表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/78

幕間~その頃のセレティア王国とグズマ

本日(12月9日)の2回目の投稿です。

「国王!! これはどういう事なんですか!!」

 

「む……?」


 セレティア王城の王の間で、宰相と今後についてやり取りをしている最中に、兵士の制止を振り切って殴り込みをかけて来た貴族の人間が現れた。


「五月蠅いぞ、グレゴリー伯爵。 許可も取らずに入って来るとはな」


「何故、私の息子が投獄されねばならんのですか!」


 殴り込みをかけて来たのは、グズマの父のグレゴリー伯爵だった。

 この男は息子のグズマを溺愛していたので、今回の処分にも不満があったのだろう。

 そんな自分勝手な性質を持つグレゴリー親子に国王は頭を痛めていた。


「グズマは勇者の資格を持たない人物だっただけでなく、自ら聖剣の資格を捨てた。 過去の振る舞いからしても勇者の資格を持つにふさわしくないと判断し、女神さまとの相談の結果、剥奪と過去の罪状から投獄処分に処したまでよ」


「息子は悪くない! 悪いのは息子が追放した男と魔法使いの女だろう! 今すぐ撤回してもらいたい!!」


「いい加減にせんかぁっ!!」


 息子可愛さに、かつメルルとカトルのせいにした上でグズマの処分撤回を求めたグレゴリー伯爵に、国王が怒りの声を上げた。

 その怒気は王の間全体に響き渡り、伯爵は尻餅をついた。


「その追放した少年だけでなく、ベルセリア王国にも被害を与えておいて、罪状の撤回とか……よくそんな事が言えたものだなぁ? こちらにはすでにその証拠もあがってるのだがなぁ、グレゴリー?」


「で、ですがそれはベルセリアが息子に害を与えたからであって、ああなって然るべきでしょう!」


 だが、すぐに立ち上がった伯爵も即座に反論をする。 だが、グズマに害を与えたというが、その証拠はない。

 むしろ、ベルセリアからグズマに関する苦情を聞いていたので、伯爵の反論はただの妄想でしかない。

 国王はより怒気を高め、こう返した。


「ほぉ……、ポーションの輸入価格を吊り上げて、ベルセリア王国を財政破綻をさせる事がか?」


「そうです! 価格はグズマの為にあるものです!!」


「全く…。 話にならんな……。 宰相、こやつは処刑場へ連れて行け。 そして、斬首刑に処するようにな」


「承知しました。 兵士たちよ、この男を処刑場へ」

 

「ははっ!」


「国王!!」


 余りにも自分勝手すぎる内容に、国王は早々に話を切り上げ、宰相に処刑場へと連れて行かせるように命じた。

 直後、兵士がグレゴリー伯爵の周りに集まり、そのまま拘束をした。


「離せ、離すのだ! 私も息子も悪くない、悪くないのだぁぁ!」


「うるさいぞ! お前はそのまま処刑になるのだからな」


「離せぇぇぇぇっ!!」


 兵士数人がかりで、グレゴリー伯爵は処刑場に連れて行かれた。 そして、そのまま斬首刑に処されたようだ。

 いまや犯罪者となった息子を庇ったという事で、即座に重罪の扱いになったのだから。


「この親にしてこの息子あり……か。 頭が痛いなぁ」


 王の間にて、一人になった国王はグレゴリー親子の横暴さに頭を抱えながら、独り言ちていた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「くそ、俺様がなんで牢屋に……!」


 グズマは、牢屋の中で一人怒りに満ちていた。

 女神によって勇者に選ばれたが、同じく女神によって連れて行くように命ぜられたカトルを追放したことで、勇者としてふさわしくない者と女神にも判定され、セレティア国王との相談の末に剥奪をされた。

 その後は過去の罪によって投獄させられたのだ。

 なお、勇者パーティの二人の女性は、それぞれ別の牢屋に入っている。

 トイレがないうえ、見張りの兵士が常に交代しながら居続けるので、兵士に見られながら壁際に用を足すという羞恥にまみれた事態になっているという。


「おい! いい加減にここから出せよ! 俺様を誰だと思ってるんだ!」


「ふん、犯罪者ごときが良く吠える。 自分の立場も分かっていないようだな」


「はっ、今に見てろよ。 親父が必ず助けてくれるからな!」


「残念だが、それは不可能だな」


「何……!?」


グズマは父親によって助けてくれると公言したが、兵士が不可能と断じた。

 それを聞いて驚くグズマ。

 それをよそに兵士は話を続ける。


「先ほど、貴様の父のグレゴリー伯爵が斬首刑に処されたからな。 ついでにグレゴリー家の財産も没収された」


「な、なん……だって……?」


 見張りの兵士からグズマの父のグレゴリー伯爵に関する事実を聞いたグズマは、衝撃を受けていた。

 斬首刑に処されただけでなく、家の財産も募集されたとのこと。

 それを聞いたグズマはショックのあまりへたりこんでしまった。


「なので、貴様を助けてくれる者は、いないと思え」


「うそだ……うそだ……」


 兵士から告げられた非情な事実を受け入れられないグズマは、暫くの間は『うそだ……うそだ……』と嘆き続けていた。


 

作者のモチベーションの維持に繋がりますので、よろしければ、広告の下の評価(【☆☆☆☆☆】のところ)に星を付けるか、ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ