会議に呼ばれました。
早朝お会いした際に、騎士長さんが仰っていた会議に、どうやら私も出席する様です…
出勤早々に、情報部から出向されてるマイヤさんからそう伝えられまして、
今、馬車に乗っています…
情報部から出向の三名と、何故か王様も一緒です。
そう言えば…王城内部では、王様は馬車か徒歩が多いとは聞いていましたね。
で…その王様が突然声をあげまして…
『おい、馬車を停めろ!』…っと。
ですが、停まるよりも早く、ドアも開けずに王様はスタスタと、早足で細い路地に入って行ってしまいました…
慌てて私も扉を開け、急いで王様を追いかけ…
…あ、出て来た。
王様は大きな男の襟首を摑み、ズルズルと引きずりながら出て来られました。
大通りに出ると、指笛を鳴らし、
ピイイイイイイ…
直ぐに近くの警備隊がすごい勢いで駆けつけて来ました。
『おい?お前らこんなデブを見逃したのか?コイツだろ、最近うろついてるっていう、手癖の悪いよそ者は?』
「ハッ、その通りで御座います…」
『コイツ…かなりこそこそすんのが得意っぽいが、これを見逃すとは笑止。お前ら…今月の給金、二割カットな?』
「ぐううう…申し訳…ございません…」
『良しおめえらに、名誉挽回のチャンスをやる…詳しく徹底的に調べ上げろ、良いな?』
「「御意っ!」」
王様によると、どこかに秘密の抜け穴か何かが有る、掘られた可能性かも…だと。
で、再び馬車かと思いきや、何故か馬車とは反対の方向に?
『ん?…まあ…ついでだ、ついで』
王様が向かったのはすぐ近くの屋台でした。
『おう、あるだけ全部くれ』
「これはこれは、毎度ご贔屓に、ありがとうございます、今…三十程御座いますから…」
王様は金貨を取り出し、店の男に渡した。
『釣りは要らねえ…次も頼むぜ?』そう言って…
大きな包みを私に差し出す王様…
あ、はい、持ちます、持ちます。
馬車に戻ると、私には情報部の取り調べが…
王様に聞かずに?まあ、良いんですけどね。
どうやら、少し前から噂になってた案件だったそうで…
何か、どうもこちらの監視の目をかいくぐる方法が有るようで…
流石に重要な場所にはミュー様の子供が配備されてますから、絶対に大丈夫なんでしょうが、
この辺りはそこと比べれば広いし、多少警備が緩いと言わざるを得ず、これは今後要改善ですね…
「しかし、コイツも相当運がないな…よりによって我が王の目に留まるとは…」
情報部の方がそう言って苦笑いしながら王様を見ると、
『おい?こんなのお前らの仕事だぞ?お前らも、給金カット二割な…』
「え?…そんなごむたいな…」
『なんだ、不服なら三割にするか?』
「み、御心のままに…」
目的地は王城の地下かと思って居ましたが…
馬車は王城では無く、外壁区の、議事堂へ向かっている様です。
王様はじっと、外を見ていますね。きっとここを知り尽くしていらっしゃるから、すぐに違和感に気付かれるのでしょうね。
そして時々、街角に立ってる人と、アイコンタクトや、ハンドサインをしていますが、
そう、それはきっと、白組の方なんでしょうね。
今度私もハンドサインを教えていただこうかな…
そして議事堂へ到着したました。
馬車を降りて、皆でぞろぞろと移動です。
公式にお仕事でここに入るのは実は初めてだったりして、ちょっと緊張しますね。
大会議室ですか…やっぱり緊張します…
大勢の方が…恐らく二十数名…くらいはいらっしゃいましたが、
王様が入場されるや否や、
皆さん一斉に膝をつかれます。
勿論、私も続きますよ、流石にもう、この動きにも慣れました。
もう決して、他より遅れたりなんて、絶対にしませんことよ、オホホホホ…
『おう、ご苦労さんっ、楽にしてくれ!』
王様のお声と共に、一斉に皆さんが立ち上がります。
いつもこの一連の流れを見ると、
うちの王様って、改めて本物の王様なんだと、強く実感しますね。
まあ、完全に不敬ですけど…
どうやら既に会議は始まっていて、手元に資料が回って来ました…
どれどれ…
えーっと…幾つか議題が有りますが、
アーラント復興の、こちら帝国国民への負担やなんかの説明や、
今後の支援なんかを、政治家サイドでは無く、一般や商人、或いは農業従事者との話し合いのようです。
なる程…復興担当者ですものね、私。
あ、もう元、復興担当者だった…
皆さんの意見…それぞれの代表さんのようですが、
概ね、どこも不満は出ていない様ですね…
困ったときはお互い様だと…
この余裕?…きっと他国じゃ貴族なんかがゴチャゴチャと難癖つけて、一般人や商人から無駄に出金させたりするんでしょうが、
ここでは寧ろ、王様、うちはもっと出せますよ?…みたいな、
ちょっとよその国では考えられない、かなり異質な空気です。
そして、ちょっと落ち着いたのを見計らって…王様が私を見て、手のひらをうえに、ズンッと差し出す素振りをしてますが?
え?
ああ、これですか?はいはい、忘れてましたが…すぐにお配り致しますね。
王様がお買い上げされたの、たい焼きって言うそうです。
名前がたこ焼きみたいですが、全然違います。
魚の形だったので、きっとしょっぱいのかと思いきや、これ、甘いんだ…
そして、美味しい。
『でな?あのオヤジ、実は俺が来るって計算してやがったんだぜ?しかも数もちゃんと調べてやがんのよ?』
ええ?そうなんですか?
『そうなんだ、賭けだったが、今回はオヤジの勝ちだったな…』
へえ〜、凄いな、まるで勝負師ですね?
美味しいたい焼きを頂いたあと、もうちょいだけ会議は続き、
幾つかの議題が残り、後日もう一度って話でお開きとなりましたが…
何故か商人さんだけが残ってる…
そして、さっきの方たちと入れ替わりで、別の多くの商人さんが入って来られました。
あの…グリフォン像のお店の方も居られます。
どうやらココから二回戦の様ですね。
皆様…なにか色々とお荷物をお持ちですね…
そして恒例の?
まずは膝をついての最敬礼…からの、『お疲れ、楽にしてくれ…』の、流れです。
そして、会議が始まリました。




