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買い物と南の森のデート

「カブの種は、これくらいでいいね。 あと、農具も買ったし、王都での買い物はこれくらいかな?」


「いいんじゃないかな? 後は『ホーエル』のよろず屋で事足りるし」


 最初の依頼を完遂した翌日、カトルとメルルは王都『ジョンストン』で農具とカブの種を買いに行っていた。 移動は転移でだが。

 何故、『クレセント』の町で買わないのかと言うと、現在の町長でメルルの兄であるセインが、重度のシスコンであり、最初に訪れた際にセインに襲撃されたからだ。

 この時は、カトルが冷静に対処したが、実はその前のクルルとエクスの時にもエクスに襲撃し、クルルに返り討ちにされている。

 これがあったため、現在はカルロスとカトレアによる再教育が施されている最中なのだが、どうもシスコン補正と言う名のご都合主義が、それを無に帰しているような気がしているのだとか。


「しかし、あの兄のシスコンには参るよ。 あれはお父さんとお母さんが再教育をしても治らないんじゃないかな?」


「もし、そうだったらホントに離婚に踏み切りそうだな、ユリナさんは」


「そうだろうね。 何度か止めようとしたけどダメだったみたいだし、カトル君を襲った時が限界だったんじゃないかな」


 カトルとメルルが改めてセインの件について話をする。

 セインのシスコンの度合いは、一つのご都合主義を振りまくほどにまでなっており、再教育をしても治らないのではとメルルが言う。

 そこにカトルが離婚案件になる可能性を示唆していた。

 メルルもそれを否定しなかったのは、カトル襲撃の時のユリアの表情から察していたようだった。


「まぁ、とにかく農具などの荷物を先に『ホーエル』の私達の家に置いていこうよ」


 そう言ってメルルは転移魔法で、『ホーエル』の自宅に転移し、購入した農具とカブの種を置いて再び外に出た。


「よろず屋に買い物に行く前に、南の森の入り口付近まで行こうよ」


「ここから南は森なのか?」


「そうだよ。 私もクルルから教えられて知ったけどね。 奥には行かずにちょっとした散歩デートでもしよううよ」


「いいな、それで行こう」


「やったぁ♪」


 メルルが嬉しそうに腕を組みながら、カトルと共に南へと向かう。 少し歩くとそこは森が広がっていた。


「ホントに森が広がってるな」


「クルルから聞いた所、この森のやや奥にキノコ系が採れるみたいだよ」


「キノコか。 毒キノコじゃないよな?」


「この森で採れるキノコには毒は入ってないよ。 むしろ食用として有効利用できるらしいよ」


「マジか……」


「私も少し疑ったけどね」


 クルルから聞いたというメルルの話では、南の森のやや奥にはキノコが採れるという。

 カトルが懸念している毒キノコではなく、食用として使えるキノコらしい。

 そこら辺りはメルルも疑ってはいたが。

 そんな会話をしながら、二人は少し奥へと進む。


「この辺りは魔物は出ないのか」


「ゴブリン辺りは出ないんじゃないかな? 出るとしたら……」


 メルルが言いかけた時、ブーンと言う音が聞こえ、その音が段々大きくなっていく。


「キラービーだ! すばしっこいから刺されないように気を付けてね!」


 現れたのはキラービーと言う大型蜂の魔物。

 尻にある針に毒はない。


「ちっ、確かにすばしっこい! 剣がなかなか当たらないぞ!!」


「待ってて、魔法で駆逐するから少しヘイトを稼いで!」


「分かった。 早くしてくれよ!」


 すばしっこいキラービー相手になかなか攻撃を当てる事が出来ないカトル。

 やや焦りだした所でメルルが魔法で駆逐することにしたという。

 カトルがキラービーをおびき寄せている間に、メルルの詠唱は完了した。


「行くよ! 【エアカッター】!!」


 メルルが唱えたと同時に複数の風の刃が発生。

 それは多数のキラービーを切り刻み、そのまま絶命させていた。


「すごいな…」


 カトルはそれを見て、改めてメルルのすごさを思い知った形となったようだ。


「ふぅ、終わった。 しかし、とんだデートだね。 虫に襲撃されるなんて」


「まぁ、森の中だからだろうけど……」


「そうだね。 植物系の魔物でなくてよかったと思う事にするよ」


「その方がいいかもな」


 デートの途中で、キラービーに襲撃された事でメルルの機嫌は悪くなりかけるが、植物系の魔物に襲われてないだけ良しとするように切り替えた。


「さ、デートの続きでもしようか♪」


 メルルが再びカトルの腕を組んで、ウキウキした様子で森の散歩に勤しんだ。


(ま、僕もメルルと一緒にいると楽しいからな……)


 カトルの方も満更じゃない様子で、メルルの温もりを感じつつデートを楽しんでいた。


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