もう制圧完了ですか?
グリフォンさん達が出て行ったのって、
ほんのついさっきだと、思ってましたが、
早々に帰還しましたね。
更に、捕虜も連れてますね…
グリフォンさんの帰還と同時に、艦が移動します…
現在、トールトメラの周囲を、我が帝国海軍が取り囲んでいまして、
どこかから急襲してきたと言う、国籍不明の軍と、全ての艦が現在、交戦中だそうです。
さっきの港は、どうやら敵側の、この島に造った拠点だったそうですが…
無惨にも、かなり呆気なく、こちらに制圧されましたね。
この艦も、戦闘中の地域へと、
そこへ応援に向かうみたいですね。
「いや、王様が行ったのだぞ?…そこには応援も何も無いであろう…
寧ろ、その王様のお迎えが、我等の任務であろうな…」
あ、なる程。
「しかし、一体どこのバカだ?ここまでやらかしたのは?」
「母様…バカがバカって…」
アズラエール様とカイ様が、それぞれ胸ぐらを掴み合ってますが…?
ポンと…御二方の肩に手おいたのは王様でした…
『おめえらさあ…ちょっとうるせえよ…?』
御二方は、すぐ様気をつけ!の姿勢で固まりました。
おかえりなさいませ王様。
お怪我など御座いませんか?
『ああ、問題無い…問題?こいつら以外は、特に問題ないな…』
それで…現在、ここはどんな状態になりますか?
『ああ、どうも結構遠いとこから来てる軍隊みたいだが…こっちは騎士団も特殊作戦群も動いてるからな…すぐに全部捲れるだろうな…』
なる程…
『おいカイとアズ…こっからは上陸部隊の支援だ。もうちょっと西に移動したら、グリフォンを出せ!もうすぐ、位置情報を持った飛竜隊が帰って来る』
「御意!」
『で、エトラン。お前さんは移動だ。繭に入れ…』
はい、直ちに。
「で…王はどちらへ?」
『ん?ちょっと、敵の本陣にご挨拶を…』
「は?」
『え?…』
『だ、大丈夫だよ、ちょっと、ちょっとだけ挨拶に行くだけだよ?じ、じゃあ、拙者これにて…』
まあ…いつもの事とはいえ、
流石に将軍御二方は、気が気じゃないですよね?
えーーっと?
小高い丘の上ですね…
私は、結構離れた場所に降ろされました。
何故かここで、お留守番?だそうで…??
なぜかテーブルや椅子が用意されて、
お茶と、軽い食事の準備を申し付けられましたね…
そして横には、ミュー様もいらっしゃいます。
私の護衛として?
オニキスちゃんの、その本体ですね…
やはり立派…というか、貫禄が違うというか…
ただ居るだけでも、圧が凄いですね…
暫く準備をしていたら、驚きました…
ほんの一瞬…
瞬きをするくらいの時間で、周囲を囲まれています…
ミュー様が特に反応もしなかったので、安全なのは判ってるんだけど、
一瞬すぎて、凄く驚きましたね…
あの…アーデ様の…
特殊作戦群の方々でした…
ここへ来るのを、王様は見越しておられたのだと、今、気づきました…
「また、まんまと先を越された様ですね…」
あの…とにかくどうぞ、お掛け下さい、王様もそのおつもりでしょうから…
十人居た皆様は、それぞれゆっくりと顔を見合わせ、
静かに椅子にお座りになられました…
遠くには、王様が向かったであろう、
敵の本陣が見下ろせますね…
「…我の神のご厚意は、決して無駄には出来ん、食うぞ!」
「「応っ!」」
サンドイッチという、簡単につまめるお食事と、スープですね…
え?…なんと皆様、一瞬で完食されましたね…
完食された途端、ミュー様を見つめていますが?
ああ、どうやら王様の代理がミュー様だと。
そのミュー様が出撃の合図を出される様で…
皆様、それ待ちですかね。
ミュー様は一切動きませんが。
遠くでは、突如?
空からとんでもない量の水が降ってきて…
あっという間に、軍の陣形が無くなって…
みんな流されていますね?
「クッ…終わってしまったか…」
それを観たミュー様が、ようやくシュッと、手を挙げましたね。
「お世話になりましたっ!」
皆様そう言って、走ってそこへと向かって行かれました…
そして、入れ替わるように王様が戻られました。
『えっちゃん、お茶を頼む…』
え、えっちゃん?私ですか?
『流石にエッタ…は、何故か強い抵抗感が有るのだ…えっちゃんで許せっ…』
あ、はい、ありがとうございます、
まさか王様から、素敵な呼び名を頂いてしまいましたね。
帝国内でも、ほんの僅かな方にのみ与えられるのですよ。栄誉です。凄いですね…
凄い事なのですよ、これって。
ここ帝国内では、こんなの最早、一生の自慢ですよ?
帰ったら早速、お父様に手紙で自慢してやりましょうかね…
うん、今日は良い日だ。
王様は、眼下の部隊の様子をご覧になりながら、
椅子に深く座って、ゆっくりとお茶をお飲みになってます…
え?振り返る事も無く、王様は急に、片手を挙げましたが?
すると、私達の頭上を、すごい勢いで何かかが通過しました。
さっきのグリフォンさん達だ…
急降下で、現場に突入して行ってますね。
どうやら先頭のグリフォンさんが、王様に挨拶したみたいですね?
凄い…
お茶を用意して、敵の陣形を崩し、
部隊には休憩を与えて…
仕上げはグリフォン…
全部王様の、そのお考えに沿ってるんだ…
大半の敵兵は、
王様の言う、水爆弾?で、既に戦闘不能だったそうですが…
それでも戦えるものは、駆けつけた特戦隊が殲滅し、
逃げた兵は、グリフォンが元の場所へ押し戻したと、
特戦隊の強さに加え、多数のグリフォンで、敵は呆気なく降参したそうです。
ちなみに?帝国法によると、同盟国に攻め入った捕虜は、全て復旧作業の強制労働が課せられた後で、
改めて軍事法廷に掛けられます。
つまり?改心してマジメにやれば、無罪放免の可能性も、一応あるのですが…
その意志の無いものは、それ以前にあっさりと処分されます…
裁判には、王様も立ち会うそうで…
残念な事に、王様は嘘が見えるので…
幾ら改心したふりをしようが、
ウソを並べようが、
僅かでも虚偽が有れば、そこで終わりですね…
恐らく?敵の司令官らしき者が、特戦隊に連れられて、こっちへ来ましたね。
「我が王にして最高司令官にご報告致します。敵の大将を捕らえました…尋問なされますか?」
『おう、ご苦労さんだった。そうだな、ちょっとお話しようかな、と…まずは名乗ろう。俺が帝国の王、シヴァだ、アンタは?』
「………」
『ほお…だんまりか?だが、痛い目見る前に、さっさと吐いたほうが、のちの裁判の心象も良いんだぞ?』
「………」
『へえ…立派なこったな。じゃあ…取り敢えず、その脚一本、遠慮なく貰うぞ?』
ドンッ
「ぎゃあああああああ…」
『ほら、いわんこっちゃねえだろう?喋りたくなったら、洗いざらい喋れよ?五体満足でいたいんならな?…あ、脚一本無いな?スマン…』
「………ぐううう…」
『そうか、おかわりも欲しいのか?じゃあ遠慮なくいくぞ?』
ドンッ!
「があああああああ…」
『右脚の次は左腕にしといたぞ?一応?バランスとかも考えてな…知らんけど…』
『じゃあ…次は右腕か?当然、遠慮なく…』
「ま、待て、話す、話すから、もうやめて…」
『だから事前に言ったのによ?俺は敵には容赦なんぞねえからな?ミュー、悪いが止血したってよ?』
王様は、普段目の前で…ただ子供が転んだだけでも、オロオロするのに…
戦場だと、一切迷いなく行動されますよね…
王様ってお仕事が、そうさせるのかな?
敵の大将さん、ミュー様から、止血と痛み止めも施された様ですね…
『じゃあ…改めて、茶でも飲みながら、ゆっくりお話と行こうか?』




