おかえりなさい 前編
久々の通常業務?
我が家から十七歩の、私の職場へと出勤しました。
当然、報告と報告書を作成します。
今回は特に、登場人物が多かったので、当然文章も膨大になっていきますね。
ズーラー将軍、カイ将軍、エストラーダ国王、国王付きのマルカス大臣、
あと他にも大勢…
そして王様ですが、ここにはご不在です。
ヘンリエッタ様曰く、報告が多く、面倒なので逃げたわねと…
多分…いえ、間違い無くそれが正解だと、私も思いますね。
またもや?パージされたっぽいですね、私。
特に?
敵の軍艦を殲滅したくだりに、情報部の方々が凄く食いついてきますね。
ズーラー将軍のブレスだと…軍艦の秘密も何も燃えちまうがなって、王様がそう仰ってまして…
確か…八隻くらいの軍艦が、王様の力で急に、フワフワと空高く舞い上がって…
で、落下しました。
文字に起こすとたったこれだけなのですが、
実際、目の前で起こったそれは、相当に現実離れしてました。
凄い音と波でしたよ。
パッと見?舟に大きな損傷は無さそうに見えましたが、
恐らく…搭乗員は無事では済まないでしょうね。きっと船内は恐ろし状態じゃ無いかと…見てませんし、見たくないです。
なにせここの外壁の一番上より高いところから…文字通り、落ちたわけですからね…
普通…命が有るとは思えませんね。
実際、その後一切、敵の軍艦は動きませんでしたから。推して知るべきかと…
そして、この報告書ですが…矢でも砲弾でもなく、
舟そのものを、ただ上から落としましたって…
そんな文章じゃ、絶対の誰にも、理解出来ませんが?良いのでしょうか?
別に…あ、王様は確かに空に浮いていましたけど、特に身体が光ったとか、炎に包まれていたとか…全く無いです。
空中でも王様には、大きな動きも特に…有りませんでしたし…
ある意味?御伽噺や神話の様な事が起きていた割には…
至って地味?…でしたね、はい。
ですがそれ以外、書きようも無いのですけどね…
あ、そうそう、そういえば?
一見無事かと思ってた軍艦ですが、
舟の背骨に当たる骨格の真ん中…敵の軍艦は、これが全てへし折れてたそうです。
多分、王様の狙いがそもそもそこだったのでは?っと、
エストラーダ様が仰ってましたね。
そして、人間同様に、そこがだめだと舟はもう航行不可、つまり死ぬんだと、そう大臣さんから聞きましたね。
乗組員が仮に無事でも、舟は決してもう動かせないと…
兵装の回収などは、カイ様らがご担当されてましたね。
ワイバーン隊とグリフォンさんも大活躍でしたね。
航空母艦の戦闘って…今回初めて見聞きしましたが、こちらは凄かったですね…
凄いと…私の様な素人では、こんな安っぽい言葉しか出てきませんが…
とにかく、ホントに凄かったですよ。
敵の方からは、まるで羽根の生えた絶望が飛んでくるように見えるぞって、
カイ様が仰ってましたね。例え一頭でも大変なのに…次から次へ数十頭も飛んできたら…そりゃ絶望するのも頷けますね。
「ああ…だって、タニンもポチ子に、随分とひどい目に合わされたものね…」
あ、確かにそんなお話でした…
まあ…そもそもあの、神獣グリフォンですからね…?
特に?ここのグリフォン、ジョン様の血統は、全てがかなりの強さだとか?
野生のグリフォンじゃ、どれだけ束になっても、全く勝てやしないのだそうですよ?
特に、魔法を使って、常に有利に行う戦闘は、
ここのグリフォンだけの特徴だそうで、
野生のグリフォンには、そもそも持ち得ないはずの特徴なんだとか…
あ、それもなぜか?マルカス大臣さんから聞きましたね。
そうだ…空母から飛んできたら、
高所から、王様の近くまで降りてきて、先頭のグリフォンがわざわざ王様に挨拶してましたよ?
王様が、そのグリフォン達の群れの、絶対の頂点だからだって聞きました。
「先頭の子は…万次郎でしょ?あの子も王様が大好き派だからねえ…」ヘンリエッタ様が笑ってらっしゃいます。
グリフォンの子は、大きく二つに分類されてて、
王様をただひたすら崇拝し、神と崇めてる組と、
ただひたすらに大好きな組…大きくその二つに分かれるそうですね。
どちらがどうと云う事も無いのですが、
ジョン様の血が濃い子は大好き派で、
ポチ子様の血が濃い子は崇拝派だそうです。
つまり?赤毛の有る子は大抵、崇拝派だと…
特にポチ子様は、王様以外は、絶対に自身に触れる事さえ許さないとか、聞きますね。
そんなお話で盛り上がってた事務所…執務室でしたが…
おや、急の来客の様ですね。
…!
な、なんと!
ソフィア様を筆頭に、シャイナ様とマゼラン様、
私の戦友が、無事帝国へと帰還したのでした。
わざわざ挨拶しにお越し下さったなんて、感激です。
すぐ様、私熱い抱擁を…あれ?なんか硬いですけど?!…って?
ソフィア様の背には、何故か御神器?
ドラゴンこわし(※レプリカ)が装備されてました…
…え~~っとですね?
折角の再会に水を差すようで…アレですけど…
こんな事を私も…言いたくは無いですが…
そのーーー、女性の?
貴族の御息女の持ち物としてはそちら、一体どうなのでしょうかね?
おっと?
しかもよく見れば、全員装備済みですね?
あ…ひょっとして?王様がいらっしゃって居られるとお考えになって…敢えて?
あ…図星ですか。なる程。
でも残念な事に、我等の王様は今、絶賛逃走中ですよ…
あらあら?
ヘンリエッタ様が大爆笑ですね?
「駄目よあなたたち?うちの王様はね、そういうの苦手だから…寧ろ、そんなの見たら、さっさと逃げちゃうわよ?」
「え!?ほ、本当ですか?…エルドン騎士長がそうしなさい、っと…絶対に王様は喜ぶからと…」
ああ…罠ですよそれ。絶対に騎士長のイタズラだと思います。ソフィア様、担がれたのです…
「もう、エルドンの差し金だったのね?あの子もあとで叱っておかないと…」
その後何故か?
ヘンリエッタ様の命令で?
おかえりなさいの意味と、エルドン騎士長の謝罪を兼ねて?
皆で御食事に向かうことになりましたとさ。




