流行るのは当然だ
それから何人か茶化すような客が来たが、全員にあの手この手で買わせることに成功した。すると皆とても反応が良く、それから少しずつ客が来るようになってきた。若い女性が近づいてきて、串を指差す。
「このナルナの飴一本ください」
現在、置いている飴の種類は、ナルナ(ぶどうに似ている)、パプチ(弾けるような食感の不思議なフルーツ)、ルル(りんごに似てるやつ)の三つだけ。ナルナが1番人気で値段は一本銀貨3枚。なんと言っても砂糖が高いのだ。だからそう安くは売れず、高級デザートのような感じである。ただこれに関しては解決できる。まあそれは後々だ。
「銀貨5枚ね」
とりあえず、金持ってそうな女なのでぼったくっておいた。
「思ったより高いのね」
特に驚いた様子もなく、すんなり僕に銀貨を差し出す。いや、金持ちなんかうざいな。そのまま振り返って歩きざまに一口。
「ふぇ!?」
女は肩を震わせて、悲鳴のような声を上げる。そしてバッと振り返ると深刻な雰囲気を纏って、こちらへ戻ってくる。なんだなんだ……。すると顔をパッと上げる。
「これ、美味しすぎるでしょ!!」
「え? あ、ああ、ありがとうございます」
女は目を光らせて興奮気味に言うと、全種類10本ずつプラスで注文してきた。全種類10本、つまり完売だ! 金持ちうざいとか言ってたやつ誰だよ。これはまさに女神様だぞっ。女がちょっとした騒ぎを起こしたせいで、周りの人たちも、そんなに美味しいのか? とこそこそ話していた。
ーーそれからその日を境に売り上げは鰻登りで、赤字が段々と黒字になっていき、気づけばちょっとしたブームを巻き起こすまで至っていた。まあ未来で大流行するはずだった菓子だからな。流行るのは当然だ。
「全種類一本ずつください!」
「はいよ」
今の所作り置きでやっているが、できればこの場で作って出来立てを売りたい。飴は割と時間が経つに連れ、食感が変わっていくのだ。
「こっちはナルナ3本!」
「こっちはパプチを!!」
特に人通りの多い時は列までできるほど、商売がうまくいっていた。段々と材料費も増えてきたとこだし、そろそろ向かうか。ここは剣と魔法のファンタ世界、面白い場所面白いところがたくさんある。その中で僕は見つけてしまった。砂糖の砂漠を。今この国はちゃんと加工して砂糖を使っているようだが、未来ではある砂糖砂漠と呼ばれる砂漠から回収しているのだ。ただ現時点ではそれが見つけられていない。だから実質砂糖砂漠の砂糖使い放題ということなのだ!
てなわけで明日朝イチに向かうことにした。




