首都 アッザン
トールトメラ、ここは大きな島一つが、そのまま国になってます。
海路の中継地点であり、補給基地で有り、
東西南北、どちらへ向かうにも丁度良い場所で、
そりゃ文字通り、ここが欲しいって国は、枚挙にいとまがないですね…
ここトールトメラの国王様は、
実はまだ、随分とお若いそうなのですが、
かつて、向こうからわざわざ、帝国まで脚を運ばれて、
帝国との同盟の申し入れを、なんと御本人が自ら直接行なったという、
そんなお方なのだそうです。
お父様から正しく、儀式をもって王位を継いだ訳では無く、
当時の王様が、突如病死され…
急遽、王位を継いだのだそうです。
当然ですが、当時まだ十三歳だった若い王様は、
全ての貴族から王の毒殺を疑われたり、故にその正統性を問われたり、
色々と無碍な扱いを受けられたのだそうです。
更には、王位の簒奪を目論む悪い貴族に命を狙われ、
命からがら、帝国へとやって来たのだと。
どのような条件でも呑みます、なのでこの弱き私に力をお貸しくださいっと、
うちの王様に頭を下げたんだそうですね…
まあ…王様は嘘とか悪意が見えますからね。
すぐに『いいぜ』って、お返事されたそうです。
で、
すぐにトールトメラの貴族相手に、片っ端から大喧嘩をして、
悪意の有る貴族は全て、うちの王様の手によって解体されたそうです…
勿論、トールトメラ王の認証済みですよ。
多分…ですが、
特殊作戦群の、内緒のお仕事なんかも、有ったのでしょうね…
それ以降、うちとトールトメラは非常に強い絆で結ばれています。
何故か?シャダ商会を筆頭に、商会連合も大層、依怙贔屓されてるそうです。
…まあ…うちの王様のお力…でしょうね。
ここの港に、治外法権の、立派な帝国の軍港が在るのも…
いえ、それ以前に?
そのトールトメラ王の帝国訪問こそが、
我が帝国に、正式な海軍が設立されるキッカケとなったと、
我が帝国史にも、しっかり刻まれていましたね。
その…若き偉大なる王の呼び声も高い、
エストラーダ国王の御前に御招待頂いて、
王様と一緒に、首都 アッザンの大きなお城にやって来ました。
うちの王城は、王様のご意向で、敢えてそんなに大きくは無いのですが、
ここは歴史もあって、大層大きくて、豪華で立派です。
門番の衛兵は、うちの王様の顔をみた途端、
すぐ様膝をついて、美しい最敬礼をして下さっております…
ちなみに、うちの王様、この国では、救国の英雄と呼ばれています。
国のアチコチには、似顔絵が出回って居るそうで、
帝国にいる時とはうってかわり?
街中からお声が掛かってますし、
すぐに人だかりが出来てしまうのですよ。
いつもなら?さっさと逃げると思うのですが、
同盟時の約束で、
軍港の治外法権を認めるから、
その代わりに、ここでうちの王様を、深く崇めさせろと…
そんな条件をつけられたそうです…
その条件、三人の大臣が、王様に内緒で認めちゃったそうで…
ウソみたいに聞こえますが…
王様は皆から逃げたら、ここの軍港が没収…なんだそうです…
『グヌヌヌヌ…エッタさんに、まんまと嵌められたんだよ…クソがっ…』
ふと、私にもヘンリエッタ様の…悪い笑顔が浮かびました。
衛兵さんに案内され…王の間へとやって来…
明らかに王様って感じの方が、走ってこちらに来られて、最敬礼ですね…
お部屋にいらっしゃる全員も、最敬礼ですね…
わ、私…どうしよ?完全に浮いてますが…
『もうそれぐらいで勘弁してくれ…』
困り顔の王様が、トールトメラ王の手を引き、起こしてながら笑ってます。
「今回、急にお呼び立てして、大変申し訳御座いませんでした、師匠…」
し、師匠???
「今回の敵側…かなり強い水軍の様な連中でして…いきなりこちらの拠点を、まんまと奪われてしまいまして…」
『ほお…あのケルテス港をか?なる程、強い上に手際も良いって感じか?』
こちらの防衛が為難い場所を、敢えて狙って、一気に攻め落とした様ですね…
つまり向こうには、かなり優秀な策士、軍師が居ると…
「はい、それ以上に、事態が悪化し過ぎる前に、速やかに応援をお願いした次第です…」
『いや…いい判断だった。大きく破壊されたのも、一箇所程度だったし、復興も早いだろう…』
「おや?…そちらのお嬢様は、はじめまして…ですよね?」
あ、え、すいません、ご挨拶が遅れまして、私、王様のお手伝いをさせて頂いております、エトランと申します。以後、お見知り置き下さいませ…
「私はエストラーダ、我が師、帝国王の一番弟子である…」
『いや…弟子にした覚えは無いんだが?』
「絶対に、一番弟子です、一番弟子なのですよ…」
『お、おう…』
かつて、お助けして以降、
エストラーダ様はうちの王様を師匠と仰ぎ、その手腕や国造り、運営なんかを、そっくり導入しておられるのだそうです。
更に、この国の復興と、著しい発展に大きく寄与した商会連合の、
特にシャダ様、トニー様を、
それぞれ先生…と、呼んで、強く慕ってらっしゃるのだそうです。
なる程…なので、ここに大きな連合の拠点が在るのですね。
「現在のこの国があるのも、全ては神様のお導きなのだ…」
『おい?、頼むからやめろ、こっち見て拝むな!』
「嫌です。神様は神様ですから…」
『お前さあ…だんだんと、シャダと似て来てんぞ?』
「そ、それは本当ですか?先生と似て…」
『い、いや…そこ、喜ぶなよ…』
当時、国内でも色々と言われたそうです、
やれ、帝国の手先だの、帝国王の傀儡だの…と。
「だが、それがどうした?全くもってその通りだが?」…と、逆に言い返していたそうです。
ところが…実際にすべてが上手く転がり始めた途端、
国内でも帝国王の手腕は勿論、
そのやり口をいち早く導入した、国王エストラーダ様にも大きな変化、
高い評価がまき起こったそうです。
傀儡だのなんだの、寧ろそりゃ、ただの褒め言葉だろ?
それがなんと、シャダ様の口癖だったそうで、
エストラーダ様も、同じくその言葉を、常に頭に置いていたそうです。
首都 アッザン は、帝国に強く影響を受けているのか街並みなんかが、帝国にそっくりです。
帝国にある屋台も、当然多く並んでいます。
そして?
この王城の中にも、屋台が在るのですね…
わざわざ日替わりで、王城の一角に屋台が入って居るそうです。
「だって…急に食べたくなるだろ?たこ焼きや焼きそばは特に…?」
王城にお勤めの方からの評判も良く、当然?金払いも良いので、屋台組からの評判も良いのだと…
これを、WIN WINの関係、と呼ぶそうで、
シャダ商会から学んだのだそうです…
つまり、そのでどこは、うちの王様、ですね。




