そうだね……って、あれは?」
報酬を貰って今日の夕食について話し合っている時に、人だかりを見つけた。
駆けつけると、掲示板に人が群がっているようだった。
「何があったんですか?」
「ああ、カトル君にメルルちゃん。 ついさっき最新ニュースがここに貼られてね」
「最新ニュース?」
メルルが住民に話しかけると、最新ニュースが貼られていたことを教えられた。
だが、それにしては人が多すぎる。
その理由も他の住民の口から発せられた。
「実は、勇者の資格を剥奪されたグズマとその仲間たちが脱獄したみたいなの」
「「ええっ!?」」
グズマ達の脱獄。
その事を聞いたメルルとカトルは衝撃を受けた。
「といっても、脱獄期間は長くなかったみたい。 夜間警備に入っていた騎士団の一部隊が補足して即捕まったらしいけどね」
「ほっ、よかったぁ」
他の住民からその続きの内容を聞いて安堵したようだ。
(でも、あの警備態勢でどうやって脱獄したんだ?)
その中で、カトルはどうやって脱獄できたのかを疑問に感じていた。
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