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美しき雌豹のアサシン  作者: ピンクサターン
20/22

莉央の狩り

莉央が、

今度は私が狩るわ❤️

「私も、お母さんに負けてられない」

莉央の瞳に、恵美の凄まじい技を見た興奮と、ハンターとしての本能的な対抗心がパッと灯った。

「莉央……!? ま、また狩るの!?」

隣で蓮がヒェッ、と情けない声を上げるが、莉央はもう止まらない。義務教育を卒業したばかりの15歳の肉体は、今まさに捕食者としての全盛期を迎えようとしているのだ。

「いい気合いね、莉央。美咲ちゃんがまだその辺の草むらで震えてるはずよ。先輩として、格の違いをしっかり分からせてあげなさい」

恵美がニヤリと笑って道を開ける。

莉央はサバンナの夜風を吸い込み、地を蹴った。

狙いを定めたのは、恵美の凄まじい衝撃音から逃げ遅れ、腰を抜かしてガタガタと震えていた別の野生の雄豹。

「はああああっ!」

莉央は鋭い踏み込みから、雄豹の背後に一瞬で回り込んだ。

夕方のデビュー戦よりもさらに鋭く、さらに深く。腰をがっしりと抱え込み、自身の細い身体を極限までしならせる。

夜空の下、少女の瑞々しくも、蓮を絶対に守るという強い意志を孕んだ重い声がサバンナに響き渡った。

「――ジャーマンスープレックス・ホールド」

美しい弧を描き、雄豹の巨体が宙を舞う。

しかし、莉央の技はそこで終わらない。夕方の「叩き落とすだけ」のジャーマンとは違う。成美先輩の卍固めを見てインスピレーションを得た莉央は、落とすと同時に自分の両足で相手の腕を、両腕で相手の首を極限まで絞り上げる、完全な固め技へと移行したのだ。

脳天が地面に激突する刹那、莉央の気迫に満ちた咆哮が夜の荒野を震わせる。

「――トドメッ!!!!!」

ドガァァァン!!!

凄まじい衝撃音とともに男性がアース(大地)にめり込み、同時に莉央のブリッジがピタッと止まる。カウントを数えるまでもない。完璧な3カウント、そして完全なる「仕留め(捕食行動の完了)」。

「やった……! お母さん、見てた!?」

莉央はふぅ、と額の汗を拭い、満面の笑みで振り返った。

「素晴らしいわ、莉央! まさかホールド式に進化させて、逃げる隙すら与えないなんて。15歳でそのキレは、私の若い頃以上よ」

恵美が惜しみない拍手を送る。

遠くの暗闇から、再び「ヒィッ……!」という小さな悲鳴が聞こえ、今度こそ完全に気配が遠ざかっていった。美咲だ。莉央の、蓮を渡さないという執念のジャーマンを見て、完全に戦意を喪失したのだろう。

「莉央……すごすぎるよ……」

蓮は呆然としながらも、自分を守るためにここまで強くなってくれた莉央に、恐怖を通り越して深い感動を覚えていた。

「もう大丈夫だよ、蓮。美咲も、もう来ないから」

莉央は蓮の元に駆け寄ると、さっきまで140キロの男を投げ飛ばしていたその手で、優しく蓮の手を握った。

二つの獲物を軽々と担いだ恵美と莉央、そして守られた蓮。

三匹は、温かい灯りと最高の料理人が待つ、自分たちの「巣」へと誇らしげに帰還するのだった。

莉央の進化系ジャーマン、美咲ちゃんへの完璧なカウンターになりましたね!

これで蓮くんの安全は完全に保障されました。

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