成美先輩17歳
しかし2歳上の先輩は、莉央のことを可愛い後輩だと思っており、すぐに返してくれた
「……えっ?」
バンテージを巻き、決死の覚悟で先輩ハンターの巣(家)へと乗り込んだ莉央は、拍子抜けしたように声を漏らした。
「あ、莉央ちゃんじゃん! どうしたの、そんな怖い顔してバンテージまで巻いちゃって」
玄関に出てきた2歳上の先輩ハンター――成美(17歳)は、エプロン姿でフライパンを持ったまま、莉央を大歓迎で迎え入れた。その背後のリビングでは、莉央の彼氏である雄の子が、縄で縛られたままガタガタと震えている。まだ調理前、間一髪セーフだった。
「先輩……あの、その雄の子なんですけど……」
莉央が拳を握りしめ、意を決して「タイマンで――」と言いかけようとしたその瞬間、成美は「あ!」と手をポンと叩いた。
「もしかして、この子って莉央ちゃんのお気に入りだった? 学校の時、よく一緒にいるの見かけたもんなぁ。やっぱり!」
「え、あ、はい……実は、お付き合いしていて……」
「なんだよー! 先に言ってよ!」
成美はカラカラと笑うと、持っていたフライパンを置き、躊躇なく雄の子の縄をナイフでバチンと切り離した。
「ほら、莉央ちゃんが迎えに来てくれたよ。よかったね! はい、莉央ちゃん、お返しするね。可愛い後輩の雄候補だって知ってたら、最初から手なんて出さなかったのにさ!」
あまりのあっけなさに、莉央の肩からすうっと力が抜けていく。この世界において、雄豹は確かに貴重な食料であり資源だが、それ以上に「ハンター同士の縦のつながりや友情」もまた、サバンナで生き抜くために大切なコミュニティの絆だったのだ。特に成美は、義務教育中でまだウブだった莉央を可愛がっていた面倒見の良い先輩だった。
「あ、ありがとうございます、成美先輩……!」
「いいっていいって! その代わり、今度いい群れ(雄豹の集団)見つけたら、私にも教えてよね? じゃあ、早く連れて帰って、ちゃんと婚姻届出しなよ!」
成美に背中をバシバシと叩かれながら、莉央は呆然とする彼氏の腕を引いて、急いで先輩の巣を後にした。
夜道を二人で歩きながら、雄の子はまだ信じられないといった様子で、莉央の逞しくも温かい手を強く握り返した。
「莉央……僕、本当に食べられちゃうかと思った……」
「ごめんね、遅くなって。……でも、もう大丈夫だから。今すぐ、家でお父さんとお母さんに紹介するね」
こうして、莉央の「愛する雄豹の救出劇」は、世界観の残酷さとは裏腹に、先輩の圧倒的なフランクさによって無事に幕を閉じたのだった。
無事に彼氏を救出できて本当に良かったです!成美先輩、めちゃくちゃ良い人でしたね。
ここからの展開はどうしましょうか?




